星見司処

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■492 / 3階層)  アイテム作りの歴史
□投稿者/ クレール 軍団(143回)-(2011/06/05(Sun) 23:39:51)
    2011/06/15(Wed) 15:49:25 編集(投稿者)

    るしにゃん王国は、文殊に登録されるような武具の開発を行った国としては後発にあたる。
    現在、強弓と魔法弓を開発しているものの、物理的な力を行使するものとしては暁の円卓藩国の強靭刀に遅れ、魔法的な力を行使するものとしてはゴロネコ藩国のマジカルステッキに遅れている。
    だがそれ以外で見た場合、るしにゃん王国はアイテム作りの歴史において最先端を追ってきたのだ。

    アイテム作りにおいてその根幹を成すのはi言語(f:)を用いた形成である。
    i言語は、その名が語られる前は函(システムタイトル:函の中の戦士)と呼ばれる存在で、
    るしにゃん王国はゲーム枠を用いてロールアウトしたての函の中の戦士をプレイした国となった。
    と言っても当時はネコリスと戯れる時間で、非常に穏やかで楽しいひとときであった。

    またその後もるしにゃん王国は函を触り続けた。
    絢爛世界で死んだ少年を探したり、士気向上のためにアイドル育成を行ったり、75%の消失を復興させていく礎を積み上げたり……。
    その結果、全国で最も多く函で遊んだ国の1つとなり、その実績から多くの函ゲームで他国を助け、裏でアイドレスを支えるものの1つとして功績を残すこととなった。
    しかしその実績自体は余り多く語られることはない。函の中の戦士というシステムが複雑で分かりにくかったことが大きな理由であろう。
    あるいは、もしかしたらこれもるしにゃん王国が地味扱いされるという伝統の1つの表現形なのかもしれない。


    そして、個人が持つアイテムはシーズン1より特別な者が持つことがあったが、
    多くの人に普及するようなアイテムは函の中の戦士で行われたアイテム作成大会が始まりである。
    初めて作られたものは、ナイフとお弁当。ついで指輪。
    当時はアイテム作成大会のみが自分のアイテムを得る方法であったが、函の中の戦士の難易度に加えてコストや枠の希少性などの問題も重なり、
    多くが作られることはなかった。

    その中で突然と開店し、個人用アイテムを提供しはじめたのがクレールの経営するアイドレス・アイテム・ショップ(通称アイテムショップ)であった。
    個人向けのオブジェクトを販売する商店としては、スイート・ホーム・カンパニー(通称SHC)が世界初の商店であるが、SHCは施設・建築物のメーカーである。
    それに次いで世界で2番目のショップとして営業開始したアイテムショップは人の手に収まる範囲の、いわゆる「アイテム」を取り扱う商店であり、
    はーとくらふと、silver vine、BK警備保障など、多くの商店の先駆けとして、イベント連携・セールなどを打ち出してSHC(とその系列店たるASEA)に次ぐ多大なる業績を上げる商店となったのであった。

    そして、アイテムショップの品揃えは非常に多岐に渡る。
    その中心となるのは日用品、装飾品、福祉用具などで、そのほかに加工食品、装備品、乗り物など、建築物とその家具を除いてあらゆるものを取り扱っている。
    また、商品傾向を見るとその大半は機械も魔法も関係ないものだが、機械製品とマジックアイテムでみれば、マジックアイテムのほうがその種類はかなり多い。
    全国展開をしている都合上、他国の産業として作られている機械製品を取り扱うのは致し方ないといった風であろうか、とはいえこの店でも森国人の気風は根付いており、機械と魔法の混合禁止をはじめとする、るしにゃん王国民のアイテム作りの基準は強く遵守されている。

    函の中の戦士からアイテムショップまで。文殊に登録されるレベルのアイテム作りの歴史はそのシステム基盤から今を支える実用品にいたるまでの流れ全てにるしにゃん王国はそのかかわりを持っていたのである。

    そして、文殊に登録されることはないものであっても、るしにゃん王国のものづくりの歴史は非常に長く、造詣の深いものであった。
    古くはターン1のころ、瞑想通信に宝石を用い、多種多様な薬草を用いた医療など生活基盤を支えるだけでなく、少数精鋭の職人と数少ない素材からの手作りによる武具は装飾具として名をはせていたといわれている。

    そして森国人の要点でもある河の鉄、すなわち砂鉄を用いた金属製品作りは、忍者の系譜と共に進化を重ねていった。
    砂鉄は一般的に鉄鉱石から近代的手法で精製される鉄よりも不純物が少ないため、非常に良質な鋼である玉鋼を得ることができる。
    そしてるしにゃん王国の玉鋼の鍛造品は、剣の最高峰の1つである日本刀の製法を森国で独自に再現するに至ったのだ。
    そして金属の鍛造においては、強い火力と同時に硬度を調整するために良質な炭素を独自に追加する場合がある。古くから発展してきた詠唱技術と植生豊かな大森林を保有するるしにゃん王国では、技術さえあればそのどちらをも実現するのは容易なことであったのだろう。
    これらは忍者の白兵武具に利用され、その後は巨大化に派生して竜猫の扱う刀剣となる分枝と小さく大量生産されて弓兵の矢になる枝に分かれていくこととなった。
    また民間転用として、医師が執刀で振るう医療器具などにもこれら刃物を鍛える技術が用いられており、医療技術の向上にも役立っている。

    そして弓には鏃だけでなく、弓幹や弦、手を保護する手袋など、多くの部位がある。それらを生産する技法の基となったのは森国の衣服作りである皮革の加工技術に森国の産業基盤でもある生物資源の生産加工技術である。
    風の中心を探す旅人が纏う丈夫な旅装や、医師が執刀の際に着込む清潔な白衣なども弓作りと同じことである。異なる目的と特性を持つ製品を独自に生み出してきたのは、それぞれの技術系列の基盤と共に森国の要点と産業基盤が高度に発展していたことに由来するのである。
    大魔法使いの高度な詠唱能力の制御を中心とする繊細な魔法技術は風の中心を探すものが持つ浮かぶ鞄を作り、弓兵の弓矢に付与する魔法を編み出した。
    無菌を求められる手術衣・手術器具は多くの薬草を主とする森の植生研究から花開く、特化した薬学に基づいた消毒によるもので、近代的には機械を要する治療では魔法を用い、あるいは医薬品の研究はISSの活動をも支えてきたことがあるだろう。
    これらそれぞれの職業の発展と変遷を見ても、技術の発展と共に自ら生み出したアイテムがるしにゃん王国を支えていたのである。

    だが、追求されすぎて禁忌に至った魔法は国の四分の三を灰燼と化し、医療に頼りすぎた戦術は世界中の多くの兵士を薬漬けの廃人にした。
    それは、本来の森国人の生き方である自然との調和から外れかけたことへの、森からの戒めと忠告だったのではないだろうか。
    その結果を見て、るしにゃん王国は一度は技術を恐れ、全てを捨て去り原始の時に戻ろうとしたこともあった。
    だが、それだけで平穏が取り戻せることはなく、戦乱は続く。時を重ねて、全てを律するのは知識であり、知識を制御する理性であることを学んだ。
    身を以って、行過ぎることの危険性と調和と中庸の重要性を学んだのである。
    あるいは寛容と慎重の心を知った、ともいえるだろう。
    そうしてるしにゃんの民は、再びアイテムを手に取り、技法を思い出し、律する心で文化と文明を取り戻していったのだ。

    これらの歴史があり、そしていま、るしにゃん王国では弓兵のため、文殊に登録されるレベルの強弓と魔法弓が並行的に開発を進められている。
    機会や風向きがあれば、同様のレベルの医療器具、詠唱用焦点具、竜猫のための剣なども続いて開発されるかもしれない。
    アイテム作りの文化の集大成の1つとして、彼らのその経験と知識と技術が終結されたそれは、きっと王国だけでない、アイドレスの歴史に名を残すよいものになるだろう。
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