タイトル | : 第二次黄金戦争の背景考察 | 記事No | : 716 [関連記事] |
投稿日 | : 2007/07/05(Thu) 09:53:17 |
投稿者 | : S43 |
第二次黄金戦争の背景考察
○根源種族の帰還と世界分裂 事件の発端である灰色の泡の出現は、既知の3000余りの世界が、加速し、根源種族(=オーマ)が閉じ込められていた閉鎖世界に接続してしまった事が原因である。
第6世界の分裂、第6世界群の発生から、世界はバランスを崩しており、大絢爛舞踏祭事件の遥か以前、2001年には第7世界は加速を開始している。 おそらくは世界分裂した時点から相対的な加速が始まっていたと考えられる。 世界の分裂は分裂世界を加速させ、この世界と情報連結していた世界も引き摺られるように加速を開始したのだろう。
サーガの記述に従えば、第6世界の分裂はセプテントリオンに在籍していた頃のAとアリアンの手によるものとされている。 彼のものの第7世界への帰還を防ぐ事が、その目的だったと。
現在のアリアン(=ヤガミ)は、こう言っている。 「誰かが世界(線)を分けている。世界の研究がすすんでからは、あんなもの(NEP)を兵器として使う奴はいない」 「結果としては、世界が最終的には崩壊してしまう……」
第6世界を分裂させた後、GPM23の時点では、第6世界でNEPが使用されていたという記述がある。 一方、絢爛舞踏祭でもNEPは(地球政府の脅しとして)登場するが、この時には既に使用が禁止されている。
NEPはEGB事件後、第5に現われ、回収された聖銃を元に開発されたものであり、第5ではなく第6で兵器として運用されたと考えられる。 NEPが世界線を分けるのであれば、第6世界の分裂はNEPによるものだと考えていいだろう。 その後、世界の分裂が世界の加速を生み出すことがわかり、使用が禁止されたと考えれば一応の辻褄があう。
これが正しければ、世界の分裂が、黄金戦争の扉をノックしたものであっても、Aとアリアン、そしてセプテントリオンにはその自覚がなかったと見ていいだろう。
しかし、ヤガミは「”誰か”が世界(線)を分けている。」と言っている。 作為的に世界を分け、加速させている誰かがいると。
○セプテントリオン 大絢爛舞踏祭事件では、黒幕はセプテントリオンだった。 瀧川一族の歴史改変による抹殺、そして、絢爛世界の100年の平和の阻止。 それが目的だった。 作戦は失敗したが、続く白いオーケストラ事件では、火星への侵攻に成功している。 白いオーケストラは娘を助けようとするAと利害関係の一致したセプテントリオンが起こした事件とも言えるが、主導者は主にAだったように思われる。
この事件の裏で超新星爆発、つまり灰色の泡が観測され、出現した正体不明の艦隊(おそらくは根源種族)と交戦、大敗を喫したことから、内紛に発展し、組織は二分される結果になった。 この一戦でもNEPを兵器として使用していることが記されている。
大絢爛舞踏祭は聖銃による歴史改変、灰色の泡観測艦隊はNEPと、ヤガミのいうタブーをセプテントリオンは積極的に犯している。 では、セプテントリオンが”誰か”なのであろうか?
セプテントリオンは、内紛後、一旦は壊滅的打撃を与えたヤガミ率いる神聖同盟との間に休戦協定を結んでいる。 以降、目立った動きはなく、白いオーケストラで一度は手に入れた火星も手放す結果になっている。 レムーリアでのターニの帰還事件では、セプテントリオンのイヤーワーカーであるOKが関与していたが、組織的な動きとしては規模が小さく、アプローの涙では、組織を抜けたKOが私怨で関わっていたに過ぎない。 第二次黄金戦争に突入後は、小笠原でHIが確認されるまで、全く姿は見えてこない。
これでは、黒幕と判断する材料が少なく、その目的も想像できず、オーマはセプテントリオンにとっても予想外の敵であるようにしかみえない。
事件の引き金になっていると予測されるたんぽぽに関する異常について考えてもセプテントリオンが積極的に関わっているとは思えない。 たんぽぽの使用阻止に動いていたのはクーラ一派であり、現在確認されているHIにしても、これと戦う立場にあった。
○クーラ・ベルカルド そのクーラ一派はアプローの涙事件の終盤、第二次黄金戦争の先駆けともいえる広島での戦いで姿をみせているが、クーラの撤退直後にセマオーマが現われおり、直接の交戦は確認されていない。 むしろ、クーラの撤退がセマの出現を予見していたかのようである。
クーラはTagamiがネットワークに供与した二丁の聖銃のうちの一丁天照が生み出した「不死のメンテナンサー」である。 世界移動存在にして、風を追う者の王、偉大なる光の王とも称される。 Tagami同様、「複数の世界に同時に存在できる、本当の意味での神に近い存在」であり、 聖銃の帰巣本能により第7世界に向けて侵攻しているという。
彼を生み出す原因となった、EGB事件は、ベルカインの行ったアルスマグナにより、復活した彼のものの為に第4世界が閉鎖し、Tagamiが閉じ込められるところで終わっている。 その彼のものも又第7世界に向けて移動を開始している。
瀧川防衛戦で初めて見せたその姿は、Q目標ペンタクローンさながらに中世的で美しい姿だった。 銃弾を防壁で弾き返し、到底倒せるとは思えない威圧感をもった彼は、になし藩国に現われたボラーと同じ印象を与える存在だった。
ここで、一つの仮説を導入する。 「彼のもの=根源種族=オーマ=クーラ」
この仮説を裏付ける事実と解釈は以下の通り ・彼のものはオリジナルヒューマン 直訳すれば根源的人類であり、根源種族という呼称と意味的に一致する。 ・彼のものの復活は世界を加速させる アイドレスの現状もまさに同じ、オーマの侵攻により世界は加速し閉鎖に向かっている。 オーマがその世界に存在することだけで、世界は閉鎖に向かう。 ・WOはAZANTと戦う存在 オーマは真っ先にWOを殺害している。 オーマの出現にWOが免疫機能として働いた結果と考えられる。 ・彼のものは近くにいるものを被爆させ全てを彼のものに近づけていく。それがヤオト。 NWでは、オーマの襲来に対応して、PC達はより強化されていっている。 中には覚醒し、オーマとなるものもいる。 オーマが彼のものなら、覚醒したPCはヤオト体といえる。
悲しみの聖戦で光の軍勢は第4世界に彼のものを封印したという。 絢爛舞踏祭でのTagamiのセリフからもこれは事実だろう。
ベルカインが目覚めさせた「彼のもの」は確かにヤオトを呼び、世界を変容させていったと言える。 だが、この彼のものが具体的にどんな存在であるかは明かされてない。 目撃例も語られず、精霊降る大地となった第4世界を語るプルムの記憶にも現われない。 代わりに現われたのはクーラである。
サーガの記述を要約すると「クーラは聖銃の帰巣本能で第7を目指し、彼のもの本体が移動する前にそのゲートハック能力を利用して第5への逆侵攻を企てた」とある。 彼のものが別に存在したとして、クーラは何故それを出し抜くことができたのか? 姿の全く見えない彼のものという存在を想定するよりもクーラこそが彼のものと考えた方がよほど納得がいく。
○彼のものと根源種族 彼のもの=オーマだとすれば、その封印とは、世界閉鎖を指すと思われる。 「彼のものは風の中心にいる」のだから、世界閉鎖しセントラルの落として封じたのだろう。 灰色の泡はセントラルの崩壊と時を同じくして出現している。 出現したから崩壊したのか、崩壊したから出現したのかはわからないが、この二つは矛盾しない。
根源種族=オーマは移動存在である。 クーラは第4にいて、なお移動存在であり、風を追う者の王と呼ばれていた。 第4で生まれた者が、第4に居ながら移動存在であるのはおかしい。 閉鎖世界から第4に移動してきてクーラになったのではないだろうか? 「複数の世界に同時に存在できる」ということを、現在確認できるオーマと同様、WOに対抗し、移動しても同一存在を消されずに存在できる状態のことを指すと考えれば、これも査証となるだろう。
根源種族は移動存在であり、風とは世界、本来移動をし続けなければならない移動存在を風を追う者という。 風を追う者の王は、移動存在の王であり、即ち根源種族の王でもあるはずだ。 互いに殺し合い一なる一人を選ぶ黄金戦争の勝者はまさに風を追う者の王ではないだろうか?
これらが正しければ、クーラはアルスマグナにより閉鎖世界から第4に出現した根源種族=オーマであり、一なる一人を選ぶ戦いをする為に全てを仕組み、頂点に立とうとしていると考えられる。 そして、その頂点に立つものこそが彼のものなのではないだろうか?
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