| 2008/07/15(Tue) 23:44:53 編集(投稿者)
○魔法使いの帰還 あの大災害の後,るしにゃん王国の魔法使いは深刻な迫害を受けていた。災害を引き起こした者が魔法使いの長ともいうべき男だったからである。 迫害は熾烈を極め命を落とすものもあったが,彼らはそれに抗うことなく受け入れていた。 迫害に反撃して罪無き者を傷つけることを望まなかったこともあるが,その男を引き止めることができなかった自らを罰するためだったのかもしれない。
やがて魔法使い達は彼らと共にいることがより彼らを苦しめるだけであるということを察知し, 金星の塔の者として誰とも知れず鞄を持ち,旅装束に身を包んでるしにゃん王国より旅立った。 ただ迫害から逃れるのではなく,迫害をする森国人を苦しめたくないとする純真な思いであった。
旅立った彼らの行く道は過酷を究めた。 NW全域で森国人への差別が起こっており,居場所と呼べる場所はほとんどなかった。 当時聯合を結んでいたナニワアームズとFEGは友好的であっても,迷惑はかけられないと長居をすることもなく, 広い荒地をただ歩き続けた。
やがて彼らは一つの結論を得る。もっと遠くへ行こうと。 たとえ言葉が通じなくても,文化がNWと全然違っても,魔法使いがいることでそこに住む者が傷つくことがないような場所へ。 彼らの知識を総動員して得たその手段は,世界移動であった。
/*/
#世界移動に関する説明。
/*/
そして彼が救われ,森国に緑が戻り,魔法の再興がはじまろうとするころ。 ひとり,またひとりと,いくつもの世界を巡った金星の塔の住人は戻ってきた。 七つの世界の仕組みを肌で感じ,今までにない言語や文化に触れ,新しい知識を獲得した彼ら。 理力を扱う技術こそ放棄したものの,それを代償に得た数多の知識はその身に宿る魔法を多面的に支援し,磨き上げていた。
そして彼らは休むまもなく再編された教育システムに組み込まれる。 不満が噴出するかと一部は危惧していたが,彼らは喜んで与えられた仕事に従事した。 婚期を逃したともはや結婚は諦めていたが,自らの知識を伝授した相手は知識的,精神的子孫といえるものである。 世界の謎を妻とする彼らに思わぬ形で与えられた夢なのであった。
|