星見司処

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■506 / inTopicNo.21)  竜猫 要点調整
  
□投稿者/ クレール ファミリー(155回)-(2011/07/03(Sun) 20:38:41)
    2011/07/21(Thu) 19:06:03 編集(投稿者)

    私の書いてる文章のほうで調整しようと思います。

    http://gamechaki.kotonet.com/ygid/ygid34.html

    長い耳,長い髪(男女とも),やせぎす,絹の服装,頭環
    森の王宮

    偉そう,巨大剣,デブ猫
    戦場

    肩に乗せた猫
    神殿

    世界の国をモチーフにした忍者装束(例:イギリス忍者),尻尾,悪そうな目
    城の屋根


引用返信 削除キー/
■507 / inTopicNo.22)  術式に関する強化
□投稿者/ クレール ファミリー(156回)-(2011/07/05(Tue) 08:42:33)
    2014/01/29(Wed) 18:43:45 編集(投稿者)
    2011/07/05(Tue) 15:53:51 編集(投稿者)

    完成品への解放

    「魔法弓具の中に未登録の成功要素欄を作りましょう。」
    「はぁ。」
    「要するにですね。魔法弓具のマウントの中身が専門用語たっぷりの成功要素しかなくて、使いこなせるのに個人差があるんです。」
    「すまん、何を言っているかまったくわからへんねん。」
    「(あ、Aの魔法陣未プレイの人か!)」

    /*/

    試作品が抱えるもうひとつの問題は、極端な個人差であった。
    弓術と詠唱のどちらにも優秀な成績を収めていても、魔法弓具の運用においては他よりも劣る――そんなケースが少なからず存在するのだ。
    これについて、長く個別に対処されてきたが、魔法弓手が増加し、データをより多くの統計として集めることができるようになって、
    驚くべきことがわかった。
    それは、一人の研究者が感じた、非常に扱いの巧みな者達や、あるいは起動すらできない者達のそれぞれに共通して感じる違和感が始まりであった。
    身体能力もばらばらで、顔も嗜好も違うのだが、何かが近いような雰囲気を感じ取ったらしい。
    その違和感を元に詳細なアンケートを行った結果、彼らにひとつだけ共通するものがあった。
    それが、彼らの得意な詠唱魔法の種類であった。詠唱魔法には属性や利用法が多々あるが、魔法弓具の扱いが非常に上手なもの、あるいは得意でないものには、
    それぞれ得意な魔法の傾向が存在していることが分かった。

    魔法や精霊についての造詣があるクレールは、これを個人の持つ属性や、波長・波形のようなものと考えた。
    例えるなら、道の途中の水溜りをどう濡れずにわたるか、というようなものだ。道の途中の水溜りに対して人は、どこからか木片を持ってきて橋を作る者もいれば、上着をかぶせる者もあり、飛び越えたりや迂回をする者もいる。
    もう少し実際の表現形に近づけて分かりやすく言えば、同じ魔法を発動させるにも、一人ひとりの詠唱中の声の波形は同一ではない。トーンは揃えるかもしれないが、完全に同じ声を出すことは不可能だ。極端なものでは、詠唱文の接続詞や、漢字の読みが違うケースだってある。(『永遠に』を、「とわに」と読むか、「えいえんに」と読むか、といった感じである)
    たとえそうであっても、同じように学んできたものであれば、魔法を行使することはできる。本来の魔法はすべからくそういった差異を許容する冗長性を持つものである。
    しかしネコノツメ自身はその冗長性を受け入れず、完全なトレースを要求するのであった。
    そのような性質を持つ理由はいくつか考えられた。開発途中ゆえに基準となるものに完全に沿う必要があったのかもしれない。あるいは、元来焦点具・魔法兵器とはそういうもので、ネコノツメほど発動を細かく補助するものが開発されなかったから気づかなかったのかもしれない。
    だが、開発側からすれば、いくつかの理由のどれが正しいのかまで考える必要はなかった。それが問題であるならば、すべてに対処して完成に近づければよいのだ。
    まだこれは開発途中の品なのだから。

    この解決にあたり、はっぷん技師とクレールは、ある点に着目した。
    ――魔法には冗長性があるが、ネコノツメにはない。
    ――ネコノツメに込める魔法には冗長性があるのだから、
    ――そうだ。ネコノツメの機構ではなく、術式を調整しよう。

    そうして、ネコノツメは再解析が行われ、組み込まれている術式のみを抽出し、最適化して不要な条件付けを整理した。
    さらに、暴走しないように慎重に、術式の空白地帯とでも呼ぶべきものを作ることにしたのである。
    それは、術者が弓具に力を合わせるのではなく弓具が術者に適応するためのものである。
    この空白地帯に、使用者が半ば無意識に個人の特性に応じた完成のための術式を入力することで、自動的な最適化を果たそうというものである。

    それは例えるなら国語の文章問題のようなもので、文中の接続詞を空欄にして「ここにあてはまる語句を答えよ」というようなものである。
    単語力によっていくつも答えをいれることができるが、前後の文脈を解する国語力と知識がなければ正しい種類の答えを入れることはできない。
    正しい種類の答えを入れれば使用者の個性を反映したオリジナルの文章が完成し、かつ意味が通ることで魔法は発動する。逆に間違えれば、魔法は発動しない。
    この試みはマジックアンバーの組み込みによる基本性能の向上も相まって非常にうまくいった。
    個人の得意な魔法の傾向によらず、技量が十分であれば最低限の機能として魔法の矢を作ることができるようになったのである。

    そしてこの空白化は二つの副次的な効果をもたらすことになった。

    ひとつは、魔法弓具のセキュリティの向上である。
    術式の空白地帯を使用者は自身の個性に沿った形で埋める。が、そのとき、空白地帯を埋められた魔法弓具はその状態が固定され、所有者が作った経路でしか術式を起動させることはできなくなるのだ。
    整備用の動かし方や再起動して設定をリセットする手法もあるが、前者は戦闘に足りる出力は出ず、後者は空白地帯を埋めた所有者が魔法使いの助力のもと特殊な儀式を行う必要がある。
    それでいて、魔法弓手に渡されるまでは、兵器管理主任が暫定的に空白を埋めるため、保管される品を奪取しても兵器としての悪用は不可能になる。
    これによって、魔法弓具を盗難されて悪用されるといった事態が回避できるようになったのだ。

    そしてもうひとつは特殊機能の追加である。
    これまではただ魔法の矢を射出するだけであったところを、個人の得意な傾向で術式を補足構築することで、魔法の矢に特性を持たせることができるようになったのだ。
    たとえば失せ物探しの魔法が得意な人であればホーミング機能の追加、明かりの魔法が得意な人であれば照明弾化などである。
    とはいえ、それぞれの魔法弓具の容量に違いがあるわけではなく、得意な傾向によって攻撃力が大きく変化する、といったことは稀である。
    この特殊機能の追加とほぼ同じものとして、個人個人で二層構造の魔法陣の位置や使い方が変化する者もある。
    例をあげれば、円形魔法陣が片目に現れてスコープモノクルのように狙いをつけたり、矢筒の位置に現れて矢を抜き取る所作で魔力を伝達させるかのようにしている。

    そのため、魔法弓手部隊の光景は一見してそろっていないようにも見えるだろう。
    マーチボウという、軍用弓の名前にそぐわない光景である。

    だが、その実射撃戦では見事な協調を見せており、さながら自由の中の調和、共に和して猫の旗に栄光をという共和国の国是を体現しているのかもしれない。

引用返信 削除キー/
■508 / inTopicNo.23)  素材の強化改善
□投稿者/ クレール ファミリー(157回)-(2011/07/05(Tue) 08:43:05)
    2014/01/30(Thu) 15:29:03 編集(投稿者)
    2014/01/29(Wed) 16:23:27 編集(投稿者)

    「あ!わすれてた!」
    「えー……」
    「うそうそ、わかってた」
    (ほんとかなぁ…。)

    /*/

    魔法弓具は、魔法の弓矢を作るものとした場合、焦点具の1つであると見ることができる。
    全ての部品が類似魔術の観点から調整が施されていることからも、このカテゴリ分けに文句をつけるのは難しい。
    だが、焦点具というカテゴリから見た場合、ネコノツメの試作品には大きな欠陥があった。
    焦点具の中心、焦点となる核とでもいうべき存在である。
    たとえば指輪やペンダントにとりつけられた宝石。
    たとえば儀式杖の先端に取り付けられた飾り物。
    そういったものが足りていなかったのだ。

    しかしなかったのにはなかったなりの理由がある。
    それは、ネコノツメはあくまで弓具の1つである、というものだ。
    ネコノツメがその素材に弓具のものが使われ、類似魔術による強化がなされているにもそれゆえである。
    また、焦点具の技法は古くは瞑想通信の触媒に宝石を用いるなどに使われてたが、宝石を埋め込む弓というのは普通には存在しない。
    埋め込めば、そこから弓のバランスが崩れ、耐久性が著しく低下するからだ。

    そのため、焦点具としての核はネコノツメの試作品には存在しなかったのだが、魔法弓具のバージョンアップとして魔法の特性を強化するにあたり、焦点となる核の必要性はもはや避けられぬものとなった。
    そのため、弓具であるというポリシーを曲げぬことなく、かつ焦点具としての特性を完成させることができるものを探すことになったのである。

    しかし、核となりえそうな貴金属・宝石類は100を超える種類があり、それをすべて取り寄せて実験するには予算と危険の問題が大きく、
    時間をかけて、魔法弓具にふさわしい核を多くの文献からしらみつぶしに探すこととなったのである。
    そうして見出されたのが、琥珀であった。

    数ある輝石・宝飾素材から琥珀が選ばれたのは、琥珀の原型が防腐や接着作用を持つために弓作りには欠かせない漆などの樹液から作られるものだからである。
    厳密には琥珀は宝石というよりは化石なのだが、他の宝石達と同様の輝きと歴史をもって世界中で珍重されてきた存在である。
    さらには漢方では「一に去驚定神、二に活血散淤、三に利尿通淋」と、体内循環を整える薬として処方されることもあり、魔力の流れを整える焦点具としての役目を担わせることは、類似魔術の観点からもふさわしいものであり、
    王国の英雄である緋乃江戌人のオーマカラーである黄色を示し、擦ると静電気を生ずる性質が強弓開発にて生み出されたされた鎮圧兵装の「がりんの矢」に付与されている弱い雷属性との親和性をも生み出している。
    そして樹液の植物の接着剤として弓の素材をつなぎ合わせる役目と、琥珀に与える焦点具の核として魔法と人とアイテムをつなぐ役目の相似、
    さらには琥珀の語源が「トラのような宝石」ということが、ネコの名を関する魔法弓具に用いることへの決定を後押ししていた。

    そうして慎重に考証と検討を重ねて選んだ素材で作られた部品は、稼働試験を目標水準を上回る形でクリアし、量産体制への構築へと移行したのである。

    天然の琥珀を用いるのが最もよいのであるが、天然物では良し悪しの幅が大きく、また、大量に確保するのも難しい。
    そのため、国内の技術を用いて人工琥珀を作ることにした。
    接着・塗装剤である漆と、強弓開発で見出されたマユミを主とする弓の材料からとれた樹液や花の蜜。
    これらを混ぜ合わせた混合液を岩で作った型に流し、魔法を用いて温度・圧力などの条件を与えて固体化を促す。
    時間・空間の操作は行わず、琥珀が作られる地中と同じ条件を再現することで混合液を琥珀化させる手法である。
    こうして作られる人工琥珀は生成工程で魔法が用いられることと、マジックアイテムに用いる素材であるために
    魔法琥珀「マジックアンバー」という名前が与えられた。
    マジックアンバーは歴史の重みはなく人工であるために天然物と比べて宝飾品としての価値は低いものの、原料の親和性の高さと製法の近似から来る天然琥珀との類似によって、マジックアイテム素材として十分なポテンシャルを保有している。

    そして、それ以外の小手を構成する部品についても再検討が重ねられた。
    マジックアンバーの琥珀化のような複雑な工程はないものの、いずれも弓矢を作るものと同じ素材から加工・調整を施されて作られている。
    鏃と同じ鋼、弦と同じ糸、弓幹や矢に使う木や竹、弦引く手を保護する手袋や弓と矢を保管するために用いる弓袋や矢筒に使う布と革。
    これらが一つになり、最後に素材をつなぐ寓意を含むマジックアンバーが用いられることで、ネコノツメは1つの弓具としての完成をはたすのである。
引用返信 削除キー/
■509 / inTopicNo.24)  データ開示きました。
□投稿者/ クレール ファミリー(158回)-(2011/07/16(Sat) 23:17:06)
    L:るしにゃんTLO = {
     t:名称 = るしにゃんTLO(人)
     t:要点 = 魔力を無限にため込んだ,笑顔,怖い
     t:周辺環境 = 森の中
     t:評価 = 体格2,筋力2,耐久力3,外見4,敏捷3,器用7,感覚2,知識3,幸運−5
     t:特殊 = {
      *るしにゃんTLOの人カテゴリ = 汚染種人アイドレスとして扱う。
      *るしにゃんTLOは根源力3万以下を視線だけで即死させることが出来る。
      *るしにゃんTLOは一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料2万tを消費する。
      *るしにゃんTLOは物を作る際に器用で判定し、成功すると評価+4の魔力を与えられる。
     }
     t:→次のアイドレス = 空を飛ぶ(絶技),邪眼(職業),封印の模様(職業),魔力結晶(アイテム)



    L:るしねこ = {
     t:名称 = るしねこ(種族)
     t:要点 = 猫,のんべんだらり,白い髪
     t:周辺環境 = この世の終わり
     t:評価 = 体格4,筋力4,耐久力4,外見0,敏捷3,器用5,感覚4,知識3,幸運4
     t:特殊 = {
      *るしねこの人カテゴリ = 汚染種猫アイドレスとして扱う。
      *るしねこは根源力200000として扱う。
      *るしねこは一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料1万tを消費する。
      *るしねこは特定パートナー指定者に対して、全評価+3される。
     }
     t:→次のアイドレス = ニート(職業),自発的無職(職業),魔力をすって屁にする(技術),昼寝(絶技)



    強制が出なかっただけ助かった、、、といった感じのようです。
引用返信 削除キー/
■510 / inTopicNo.25)  魔力をすって屁にする(技術)
□投稿者/ クレール ファミリー(159回)-(2011/07/16(Sat) 23:19:29)
    2011/07/17(Sun) 15:34:28 編集(投稿者)

    + 芝村 > どっちも適切ではない>クレール。 魔力をすって屁にするは、おそらく最高に役立ちそう
    + クレール > う、ううむ・・・! えと、にゃんこにおならにしてもらうのは、とっても申し訳ない感じがありますが、それを取得する、でよさそうでしょうか。
    + 芝村 > そだね>クレール

    ○新規アイドレス要点開示申請
    国番号:国名:要点開示の有無
    01:るしにゃん王国:
    るしねこ(人) ⇒ 魔力をすって屁にする(技術)

    藩国の要点ページURL:http://gamechaki.kotonet.com/point_list.html
    備考:るしねこ+猫妖精2+猫神+世界忍者から派生させます。

    ということで、開示申請も要点開示もまだですが、枝をきっておきます。
引用返信 削除キー/
■513 / inTopicNo.26)  序文+戦技
□投稿者/ クレール ファミリー(162回)-(2011/07/21(Thu) 19:18:05)
    ○序文
    竜猫とは、竜を狩る猫ではない。
    猫の名を冠せど、猫妖精のように生物として猫になるのではなく、
    猫神使いの一人、人の形質を保ち猫と共に生きているのが彼らである。

    竜猫とは、竜と猫のことである。
    しかし彼らはリザードマンのように竜の鱗を持つ亜人というわけではない。
    それは、猫神使いの中から生まれでる、人々の安らかな夜を守るために剣をとるもの、
    人と猫がともに戦う伝説の中に帰ることを選んだもののことである。

    猫とは、猫神使いの肩に乗せた猫神族から生まれでる、彼らのパートナーのことである。
    言い伝えそのままに、毛がふかふかでニャーとなく戦神の力を受け継いだ猫たちであり、
    猫の王ブータのように、猫の身には大きすぎる巨大剣をもってともに戦場へと赴く。

    森国人という、やせぎすな、身が剣を振るうには最も不利な条件を乗り越えて。
    彼らは世界を守るため、よき未来を取り戻すため、猫とともに夜の闇に挑むのである。

    要点:巨大剣,戦場,やせぎす,肩に乗せた猫

    ○我が竜を見よ
    竜猫の称号を得た世界忍者たちは、それぞれ個性の違いはあれどある剣術をふるうようになる。
    その構えは二つあり、一般に守りを固めるものと、突撃して攻めるものである。前者を竜の構え、後者を猫の構えと一般には呼んでおり、竜と猫の名の由来は構えがそのように見えることに由来している。

    守りを固める構えは、柄を上に刃を下に、剣の面を敵に見せるように斜めに構える。
    その姿があたかも竜がその手を構えるようで、あるいは首をもたげているようにも見えるために、竜の構えと呼ばれている。

    これは大剣を守りの「竜鱗・竜爪」と見立て、やせぎすの体のほぼ全てを大剣の影に隠し、
    半身に構えて重心を落とすことで攻撃を受け止め、いなすものである。
    さらに敵の攻撃に対して直角ではなく斜めに構えることは攻撃の衝撃を半分近く反らす効果を得ており、防御効率を大きく向上させている。

    熟練すれば、受け止めざるを得ない衝撃を遠心力をもって突撃力に変換することも不可能ではないとも言われている。
    自らの力に加え敵の攻撃の威力をも乗せたカウンター攻撃は、相手の火力が強ければ強いほどに力を発揮し、
    攻撃時に生まれる虚を突き貫く、敵の刃を敵に返す水鏡の技と言えよう。

    突撃して攻める構えは、遠心力を重ねて装甲振りぬくために大剣を後ろにおき、反対側の肩を前に出すように突進する。
    この突撃の際は被弾面積を抑えるため、重心は落とせるだけ落とし、森国人のしなやかさと忍びの技を活かしたまるで地をはうように高速突撃をするのだが、
    それがまるで猫が生きる糧を得るための狩りのように見えるため、猫の構えと呼ばれている。

    しかし鎧兜を持たぬ世界忍者の装束のみでの前陣は非常に危険である。
    そのために大剣が作られ、「守りの竜鱗」の見たてがされてきた。本来の大剣の運用想定は、竜の構えのみだったのである
    しかし攻撃をするには守りの構えを解かなくてはならぬ矛盾があり、睨み合いの場、相手が遠距離にあって反撃が届かぬときはどうしても攻めに転じなくてはならない。

    そのために後から開発されたのがこの猫の構えであり、、装甲という形の防御を完全放棄し、大剣を後方に配することで視界と敏捷性を大きく確保した。
    そして大剣の重量をたくみに動かしときには足場とする激しい高速移動の末に叩き込む遠心力を最大限に乗せた一撃は、
    「猫の爪牙」のように、城砦の屋根を跳び渡り、また地を伝う烈火のごとき技である。

    しかし、二つの構えは相反するものである。
    重厚なる大剣は銃弾をも防ぐ竜鱗となりうるが、地を駆け抜けて反撃の一撃を放つには重すぎて猫の爪牙たりえず、
    羽のように軽い剣は軽快な動作と高速の抜き打ちを可能にする爪牙となりうるが、敵の攻撃を防ぐには脆すぎて竜鱗たりえない。
    そこで、それぞれの構えに合わせた2種類の剣が実戦用として作られることとなった。
    1本は鋼や樹脂などを何十にも重ねることで「敵に叩きつける装甲」とでも言うべき、「守りの竜剣」。
    もう1本はオールのような木剣をベースとして、縁に金属の刃をとりつけ樹木を切り裂く紙のように高速の取り回しが可能になることを目指した「攻めの猫剣」である。

    本来ならば「攻めの猫剣」のベースである木剣は忍びの里での修練用の武器であったし、「守りの竜剣」は竜猫の主兵装となることを想定して作られたものであった。
    しかし突撃のために亜流として開発された「猫の構え」のために、修練用の武器が主武器として換装されることになったのである。

    そして、竜猫たちは「攻めの猫」「守りの竜」の修練を重ねた上で、最終的には得意などちらかのスタイルと武器を選んで戦場へと臨んで行く。
    しかし驚くことに、熟練者の中の熟練者、いわゆる達人と呼ばれる一部の竜猫は、両方の武器を選んで戦場に赴くという。
    曰く、「守りの竜の構え」はカウンター狙いと後衛防御のための完璧な盾であるわけで、2本の剣を持とうが1本の剣を持とうが変わりがない、と言うのである。
    守るだけでなく戦いを終わらせるために。攻撃機会の確保に努めるという点でこの考えは非常に理に適っている。
    守りと攻めの両方を持つ二刀流こそ、猫と対になる竜の名を担う者の、真の戦闘スタイルなのかもしれない……。
引用返信 削除キー/
■514 / inTopicNo.27)  SS
□投稿者/ クレール ファミリー(163回)-(2011/07/21(Thu) 19:18:34)
    2011/08/01(Mon) 14:01:44 編集(投稿者)
    2011/07/28(Thu) 00:19:34 編集(投稿者)

    ○伝説の復活
    夜が来る。
    夜を守るのは猫神族の役目だった。
    そして、子供たちがおやすみなさいをした後には、竜が飛ぶのだった。

    T16のはじまったあくる夜、森の王宮から飛び出した影があった。
    神殿や東国にあるという瓦ぶきの城の屋根すらも飛び越えかねない速度で夜の闇を走り抜ける影は、二つある。

    一つは、木々を伝って宙を駆ける絹の服装。黒を基調に染め上げられた無駄のない衣服は、
    10以上も昔のターンからNWに認められてきた、ドイツをモチーフとするゲルマン忍者の衣服である。
    防具らしいものは頭環の代わりに額当てを身につけているだけだ。
    とはいえ額当ては最近の忍者達の流行りで、身に着けるオシャレであるため、防御力はさほど期待できない。
    しかし、火線に晒されれば裸同然の防具よりも目を引くものがある。
    それは、人の丈とも変わらない、巨大剣である。
    殆どを木でつくられたそれは、木刀というよりは木の棒、木の棒というよりはオールと言ってもいい。
    それを背負う、やせぎすの男が、木々を駆け抜けていた。

    もう一つは、地上の落葉を蹴って走る尻尾を持つもの。つややかな毛並を纏い、駆ける姿でなお偉そうな威厳をなお保つそれは、
    るしにゃん王国に名高い、人間の猫神使いとパートナー関係を結ぶ、猫神族の1柱であった。
    しかし、その姿は「肩に乗せた猫」とするにはやや身体が大きい。
    二つの影は上と下とで離れていたが、やがて距離を詰め始める。声がきこえてきた。

    「……戦場はこの先であってる?」
    「夜目も利かぬ鈍感な人間は黙って儂の道案内に従うがいい。」
    「世界忍者は夜間戦闘ができるんだ。それに、長い耳で音はよく聞こえる。」
    「それはよかったな。じゃあ急げ。」
    「今日のためにダイエットして脱デブ猫してよかったね。」
    「たわけ、ぽっちゃり体系でも十分早いわ。」

    一瞬、悪そうな目つきでにらむ一人。そしらぬ顔の一匹。
    二つの影はさらに速度を上げると、目指す先である、森の外れへ一直線に向かった。

    /*/

    深い森を抜けようとするころ、二つの影は探し求める姿を見つけた。
    「……見えているな。挟み込むように前に出るぞ。」
    「OK。じゃぁ僕は右からいく。」
    「にゃー。」

    二つの影は左右に分かれると、迂回する軌道をとって森を抜けた。
    月光に晒され、光の粒を散らすように煌めく長い髪。忍者の男は背に負う大剣に手をかけながら、声をあげた。

    「そこまでだ、あしきゆめたちよ。」
    決意と覚悟が乗り、悪そうなを越えて鷹のようになった目は、草原を渡り、森へ向かおうとする不死者の群れを見つめていた。
    「この森に入ることは、僕が断じて許さない。」
    「昼寝を邪魔するものは容赦せん。小僧、行くぞ!猫突撃!」
    「おお!」

    それは、伝説のような戦いであった。
    猫神族の口元にどこからともなく現れた猫用の巨大剣は、左翼から不死者を切り裂き、
    竜猫の青年は振り下ろす大剣で右翼から群れを切り崩す。
    たった二つの儚い光の前に圧倒的に広がる闇の群れ。あたかも世界の終わりを示すようなその後継だが、それでも光は懸命に闇を押しとどめていた。

    『フフフ、人中の竜……いえ、いまだかわいいトカゲ、といったところね。』
    不意に、身体を砕かれ不死者であることをやめた死体の口から人の声があがった。
    「!?」「落ち着け、ただのメッセージだ。気を抜くな!」
    『あらあら、猫ちゃんもいるのね。ご苦労様。』
    「誰だ!」
    『初めましてぼうや。私はこの不死者たちの召喚者。私の邪魔をしないでくれるかしら?』
    「断る!るしにゃんの森を不死者の王国になんかさせてたまるか!」
    怒気をはらむ声と共に2閃3閃、不死者はさらに薙ぎ払われていく。
    『その威勢……嫌いじゃないわ。ふふ、夜明けまでせいぜい頑張ることね。』
    楽しそうな余韻を残しながら、人の声がやむ。
    「くそっ、負けるもんか!」
    明らかに力みすぎな振りかぶりから剣を横なぐ青年。
    重心がずれて、一瞬行動のテンポが遅れる。大軍相手には致命的な一瞬。

    捌ききれない攻撃が来る刹那、青年のではない大剣が目前の腕を薙ぎ払った。
    「さっきから焦りすぎだ。勇気と無謀を間違えるな。」
    剣で掃うと同時に猫神族が着地して青年に苦言を呈する。
    「……ごめん。」
    青年には、返す言葉がなかった。
    「猫の構えをとれ。教わった構えもせずに攻撃に出るなど十年早い。うまく剣をつかえ。」
    「わ、わかった。」
    改めて青年は、ずっと学び、鍛えてきた攻めの構えを取った。猫神族も合わせるように剣を持ち直した。
    再び襲い掛かろうとする不死者の群れを前に、猫神族は声をかける。
    「たしかにお前はまだ竜にもなれていないかもしれん。
     わしとて偉大なるブータニアス卿らと比べれば乳離れした子猫も同然よ。
     だが、偉大なる方々の持ちえぬものを我らはもっている。…わかるな?」
    きっと最後の一文は何度も繰り返されてきた問答なのだろう。青年は迷いもなく答えた。
    「僕達は成長する。未来をみることができる。」
    平静を取り戻しつつある青年に満足するように、猫はうなずいた。
    「そうだ。膝を屈するな、目を閉じるな、前を向いて歩け。丸まって眠るのは老いてからでもできる。」
    そして、再突撃が始まった。
    教えられた構えから繰り出される一撃は、遠心力と重心の移動を最大限に活かし、順番に、そして確実に致命傷を与えていく。

    一撃の合間を縫うように、青年はつぶやいた。
    「諦めなければいつか夜明けは訪れる。」

    合図と感じ取り、猫神族は合わせるように鳴いた。
    「今宵の絶望に満ちた夜もやがては明けるだろう。」

    対多数戦の鉄則は機動力。それを守るように青年は一撃を加えるごとに前転し、あるいは半歩横にずれて別の方向に大剣を薙ぐ。
    「うん。それこそは森の循環。絶対不変の自然法則」

    猫神族の歩みは大剣をパートナーに舞う踊りのようだった。まるで、戦いと芸事が1つであったころのように。
    「我らは絶技を使わねど、この身技にて安らかな眠りを守ろう」

    青年の裂帛の気合いで踏み込む足は、胸打つ手の代わりに大地を鳴らした。
    「それこそは世界の守り、守りの守り、守りの守りの守り。それはここに。このなかに」

    互いの一歩で立ち位置を何度も入れ替え、螺旋を描くように一人と一匹は戦場を渡り歩く。
    それはまるで小さな竜巻にも似て、襲い掛かる不死者の群れの悉くを駆逐していった。
    勇気を紡ぐように彼らは詠い、何度も剣を振りかぶる。

    そして。1刻に近い時を経て、最後の1体が倒される。
    今や、動くものは竜猫しかいない。
    土とケガにまみれ、剣を杖に、肩で息をする青年。
    その隣で、猫神族は、朗々と、声をあげた。
    「生死の境界を違えし闇のものどもよ、退くがいい。
     夜明けは来たれり。お前達の敵が、今ここに帰ったぞ。」

    彼らは気がついていた。この局所的な勝利だけでは、森を守ることはできないと。
    今や不死者の流入は止まらない。彼らは、たった3ケタに上るうちの数部隊を退けただけなのだ。
    それでもいつか第七世界人が気づいて、共和と帝国から結集させる圧倒的な力で全てを助けてくれるまでの時間稼ぎにはなる。
    でも、だからこそ、彼らは声を上げたのだ。
    これ以上、好き勝手にはさせないという反撃の意志を示すために。

    「……今は小さいかもしれないけれど。いつかきっと。」
    「生き延びれば、いい夜明けがみられるときがあるだろう。そのときまでの辛抱だ」
    「うん。 ・・・帰ろう。家に。」

    そうして一人と一匹は、誰にも気づかれない戦果を上げて、家路についた。
    竜と猫は皆の眠る夜を駆けるがゆえに、彼らの戦いを知る者は多くない。
    だが、彼らの戦いは、確実に夜の平和を守っているのだった。
引用返信 削除キー/
■515 / inTopicNo.28)  SS
□投稿者/ クレール ファミリー(164回)-(2011/07/28(Thu) 23:29:05)
    2012/09/11(Tue) 20:20:28 編集(投稿者)

    「ご主人ご主人。」
    「なぁに?」
    「言い忘れてたんだけど、ボク、魔力をぷーにすることができるの。」
    「……へ?」
    「うん。」
         ――あまりに間抜けな返事のせいでるしねこと会話が成立したるしにゃんの民
    /*/

    それは、るしにゃん王国の猫士がるしねこという1種族として歴史を歩み始めたすぐのことである。
    始まりは、井戸端会議で話に上がる程度の噂話であった。

    新婚さん:「うちのねこ、最近おなかの調子が悪いらしくて……。」
    若づくり:「あら、下しちゃってるの? それなら猫にもこの薬草が効くらしいわよ。」
    新婚さん:「ううん、そうじゃなくてね。その……くさいのよ。」
    猫耳好き:「あー……。身体のケアができてないのは、おなかだけに限らないんじゃない?」
    新婚さん:「ええと、その、くさいのは・・・おならなのよ。もうしょっちゅうでね。」
    猫耳好き:「え、ねこって、おならするの?」
    若づくり:「するわよー。その、ちょっとお下品なんだけど、音とか匂いとか、子供や赤ん坊がするみたいな感じでね?」
    猫耳好き:「へぇー……。」
    新婚さん:「おトイレのほうは別にふつうなんだけど、なんかちょっと心配なのよね……。」
    若づくり:「……あぁ!もしかしてうちのこもそうなのかしら!」
    新婚さん:「あら、お宅のねこちゃんも?」
    若づくり:「わからないんだけどね。部屋で一人過ごしていると、どこからともなく、自分のものではないおならのにおいがしてくるのよー。しかもほぼ毎日。」
    猫耳好き:「それはむしろ怖い話ねぇ……」
    若づくり:「でしょう!? 正体不明すぎて怖かったんだけど、猫が隠れてておならをしてたっていうんなら、納得かなぁって。」
    猫耳好き:「なるほど……。」
    若づくり:「さっそく今日帰ったら確かめてみるわ。」
    新婚さん:「見知らぬおじさんじゃないといいわね。」
    若づくり:「やだー、ふふふふ。」

    /*/

    最初は、そんな笑い話のような雑談で済んだ話である。
    だが、2週間もたたないうちに、笑い話は王国全土で抱える社会問題となった。

    /*/

    長老:「みな来ておるな。月例会を早め今日集まってもらったのはほかでもない。るしねこの放屁が止まぬ件である。」
    青年:「我が家や近所でもだ。むしろおならをしないるしねこがいないくらいだ。集中すると、道端で夕食の匂いがするかのように匂ってくる。」
    長老:「うむ。他の自治体でもそのような状況らしい。だが、玄霧やゴロネコなどでは見られぬ現象だとか」
    青年:「何か悪いものでも食ったのだろうか?」
    壮年:「……自治体1つ、あるいは既に他国でも広がりつつというのであれば、猫士間のブームということで納得できよう。だが、そうではあるまい。」
    医師:「今週の始めごろから放出されるガスや、食事の内容について検査をしていますが、特殊な細菌や毒性物質が含まれている例は出ていません。」
    長老:「そうか……。一体この現象はなんだというのだ……。とりあえずみな、るしねこたちの様子を見やっていてくれ。」

    /*/

    原因も解決策もわからぬまま、さらに数日が経つ。問題が収束する気配は見えず、むしろ深刻化する地域もあったほどである。
    各地では臨時の集会が重ねられ、夜な夜な頭を変える大人達が集まっていた。
    まじめな顔をして会議をしているものの、日に日に鼻栓をするものが増えており、何も知らぬものから見れば余りにもシュールなギャグであった。
    そんなある日のこと、王宮・神殿にほど近い集落の集まりに、来訪者があった。

    /*/

    長老:「今日も集まってもらってすまないな。何か進捗はないか?」
    青年:「いや……。オレの弟が、中毒になりそうだとか言ってて、目がぐるぐるしていた。やばいな。」
    壮年:「……妻がヒステリーになりそうだ。猫はかわいいし、彼らに罪はないのだが、いかんせんこうも続くと…。」
    長老:「うむ…。」
    医師:「……実は。非常に言いにくいのですが。」
    長老:「許す。なんじゃ。」
    医師:「医師のつてで、この件についてお話をしたいという者がおります。」
    長老:「何か分かったのか!」
    医師:「はい。ただ……『お話に行くことで皆様にご不快を与えるかもしれないから』と、先に私に相談にいらしてまして。」
    長老:「ようわからぬな。来ておるのか? なら、この集まりに参加することを許そう。」
    医師:「わかりました。 ……だそうです。お入りください。」
    ??:「はい。」

    医師の言葉の後半は、集会所の外に向けられた。応答し、入ってくる者もまた、医師の装いで、髪に一筋、桃色の染めを入れた女性であった。
    その髪の色を認めると、長老の顔は一気に険しくなる。

    長老:「……。」
    青年:「誰ですか? 長老、ご存じで?」
    女性:「皆様、初めまして。宮仕えをし、内政に努めていた医師の一人にございます。」
    長老:「また、おぬしの仕業、と申すのか。」
    女性:「長老様の問いにお答えしますならば、この度の件は私の所業にはございません。ただ、るしねこ達の異変について、結論を得ましたので、お話に参った次第です。」
    長老:「汚れた者になど会いたくもない。帰れ。」

    まるで高位森国人を名乗れぬものの心臓を即座に握りつぶすような、しかし何も起こらないただの冷酷な視線を投げかける長老。
    女性は、その目を見て泣きそうな顔を一瞬作りかけるが、それを隠すように、平身低頭する。

    女性:「…私は、この国を、いえ、この国に住むものを助けたいのです。」
    長老:「そう言う者が、再び裁けぬ罪を犯すのだ。」
    女性:「いいえ! いいえ! 私は同じ間違いは繰り返しません。それが私の寄る辺が課す法であり、私の誓いです。」
    長老:「同じ間違いでなければ異なる過ちで滅ぼすか。」
    女性:「そうならぬよう、最善を尽くしたいのです。私は、あの人の涙も、誰かの血も、流れてほしくないのです。」
    長老:「……、3分間だ。聞くだけ聞こう。」
    女性:「ありがとうございます!」

    女性は急ぎ上半身を起こす。与えられた時間を精一杯使うために急ぎ、説明を始めた。

    女性:「私は定期的に主要な場所にあるアンチマジックベリーと世界樹を見て廻っているのですが、この社会現象が起きてから、ベリーに変化があることに気づきました。」

    そういうと、二枚の写真を長老の前に差し出す。大きさの異なるアンチマジックベリーが映っていた。

    女性:「これは、水、土、日光などの条件が全てほぼ同じで、同時期に芽の出たものです。」
    壮年:「というには、余りにも大きさが違うではないか。変異種ではないのかね?」
    女性:「いえ、同一種であることは確認しています。異なるのは、大きいほうはるしねこの立ち寄らない森の奥のものであるのに対し、小さいほうは件のるしねこが集団生活している寮の脇に生えているものなのです。」
    長老:「…なるほど、そうか。」
    女性:「はい。この二つの差は、るしねこのいるいないである、ともいえます。そして、ベリーの自然的な育成条件がほぼ同じ条件であるのにこれだけの成長差があるのは、魔力の濃さの違い以外にはありません。」
    壮年:「すなわち、るしねこが魔力を中和していると?」
    女性:「その通りです。そして今、国内で問題となっている強烈な匂いが、魔力の代わりに残されていました。」
    壮年:「るしねこが、魔力をおならに変換しているというのか……。」
    女性:「はい。どうやらそのようです。」
    青年:「しかしなぜ成長に差が出るほどの大量の魔力が……?かつての騒ぎは終息したと聞いています。」
    女性:「はい。今回の魔力の増大は事件などではなく……。……この時節と、この国が、森国人の国であるからでしょう。」

    このときの一瞬の躊躇、あるいは言葉選びの間を、長老は見逃さなかった。
    その思慮から、確かに、彼女は学び、繰り返すまいと努力をしているのだと、理解する。
    とはいえ当然の努力であり、感心するほどのことではない。だが、話を続けて聞く気にはなった。

    長老:「……して、どのようにすればよいか、貴女は考えているか?」
    女性:「このおなら問題は、るしねこ達の適応能力の発現であるといえます。
    異常に多すぎる魔力に屈しないよう、るしねこ達が昔にはなかった新しい技能を獲得したのです。
    現在はこの技能を常時使用することで、彼らがおかしくならない、正常な生活環境を確保しているというわけです。
    そのため、前提である魔力の大量発生が収まれば、自然とこの問題は収まるでしょう。
    ただ、それでは長く人も猫も苦しむと思います。そこで、大きく分けて二つの案をお持ちしました。」
    長老:「ふむ。」
    女性:「一つは、通常種のアンチマジックベリーの育成、世界樹の保護です。結晶の大量生産になってしまうようなら中止するほうがいいかもしれませんが、ベリーの魔力吸収量が増大すれば、るしねこ達にかかる負担とおならの回数を減らすことはできるでしょう。」
    長老:「確かに。早速検討に入るとしよう。もう一つは?」
    女性:「空気清浄機能の強化です。大きく分けて空気清浄効果を持つ植物の育成奨励、ガス吸着効果を持つ炭や香りを上書きするハーブなどの利用、半強制的に住宅地域の通気性を上げて換気してしまうことの3項目があります。」
    青年:「すみ?あの、燃やす炭か?」
    女性:「はい。ちょっと手を加える必要がありますが、非常に良い脱臭効果があります。粉末に砕いて布に挟めば、マスクのようにもできるかと。」
    壮年:「換気は要するに扇ぐのと同じことだな。」
    女性:「その通りです。水車を改造し脱穀と共に送風できるよう風車をとりつけるのがよいでしょう。森のほうに匂いを送って問題ないかを確認してからの実施になります。」
    長老:「なるほど。早速実験と検討を始めるとしようか。」
    女性:「! それじゃあ……。」
    長老:「勘違いはするな。過去の過ちを許すわけではない。…約束の3分は過ぎたな。超過については目を瞑る。去るがいい。」
    女性:「…はい。」
    壮年:「…長老をはじめ、皆に代わり、我らの困りごとを助けてくれたことに礼を言う。助かった。」
    女性:「……はい。どうぞ、皆様御健やかに。」

    深くお辞儀をすると、女性は集会場を去っていった。
    集会に参加していた医師がカルテを確認すれば、魔法熱の発症がるしねこのおならが問題になってからは減少傾向にあり、彼女の結論が正しいことを裏付けている。
    そうして、その自治体では複数の対策方法についての検討を行い、上手く運用できるものを利用して、るしねこのおならと上手につきあいはじめたのである。
    さらにそれらの手法はまたたくまに王国全土に広がり、やがてこの臭い騒動は終息を見せることだろう。

    今回、るしねこが発現した魔力をすって屁にする程度の能力は、るしねこがるしねこであるための能力である。それは同時に、るしにゃんの民が森の民であるために必要なものでもあるのだろう。
    今回の一件は小さな事件ともなったが、るしねこの得た技術を通じて、相棒たるるしにゃんの民もまた、魔力と生き物の正しいバランスについての学びを深める機会となったのである。
引用返信 削除キー/
■516 / inTopicNo.29)  ニューカルチャー
□投稿者/ クレール ファミリー(165回)-(2011/07/29(Fri) 00:17:13)
    2012/09/11(Tue) 19:43:58 編集(投稿者)
    2012/09/10(Mon) 20:50:26 編集(投稿者)

    魔力をすって屁にするるしねこ達、その一方で発生するにおいをどうにかしようと、るしにゃんの民はいろいろな方法を考えた。
    すぐに思い浮かんだ案として、鼻栓でどうにかなるんじゃないかと配り始めた者もいたが、臭いがなくなるわけではないのですぐに捨てられた。何よりみっともなかった。
    そうして試行錯誤されていった試みの中で、文化として根付いたものをいくつか紹介しよう。
    るしねこの魔力をすって屁にする能力は、文化の面でも思わぬものを生み出し、るしにゃん王国を豊かにしている……のかも、しれない。

    ○炭のインテリア
    炭は、これまで燃料の他は鋼の精錬や飲料水の濾過のために用いることが殆どであったが、水のよごれと同様に空気のよごれ、酷い匂いを吸着する効果もあることに気付いたのだ。

    炭は木材などを高温条件下で炭化させることで得られるが、その際に水分など熱によって蒸発する成分もある。そうすると、蒸発する成分があった場所に隙間ができ、いわゆる「多孔質」というスポンジ状の構造を形成する。
    この隙間は非常に小さく、そこに空気中の臭いや水中の汚れの成分が吸着していくのだ。
    その能力はニコチンやタールなどを多く含むためになかなかとれない煙草の臭いなどにも十分に効果的であり、これをにおいがたまるところにおけば、においの問題は解決されることになる。

    しばらくすれば吸着する能力は低下するが、水洗いと天日干しで再生することができるし、どうしても再生しない場合は燃料として廃棄して新しい炭を置けばよいわけだ。

    さすがににおいを吸着した炭をろ過材や鋼の材料にするわけにはいかない点はやや残念であるが、それでも既存の技術の新しい使い道として非常にエコな利用方法の発見であった。

    だが、それだけが新しい文化というわけではない。
    においを吸着する性質は炭としての質がよいものほど効率がよく、一部の木材や竹などは非常に効率よく匂いを消してくれるのだが、それを無造作に屋内においておくのは、粗雑で非常に美観が損なわれる感じがある。
    そこで、るしにゃんの民は消臭のために配置する炭にデザインを施すことにしたのである。
    炭自体はもろく加工が難しいが、炭の原料の時点で彫刻しておくことで、無機的なものや模様・地形などのデザインが施されたグッズは簡単に作ることができた。
    さすがに動物の形のものは削りだして炭にする工程が動物を焼いているようで非常にためらわれたため、炭の塊を彫刻する手法をとっている。
    また、炭にする過程で崩れる部分もあるため、微細な彫刻が崩れずに残った炭はインテリア雑貨の中でも非常に高価なものとして扱われている。

    また、竹や木材のほかに、花や木の実を炭にして飾るインテリアデザイナーも現れた。
    これらは花炭と呼ばれ、竹や木材の炭より脱臭能力はやや落ちるものの、天然の美しい姿をそのまま残すことができるという点で優れている。炭の彫刻品よりはやや価値は下がるものの高級品の扱いを受けており、
    これらの全ての炭を使って活け花や盆栽のような立体芸術を作り出す者も現れた。


    ○猫パンツ
    炭の脱臭効果を期待してインテリアとして飾るというのは新たな文化だが、彫刻品に加工しても置くのが嫌だったり、効果に不足を感じる場合もある。
    そうして考え出されたのが、「猫パンツ」であった。

    臭いが問題なのは、そもそも空気中に広く拡散するのが問題であるわけで、拡散する前にどこかに留め対処することができればいいのでは、というアイディアから生まれた猫の姿向け下着および下半身の衣装である。
    この「猫パンツ」の初期型は下着の外側にマジックテープがあり、脱臭炭の粉末を詰めた布袋を装着可能なようになっている。
    これによって、魔力が変換された屁が空気中に拡散される前にその臭いを極限しようという試みである。
    そしてこれは、最終的には重ねて履くスカートやズボンの裏地に脱臭袋を装着する形へと変化していき、人の姿、猫の姿両方のサイズが開発されていった。

    まさしく臭い物には蓋をしろ的発想であるが、これに対する反応は二分された。
    すなわち、猫の姿のるしねこに衣装を着せることへの可否である。
    それは、生き物はそのままの姿が美しいのだと言う派と
    人の姿のときは服を着ているのだから猫の姿でも服を着てもいいじゃない、ていうかかわいいから許す派であり、
    るしねこ本人の気持ちを全くスルーして、この論争は人間の間で多いに盛り上がった。

    結局のところ、猫パンツは相棒たる人間の趣味嗜好によらず
    るしねこ達の自由意思で履く者と履かない者とに分かれている。
    また思わぬ波及効果として、よくにおいが問題視される介護業界にこれらのアイディアが流用されているらしい。

    ○アロママスキング
    次なる方法は生物の性質を利用した消臭方法、正確には隠臭というべき手法である。
    その手法とは、別の芳香で匂いを上書きすることだ。
    これはマスキングという名前の手法であり、強い臭いをかぐと他の弱いにおいを感じなくなる生物的な習性を利用している。
    るしにゃん王国は多様な植生を持つ国であるため、芳香性のある植物には事欠かない。
    そのため、芳香性のあるハーブを屋内で育てる、それを用いた香を炊く、精油を揮発させるなどの手法で快適なにおいを発散させることでおならのにおいを隠すことができるのだ。
    また、香りには相性があるため、相乗効果によって悪臭をいいにおいのようにごまかすこともでき、またハーブの芳香による精神的な効果なども期待できるため、この手法は炭による脱臭効果と使い分けることで生活環境を著しく改善することができるのである。
    一つ難しい点があるとすれば、炭の脱臭は良い・悪いにかかわらずにおいを全て吸着するものであるため、併用すると炭の脱臭能力が低下しやすくなってしまう。
    とはいえ、屋内の臭いがなくなるだけでなく心地よい芳香で包まれるのだからと、炭インテリアと並ぶ家庭での悪臭対策として、多くの家庭で取り入れられている。


    ○水風車の発明
    ここまで紹介されてきた手法は臭いを消す、臭いを隠す方法であったが、
    臭いが強ければ強いほど、完全消臭は難しい。
    そのために考えたのが、薄められるだけ薄める、すなわち、空気の撹拌と換気であった。
    とはいえ、(殺傷能力は全くないが比喩として)生物兵器級に濃度が高い場合は、団扇などではどうしようもない。
    そのために考えられたのが、水車を改良した水風車という施設である。

    もとより森の上では風が良く吹くるしにゃん王国であるが、森の木々が防風の役目を果たしているため森の中の風通しは余りよくない。ゆえに、森の中の村も空気がこもりがちで、臭いがたまりやすいのだ。そのため森の高さにあわせて風車を置くことで、森の中と村の空気の対流を促進しようというものである。
    仕組みとしては簡単で、川の流れを利用して小麦をひいたり稲を精米する水車の動力の接続先を水車小屋の外に増設した風車に繋げる。これによって水力で風車が回転しさながら巨大扇風機のように風を吹かすのである。

    そしてこの手法は思わぬ相乗効果を得た。
    いくつかの手法によって薄まっていた臭いは外の空気と混ざることで生物臭として感じる程度にまで局限されていたが、
    残された僅かな臭いは広大な森に生い茂る草木が吸収していき、生物代謝によって栄養などとして消化されていったされたのである。

    なお、水風車の発明の亜流として、
    高所と低所の2か所に風車をとりつけて森の外の風の力を森の中に生み出す二段風車、
    高所の風車と水車の両方から動力を受けてより高効率で製粉・精米を進める食糧加工用水風車など、
    従来の自然の力を借りる生活をより追求する形での技術開発が進んでいる。
引用返信 削除キー/
■517 / inTopicNo.30)  魔法弓具との相関性
□投稿者/ クレール ファミリー(166回)-(2011/07/29(Fri) 14:02:15)

    この強弓の開発は、魔法的な弓の強化系である魔法弓具の完成計画と同時に、かつ共同でスタートした。

    もとより、るしにゃんの弓は魔法と物理とどちらが先、というものではなかった。
    最初に兵器として使われることになったるしにゃんの弓は魔法的性質と物理的性質が共存し、バランスがとれた存在であった。
    運命的には順番が前後してしまっているが、本来、魔法弓と長弓は、るしにゃんの弓が持つ2つの側面をそれぞれ特化させた双子の兄弟なのである。
    二つからなる一つのものが、互いに引き合い手を触れ合うように。
    魔法弓と長弓は、同時に使用することで初めて、次世代のるしにゃんの弓のとして活躍していたのだ。

    そして、アイドレスとして登場する前の歴史から見れば、この強弓と魔法弓は、
    弓兵が登場する前の狩猟弓、初期の弓兵の弓、長弓兵の長弓と魔法弓手のプロトネコノツメに続く実に第4世代にあたる存在である。
    魔法弓は魔法弓手という資格を通じて常に情報を集め続けていたが、
    強弓もまた、数多くの敵を多様な条件下で射かけた戦闘結果を蓄積することで、魔法弓手の情報アドバンテージを急速に埋めたのである。
    特に、T16のるしにゃんの森での戦いに、矢を尽きてもなお木の枝で戦闘を継続した情報は、非常にユニークなものだったといえるだろう。

    それらの収集された情報を起点として同時開発が始まる強弓と魔法弓は、全く自然の流れとして研究情報が共有され始めた。
    強弓は物理的な最適化を目標に魔法の少ない作りが目指されているが、不殺用のがりんの矢があるように魔法が全く使われていないわけではない。
    そのため、魔法弓具に込められる魔法様式との調整や、技術転用による最適化は非常に役に立つものだ。
    また魔法弓具側も、魔法に傾倒しすぎて弓が引けなくならないよう、類似魔術的に意匠を揃えるなどの加工技術を要する。
    それぞれの技術系譜の共有・開発資源の一本化によって、オブジェクトとしては独立しつつも互いを高めあうことが可能になったのだ。

    また長弓兵の長弓と魔法弓手のプロトネコノツメが同時使用によって高性能をたたき出したように、
    この強弓と完成した魔法弓も同時使用して力を上乗せすることが可能である。
    前世代では、開発順番が前後してしまったがために、長弓のフォローをプロトネコノツメが行う、という形に近い同時使用であったが、
    同時開発による綿密な調整を施すことで、どちらかに依存することなく互いの能力を同調させ、物理と魔法の調和した射撃を行えるようになった。

    物理と魔法のコラボレーション。依存しあうことなく、破壊しあうことのない調和のとれた一撃は、まさにるしにゃんの民の理想を体現するものなのかもしれない。
引用返信 削除キー/
■518 / inTopicNo.31)  強弓との相関性
□投稿者/ クレール ファミリー(167回)-(2011/07/29(Fri) 14:44:56)
    2011/07/29(Fri) 14:47:45 編集(投稿者)

    この魔法弓具のバージョンアッププランは、物理的な弓の最先端である強弓の開発計画と同時に、かつ共同でスタートした。

    それは、魔法弓具と物理弓が本質的には近しいことに由来している。
    歴史的、運命的に見れば、魔法弓手は弓兵から現れたものでありながら、同じ派生元を持つ長弓兵より遅れて、半ば連続するように開発が始まったものだ。
    ゆえに、魔法弓具は長弓を持つ者が前提とする位置づけがされていたのであった。
    そして魔法弓手と長弓兵が両立してきた近年になり、更なる次世代の弓の機運が高まる。
    奇しくもどちらがより上ということはなく、どちらも等しく重きを置かれ、魔法と物理の両面が存在してきたるしにゃん王国においては、
    両方の同時発展こそが正しい流れであるといえるだろう。

    この再検討におけるアドバンテージは長弓から魔法弓へと半ば連続して開発されていた魔法弓手登場初期とは異なり、今回は同期・平行して強弓が開発されていることだ。
    強弓に用いられる強い弓の素材は、類似魔術の観点から、魔法弓具の性能を強固にするにも適した素材にもなるのだ。
    そのため、素材の探求・再検討については強弓・魔法弓の両方の開発リソースを共有することができたといえる。
    魔法武器と物理武器とでは最終的な作り方などが違うため研究費を全てというわけにはいかないが、通常の研究開発よりもかなり力を注ぐことができたといえるだろう。

    こうして、研究体制からして綿密な連携と共有がされてきた魔法弓と強弓は、かつての長弓と試作品のときのように、いやそれ以上の調和を持つ協奏攻撃を可能にした。
    かつては「施術の相克が心配されたが、魔法弓具の調整によって目に付く問題も解消」することで同時使用を可能にしていたが、
    この対処方法は、たとえるなら「魔法弓具が長弓に遠慮している」状態であり、
    魔法弓具の力を100%使うことはできてはいなかったし、長弓側にも多少なりと阻害される部分があったことが確認されている。
    (なお、互いに出力不全でも、総合すれば評価は単独使用を超えていたし、それ以外の不具合もなかったので、魔法弓手を用いたβテストに移行していたという経緯がある。)

    だが、今回の強弓と魔法弓具の開発計画の共同進行は、この出力不全の問題を完全に解決することとなった。
    共同研究が行われることで開発初期の段階から互いが互いの同時使用を念頭に置いた開発を行うことができたため、
    大きくは施術の相互作用についてから、細かくは弓を持つ際の感触に至るまで、あらゆる調整が非常に綿密かつ迅速に行えたのである。
    これにより、同時使用の弊害・阻害作用のことごとくは取り除かれ、異国の者からは二つで一つの武装と思われる程の調和を得ることができたのである。

    こうした魔法と物質の調和は、森国では常について回るテーマであり、どちらかのみに完全に依存することは、非常に難しいのである。
    魔法を射かける魔法弓もその核たる魔法弓具は金属や生物資源で構成された物質であるし、質量ある矢を放つ強弓にも、術式が込められているものは少なくない。
    魔法がよいかあしきかという例えではないが、魔法が強すぎれば矢は砕け形を失い、矢の威力ばかりでは纏う魔法も色を付ける程度の飾りにしかならない。
    森国というありかたが文明と自然を調和を完成させているように、
    物質と魔力との調和も、魔法弓と強弓の協奏をはじめとする技術や文化を通じてたどり着けるのかもしれない。
引用返信 削除キー/
■519 / inTopicNo.32)  強弓デビュー
□投稿者/ クレール ファミリー(168回)-(2011/07/29(Fri) 15:49:25)
    過去にかいやつの加筆修正。1ページ目に使う予定。

    /*/

    マーチボウ“弥生”は、るしにゃん王国の弓兵のために開発された長弓に代わる強弓である。
    一般には、強弓、マーチボウ、弥生など、好きなように呼ばれている。

    マーチボウ(march bow)という名前は現実には存在しない新しい弓の名であり、
    国外一般には行軍弓(行軍歌の弓)、すなわち多くの弓使いが行進のように整然と戦えるようチューンナップされた、正式兵装であると発表されている。
    しかし、この言葉には魔法文明であるるしにゃん王国らしく多くの隠された意味が込められている。

    march、すなわち3月はローマ神話における戦と農耕の神であるマルスの守護する月である。
    マルスはギリシア神話の荒ぶる戦争の神アレスと同一視されるが、マルスはアレスよりも善神として扱われていた。
    同時に、月の名を冠することで、同じくローマ神話における樹木と月の女神ディアナ、
    また同一視を通じてギリシア神話において狩猟と月を司るアルテミス。
    三月弓(march bow)という名前によって、この弓は三柱の神と縁を結ぼうとしているのだ。

    そして日本語で、弥生、と銘うつことでさらに3月が強調されているわけだが、
    3月は、草木がいよいよ生い茂る月、「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」であり、春の始まりを象徴し、芽吹きを意味する名が授けられている。
    さらに日本の伝説の強弓として、源頼政が鵺退治に使ったとされる弓の銘が「弓張月」であるという言い伝えがある。
    同じ月の名を冠する弓として、日本とは異なれど、同じく素晴らしき弓となるよう、この名には願いが込められているのだろう。

    弓そのものとしては、マーチボウは張力を強化した強弓である。
    これまでの弓とは異なり、弓自体の魔法付与は最低限に抑え、るしにゃん王国らしい魔法の付与は特殊な矢に施しているもので、
    物理的な弓の威力や、精度の最適化に重みが置かれている武器だ。
    その結果、魔法が封じられた領域でも性能をほとんど減じることなく運用することができるが、取扱いには肉体の鍛錬を要する条件がつく形になった。

    このようなつくりは魔法と共にある森国のるしにゃん王国にしては非常に珍しいものであるが、
    これは一重に魔法に特化した「魔法弓具ネコノツメ」シリーズとの併用が根底にあるためである。

    もちろん、魔法弓具がなくても1人前の武装として用いることができ、肉体の鍛錬は弓兵を育て続けたことによる身体能力の改善や警官などの特殊なケースで概ねクリアーできると予測されている。
    特に、王国の警官の銃に代わる中距離戦闘武器としては強く期待されている部分があり、鎮圧用の特殊矢弾が軍用および警官配備用の強弓には支給される予定である。
    「殺さない弓」という昨日までになかった性能を実現するという点でも、るしにゃん王国の弓の新しいスタンダードとして、多くの弓使いの手にとられることが期待されている。
引用返信 削除キー/
■520 / inTopicNo.33)  矢のはなし 1
□投稿者/ クレール ファミリー(169回)-(2011/07/29(Fri) 16:09:16)
    がりんの矢がながすぎておさまりません。

    /*/

    ○矢の最適化研究
    矢というものは、単に弓の引く力が強ければよく飛ぶというものではない。
    鏃の重さからくる矢の重心が矢の動きを決め、鏃の形状が与える空気抵抗が伝えられた張力の減衰率を定め、飛距離を決定する。
    張力に対して余りにも鏃が軽ければ矢に与えられた力のベクトルはすぐに拡散して回転してしまうし、
    鏃が重過ぎれば張力が足りずにすぐに失速し、射程距離は短くなってしまう。

    この、矢の開発が重要視されるようになったのは、魔法弓の開発研究活動の一部が基盤となっている。
    魔法弓の開発初期段階において矢の速度を魔法で高めたところ、強化された速度によって発生した摩擦熱に矢が耐えられず、発火・焼失してしまったのだ。
    この試験結果は矢の加速は難しいという形で魔法弓の開発に継承されたが、
    一方で空気抵抗を受ける部分が主に鏃であり、矢の改良が弓矢の威力強化において重要であることも、逆に証明していたのだ。

    これまでの弓矢は、空気抵抗と重さの問題を鏃にかけた重力魔法によって「前方に落とす」ことで強引な問題解決を図っていた。
    これまでの矢が燃え尽きなかったのは、弓矢という限られた面積への付与魔法に限界があったことと、重力という形で無理な加速なく最適な速度が導かれていたのだと考えられる。
    そこで、まずは魔法の付与がない状態での矢の性能を最適化する研究が弓の開発に平行して始まった。
    だが、その開発は難航を極め、最終的には弓よりも後で開発が完了することとなったのである…。

    矢の最適化研究の開始と前後して、偶然にも更なる参考資料となりそうなデータが見つかった。
    ターン15のクーリンガンとの戦いにおいて、国民救出のために長く継戦していた藩国部隊<るしにゃんにゃん中隊>が、
    矢の代わりに木の枝を用いてアンデッドの軍団と戦闘を繰り広げたと言う記録である。

    矢ではない、天然の様々な形状を持つ木の枝の射撃記録は、最適な矢の形状を探るのに非常に貴重なデータとなる。
    そう考えた研究チームは、当時の弓兵達に状況をインタビューし、よく飛んだ枝、飛ばなかった枝の形などの感想を聞いて回り、
    また敵アンデッドの遺体を弔う際に遺体より集められた木の枝(弓兵達が矢の代わりに当てた、よく飛ぶ枝である)を、処分前に借り受けて形状調査を重ねた。
    これを基礎データとして、矢の造形の研究が深められたのである。

    ○ のまの矢
    正式名称は“Not-Magic Arrow”。正確に和訳すれば“無魔の矢”となる矢で、
    すなわち魔法付与が一切されていない、物理的性質だけで飛ばし、的に当てる矢である。
    “のまの矢”という名前は、「無魔」では転じて「夢魔」、ナイトメアを連想させる名であると響きを嫌ったため、
    開発コードを「Not-Magic」を縮めた「No-Ma」としたところ、そのまま摂政の名前となったため、
    そのユーモアさから研究コードを正式名称として定めたものである。
    のまの矢は強弓の一般的な矢のプロトタイプであり、これにこれまでと同じ魔法付与を施すことで標準装備の矢となる。

    ○ とおるの矢
    漢字にして「徹るの矢」。これまでの弓と同じ、鏃の大きい、白兵にも転用可能な矢である。
    だが、最新の研究成果を反映し、以前よりも刃の幅を細く絞り、また厚みを抑えて空気抵抗を抑えるように改良した。
    以前とくらべて金属の鍛錬技術も向上しているため、その耐久性は過去と変わらず白兵戦闘に耐えうるものである。

    とおるの矢は、研究開発のうえで、一番に開発中止候補として挙げられた。余りに大きい鏃は、重さと空気抵抗の点で、余りにも無理があったからである。
    この鏃の大きな矢が開発された当時に想定されていた弓兵の白兵戦闘場面も戦争では発生しておらず、不自然や無理を通すためには過度の魔法が必要になってしまう。
    矢の物理的な最適化研究が為されたからには必要以上の魔法は避けるべきで、中止すべきだろうというのが、開発中止を提言したものの主張であった。

    だが、現場の声は違った。
    弓を生活道具として用いていた者は、この鏃の大きさが刃物代わりに獲物をその場で捌き、邪魔となる草を薙ぐのに助かっていると言った。
    この矢を開発した者は、猫妖精のプロモーション活動により白兵能力が向上している今、白兵の可能性はまだ考慮すべきであると言った。
    そして、極めつけの一声はこうであった。一本の矢をテーブルにおいて、壮年の弓兵はこう語った。
    「私はこの矢を使うことで大統領を助けた者の一人です。大統領は私たちのこの矢をダガーとして使われたのです。
     大統領のダガーは大切な人からの贈り物と聞きます。その代わりに使われたこの矢は、共和国のために奔走する大統領からの我々への信頼の表明です。
     この矢を捨てることは大統領の信を捨てること。どうか、考え直していただきたい。」

    結果として、この鏃の大きな矢は開発対象として残された。
    一般の射撃戦闘では使い勝手の悪さが目立つため、標準装備の矢筒の中には2本ほどしか入っていないが。
    強弓の装備の1つとして、白兵戦行為にも使うことができ、友軍を助ける装備である。
引用返信 削除キー/
■521 / inTopicNo.34)  矢のはなし 2
□投稿者/ クレール ファミリー(170回)-(2011/07/29(Fri) 16:09:38)
    ・がりんの矢(仮)
    3本目の特殊装備は、がりんの矢(仮)と呼ばれる、不殺用特殊装備である。
    内戦や治安維持活動において対象を殺傷せずに無効化する目的で開発されたもので、
    がりんの矢(仮)は、これまでの弓具への魔法兵装のノウハウを元に、魔法付与製品の完成形の1つとして作られた。
    最大の特徴は、軍装備としても正式配備される射撃武器の中でも珍しい、非殺傷を目的とするものである。
    一般に射撃装備で非殺傷を目指すには、次の2点を必要とする。
    1.致命傷とならない部位への正確な精密射撃
    2.重傷とならないようにする弾頭の工夫
    特に後者は、使用者の技能的な問題が非常に強く、たとえ攻撃力を低減した装備であっても適正距離外では十分な殺傷力を与えることがあることが知られており、それが一番の問題であった。
    そのため、攻撃の低減ではなく、攻撃力をゼロに。それでいて敵を無力化することができれば、最高の装備になるのではないか。
    この夢のような目標を現実としたものが、がりんの矢(仮)である。

    がりんの矢(仮)の鏃は、和弓の矢において神頭と呼ばれるものに似ているが、一目見て分かる違いとして、
    冬の樹木の枝に見られる蕾のようなものを模していることである。
    この蕾のようなものは植物の部位としては「芽鱗」と呼ばれるもので、冬の寒さに耐え、春の暖かな日差しを受けて健やかに成長するときまで芽を護る、葉の一形態である。
    本物の芽鱗の内側には芽が隠れているように、この鏃の内側には起動条件が設定された鎮圧用の魔法が込められている。
    その発動条件は、鏃が着弾すること。
    着弾時の衝撃を感知すると、がりんの矢(仮)は外部に伝達するはずの物理エネルギーを魔法を発動するための衝撃として変換吸収する。敵には最大でも軽く手ではたく程度の衝撃しか届かない。
    その際に外側の「芽鱗」は剥がれ落ち、鏃は花が開くように鎮圧用の魔法を発動させるのである。
    そして鎮圧用に込められた魔法は眠らせる魔法と蔦によって敵を拘束する魔法の2通りが用意されており、必要に応じて選択・併用することが可能である。

    ・魔法考証
    がりんの矢を構成する魔法は、古くからある2つの詩を基盤とした設計がされている。
    1つは、飛び梅の雷撃や、梅の植樹などからるしにゃんにも縁の深いといわれた菅原道真の詠う春の和歌である。
     東風吹かば にほひおこせよ 梅の花
                 主なしとて 春を忘るな

    これは主に魔法の条件設定に関わっており、
    味方(=勝利する側=日の出ずる側)から敵(=敗北する側=日の落ちる側)に飛ぶ矢を東風にみたて、
    東風が届く(矢が当たる)とき、鏃にある芽鱗に春の訪れが伝わり、その忘れることなく春の花が開く(=内に込められた魔法が発動する)仕組みである。
    また思わぬ副作用として、一晩で京から大宰府へと渡った飛梅伝説が矢に影響を与えている。
    伝説より解釈される、一晩で何百キロを飛行した速度、人知れず夜を渡る隠形の特性といったものが若干ながら付与されたことで、射撃装備そのものとしての性能も向上したのである。
    この副作用は、鏃を芽鱗の形に模すことで、梅の枝への相似が発生したからかもしれない。

    そしてもう1つは、唐の詩人、孟浩然の詠う五言絶句「春暁」である。
     春眠暁を覚えず 処処啼鳥を聞く
     夜来風雨の声 花落つること知る多少
    こちらの詩は鎮圧魔法の効果に関わっており、詩の始まりのごとく、暁も覚えぬ、ここちよい眠りへと相手を誘う。
    また、詩の後半で花が散ることを予見しており、これを転用することによって、芽鱗への類似を物理的基盤とするがりんの矢(仮)の魔法はやがて解ける(花が散る)ことを定め、被弾した者の健康に深い問題を残さない配慮までなしとげた。

    単体の魔法兵装に複数の魔法の根幹を設定することは、一見難しいと思われるかもしれない。
    しかし、菅原道真には遣唐使の大使として任命され、左遷先が中国との外交拠点であった大宰府という背景がある。
    さらに、春暁では後半の詩で昨晩のことを歌い、また、詠み手が未だ見ぬ外の花を思うことに、京に残した梅の木を思うこととの類似を見出すことができる。
    これらが、孟浩然と菅原道真の詩を用いることの親和性を非常に高めており、一つの魔法の根幹に複数の詩を込め、かつ高性能を実現した要員であると考えられる。

    そして、これらの魔法を搭載することで、思わぬ作用が発生した。完成に近づくにつれ、微弱な雷属性が付与されたのである。
    中国・平安時代の日本の魔法体系の基盤は陰陽道とよばれるもので、その中において、春は木気と呼ばれる生命エネルギーが高まる季節であり、雷は木気の高まった現象といわれている。
    がりんの矢の雷属性の付与は、それだけ魔法の構成に歪みが少なく、春の力が高まっていると考えられるわけだ。
    その結果、物理攻撃が若干雷属性に変化することで、木気たる春の魔法の発動失敗はより少なくなった。物理的な衝撃だけでなく、生命を直接刺激し、あるいは新しい森を生むきっかけとなる電撃が加わることは、春に花開く、生命の塊ともいえる蕾を刺激する力を最適化させたのである。

    さらにこれらを補強するものとして、矢羽にも一工夫加えられている。本来矢羽は鳥の羽などを用いるのが一般であるが、このがりんの矢(仮)には、処理されたアンチマジックベリーの蔓が巻かれている。
    アンチマジックベリーは春を告げ、真なる不死である循環を体現する蛇神、ウィングバイパーの象徴植物である。
    そしてこの蔦を矢に巻きつかせることで蛇神であるウィングバイパーの属性を強化し、“春を告げる”という構成術式の根幹を補強すると共に、矢に巻きつくことで矢の中にあるもの、すなわち複数の魔法を束ねる、という意図もこめられている。
    なお、矢羽に紐状のものを巻きつかせる手法は古くからある手法で、がりんの矢(仮)も羽をとりつけた矢に遜色することのない安定さと飛距離を出している。

    また、高魔力条件下では温和な魔法に殺傷能力が発生するケースが確認されており、魔法弓との併用や複数の矢の同時着弾では同じ現象が起きる懸念があるわけだが、それらについても対処がなされている。
    このがりんの矢が魔法によって生じる現象は単なる催眠あるいは束縛効果だけではない。それらの実機能が発現するための前段階として、本物の花のように鏃の芽鱗が剥離する。
    この部分に冗長性を持たせることで、必要以上の魔力が関わった場合は芽鱗の剥離がよりリアルになっていき、催眠・束縛の魔法に関わる魔力量をシャットアウトする仕組みを作ったのである。
    (もちろん、現実化して本物の花に変化し着弾先に寄生、なんていう恐怖展開もない。)

    これらの矢を打ち出す弓が草木の芽吹く弥生の名を関することもまた、春の属性の魔法を助ける場となっている。
    本来のマーチボウの対となる矢は、「殺さない弓」を実現するこのがりんの矢(仮)なのかもしれない。
引用返信 削除キー/
■522 / inTopicNo.35)  ニュースキル
□投稿者/ クレール ファミリー(171回)-(2011/07/29(Fri) 20:12:33)
    2012/09/11(Tue) 20:12:59 編集(投稿者)
    2012/09/11(Tue) 20:12:18 編集(投稿者)

    魔力をすって屁にするとは、その名の通り魔力を吸いこんで屁にする技術である。
    この技術を持つるしねこは、魔力の濃いところでは日々の生活の一環であるかのようによくおならをするわけだが、魔法にえんもゆかりもない者が見れば、ただの変わったところでよくおならをする、おなかの調子がいまいちな猫にしか見えないことだろう。

    この技術の仕組みは、結論としてよくわかっていない。
    というのも、健康診断上は他の猫や猫士と全く変わらないし、透過画像で怪しい影が見えるとか、そういったこともないのだ。
    そして、普通の人間と同じようにねこも医者にかかることはいやなので、半ば無意識に、検査中に魔力を屁に変換することはしない。

    そのため、医学・生物学的には「よくわからないけど、苦しがってないしいいじゃん」という結論に落ち着くこととなり、
    「のどをゴロゴロと鳴らす」に並ぶ、るしねこのふしぎとして記載されることになったのである。

    この学問的な決定にも関わらず、ちらほらと名声の野心や好奇心にとりつかれてカイボーとうなりながらるしねこを追いかけるマッドな人もちらほらいるのだが、そういうのをるしねこは嫌うし、嘘や甘言に騙されるほどるしねこは愚かでもない。そういった輩は残らず二度と野心を起こさなくなるまでるしねこやるしねこ好きにボコボコにされるのだった。

    今日もるしねこは、魔力のたまったところにとおりかかると、それをにおうものに変えて通過していく。
    変わった習性、変わった技術だが、当のるしねこ達はいたってのんびりまったりとした日常をすごしているのだった。
引用返信 削除キー/
■523 / inTopicNo.36)  素案2
□投稿者/ クレール ファミリー(172回)-(2011/08/09(Tue) 16:57:42)
    最新の告知ではるしにゃんの民(るしにゃんTLO)については人・高位と一緒の12枠で管理しないといけないようです。
    なんてこと……。

    ということで急きょ考え直しました。

    1.るしねこ12枠
    01. るしねこ+猫妖精2+弓兵+世界忍者 ○
    02. るしねこ+長弓兵+弓兵+世界忍者 ●
    03. るしねこ+長弓兵+弓兵+魔法弓手 ●○
    04. るしねこ+長弓兵+高貴なる森の歌い手+魔法弓手 ●●
    05. るしねこ+猫妖精2+猫神+世界忍者 ○
    06. るしねこ+竜猫+猫神+世界忍者 ●
    07. るしねこ+賢者+医師+名医
    08. るしねこ+魔法使い+理力使い+風を追う者 ○
    09. るしねこ+理力使い+魔法使い+大魔法使い ●○
    10. るしねこ+魔法使い+理力使い+ネコリスの友
    11. るしねこ+魔法使い+警官+ネコリスの友
    12.

    補足:基本路線は素案1と変わらず。ただし消失枝の復活はこちらでしかできなくなったので、高位風を追う者を08に移植。
    るしにゃんの民が派生扱いになる=HQは取得ではなく継承なのでHQ取得のアイドレスをすべてこちらで保護。


    2.人・高位人・るしにゃん12枠
    01. 森国人+猫妖精2+忍者+世界忍者
    02. 森国人+猫妖精2+医師+名医
    03. 森国人+魔法使い+理力使い+ネコリスの友
    04. 高位森国人+理力使い+魔法使い+風の中心を探すもの
    05. 高位森国人+世界移動存在+魔法使い+風の中心を探すもの
    06. るしにゃんの民+猫妖精2+弓兵+世界忍者 ●
    07. るしにゃんの民+長弓兵+弓兵+魔法弓手 ●●
    08. るしにゃんの民+賢者+医師+名医
    09. るしにゃんの民+魔法使い+理力使い+ネコリスの友
    10. るしにゃんの民+理力使い+魔法使い+大魔法使い ●●
    11. 高位森国人+猫妖精2+猫神+世界忍者
    12. るしにゃんの民+竜猫+猫神+世界忍者 ●

    補足:要入れ替えになってしまったので、着用制限なしを活かして根源力0でも着れる組み合わせを増加。(弓兵、賢者、竜猫)
    HQについてはるしにゃんの民は派生扱いになるので
    あとは最先端をそれぞれ埋めるようにしました。(ネコリスの友なんかもね。)
    上の森国人枠2つは消してもいいかもしれない。考え中。
    世界移動存在系列についてはもとの性能があまり戦闘向きでないので、移さないほうがいいのかなとか考えてます。
    (無限の魔力を抱えて世界移動、とかがなくなる。)

    3.高貴なる森の歌い手の派生先について

    非常に難しい案件です。TLOや危険な内容が今後のプロモで削除できることを信じて、るしにゃんの民から派生するように申請して高位のほうにはつけない、でいいと思うのですが、
    難しいと思う場合には、るしにゃんの民の性能がかなり強いため、高位の組み合わせで残しておくのは微妙な結果になる可能性が高いです。
    とはいえ。高位から派生させるとしてもこのEV172の結果や現状から影響を全く受けないのか、とは言い切れません
    逆に影響を受けても健全な結果でいられるかもしれませんし。

    私はこのままるしにゃんの民に組み込んじゃっていいかなとか思うんですけど、どうでしょうか?
引用返信 削除キー/
■524 / inTopicNo.37)  猫妖精設定文
□投稿者/ クレール ファミリー(173回)-(2011/08/18(Thu) 16:03:37)
    2011/08/18(Thu) 17:46:17 編集(投稿者)

    http://cwtg.jp/syousyo/nisetre.cgi?no=4615

    > 設定文を追記しても、過去を変えることができるわけではありません(空白を埋めるだけです)。
    > 今まで通り、歴史と矛盾する設定文は無視されます。
    > 例えば、猫妖精は実はつけ耳でした、など今から設定しなおすのは受理されない可能性が高く、
    > 逆に、T16以降ヤオト化が急速に進んだことを受けての設定文ならば受理されやすいです。

    ですねう。

    +++(提出用テンプレ)+++

    01:るしにゃん王国
    EV172後の設定追記文を提出します。
    提出URL:(EV172のページの端っこに着ける予定です。)
    概要:るしにゃん王国の猫妖精には猫士と作り物の猫耳と尻尾をつけている人間の両方のケースがあります。忍者系列の猫妖精は主として後者であり、当初は機械製でしたが機械嫌いから皮革と繊維の作り物になりました。医師系列の猫妖精は主として前者であり、医師である限りは人間と同じ権利が与えられていましたが、賢者は人間しかなることができず、技術のみの継承を通じて医学界では猫士から人間への世代交代が起きました。


    +++(テンプレここまで)+++

    るしにゃん王国の猫妖精事情。

    ○猫妖精の種類

    るしにゃん王国には多様な猫妖精がいます。世界忍者、弓兵、猫神、名医、などなど。
    それらの職に就いて猫耳と尻尾を持つ存在は押しなべて猫妖精と呼ばれていますが、
    るしにゃんの猫妖精は大きく分けて2つの存在があります。

    1つは、猫士そのもののことです。
    るしにゃん王国の猫士(現在はるしねこ)は変化の術によって猫耳と尻尾をつけた森国人の姿に化けて活動しています。
    彼らが人の姿をとる間、彼らは森国人としての諸々の権利を与えられていました。(国民番号登録・喫煙・人側の参政権などなど)
    ですが、彼らの本質は人間ではなく猫神族の末裔であるため、そのことを示すために職業として猫妖精を名乗っているのです。

    もう1つは、皮革や布で作った作り物の猫耳と尻尾をつけた人間のことです。
    古くは国民の絵姿にあるほど、るしにゃん王国の民は猫の姿を模すことが多いのです。

    http://gamechaki.kotonet.com/people_set.html

    その理由は様々で、猫神を信仰するがゆえであったり、たんにどこまでも猫ラブだからだったり、猫士と混じって仕事をしたいからだったり、
    本人が猫だと思い込んでいるけど生物学上は人間だったり、にゃんにゃん共和国なんだから猫っぽいことしなきゃだったり、実は何も考えていなかったりします。
    のん気でフリーダムな気質ゆえ、また、王国の一角を担う者として猫士を対等に見ていたからこそのことなのでしょう。

    さて、2通りの猫妖精がいるわけですが、これが均等に混ざって存在しているわけではありません。
    歴史を紐解けば、忍者の系列に人間の、医師の系列に猫士の猫妖精がとても大きく偏っているのです。

    ○猫妖精と忍者
    るしにゃん王国の忍者は初期選択イグドラシルとして猫妖精と組み合わされていますが、これは過去に別の職業と入れ替えられて入ったという経緯があります。
    その、もともと忍者と組み合わせられていた職業は、吏族でした。

    http://gamechaki.kotonet.com/ygid/ygid02-2.html

    忍びの技にある俊敏さや諜報能力は事務管理をするうえで非常に重宝されていたのですが、ルール改訂の折に吏族という職業は国のものから個人のものへと変化します。
    机の上の戦場から退場を余儀なくされたるしにゃん王国の忍者達は、吏族の抜けた穴を補完して忍びの技を鍛えるために猫を模すことを選び、
    ただの人間から、作り物の猫耳と尻尾をつけたただの人間になったのです。

    http://gamechaki.kotonet.com/ygid/ygid14-2.html

    当初はバトル・メードの犬耳を真似て、機械センサーを内蔵した装備として猫耳と尻尾は着用されていたのですが、森国人は機械嫌いです。
    すぐに、皮革や布で型をとり、中は綿と針金の入ったただの作り物に交換されました。魔力のある低物理域なるしにゃん王国ではそのほうがよかったといえるでしょう。
    獣を模して獣の力を取り入れるという考え方は原始の頃より受け継がれ、現代でもなお伝説・伝承として確立される、類似魔術の儀式の1つです。
    機械を排して魔法を受け入れやすくすることで、彼らの「猫妖精」は忍びの技術の1つとして変化や幻術などの力も借りて確立されたのです。
    忍者の系列の猫妖精とは、猫妖精という名前で囲われた忍者の技術の集合体であるのかもしれません。

    なお、彼らの耳や尻尾は完全な作りものであって、本来の魔術のような猫科の耳や尻尾を切ってきたものではありません。
    彼らにとって猫士や猫は隣人・友人であり、その身体を傷つけるという選択は全く存在していないのです。

    ○猫妖精と医師
    猫妖精を持つもう一つの職業は、森国全体の主産業ともいえる、医師です。
    こちらは忍者のように途中から現れたわけではなく、ターン1の建国の当初、職業の名前として猫士が使われていたころから、存在していました。
    この、医師の猫妖精はまさしく猫士のことで、るしにゃん王国の医療は、猫士が支えていたのです。

    http://gamechaki.kotonet.com/ygid/ygid03-2.html

    最初に説明した、森国人としての権利が与えられる猫士とは医師の彼らのことであり、時には高位森国人としての権利を貸与されたりもしながら、
    森国人は魔法使いや忍者として命を守り、猫士は医療技術をもって命を守るという二人三脚が長く続いていました。

    この関係に変化が訪れたのはターン8の頃です。後に「賢者」という称号を与えられる素晴らしい才覚と技術を持つ人間が現れました。
    彼らは作り物をつけて猫士に混じって活動する人間や、あるいは猫士から医学を学ぶただの人間から現れたのですが、残念なことに猫士から賢者が現れることは一度としてありませんでした。

    http://gamechaki.kotonet.com/ygid/ygid28.html

    本物の猫士が持つ感性を人間が求めたことが、当時の猫士では全く模倣できない知識を生み出したのかもしれない、という説もありますが、真実はわかりません。
    わかっていることは、賢者の登場によって猫士の姿を真似なくても、人間が大手を振って医療業界に参入することができるようになったということだけです。

    ですが人間が大々的に医療に携われるようになったことは、非常に大きな影響を与えました。
    賢者参入当初は「数は力のアイドレス」という言葉通り、猫妖精たちの優位は変わらなかったのですが、
    単純に働ける数が増えたことを受けて、やがて医療関係者の数が飽和状態を超えたのです。
    そして賢者が猫妖精よりも非常に優秀なために、このままでは弱者が淘汰されていくのは避けられず、
    最後のアドバンテージである豊富な経験も、猫士から人間への医師や名医の技術継承によって次第に失われていきます。
    その結果、残念なことに、猫妖精のままで賢者になることのできない猫士の多くが、
    一部の大ベテランを残して自主退職やリストラの形で失職してしまったのです。


    ○猫妖精と猫士の今後
    医療従事者であった猫士の大量失職と、また各職の最先端では猫妖精であることを失っている現状を受けて、
    るしねこたちが将来的に「ニート」や「自発的無職」となることが危ぶまれています。
    ですが、るしねこにはるしねこらしい生き方もあります。

    職業にしても、1種族として立脚したことで賢者の技法を学べるかもしれませんし、
    猫神族の末裔としての力を磨くことで猫神使いや竜猫のパートナーになることもできるかもしれません。
    は魔法使いの意識改善や治安維持のために警官を務めている方もいます。
    また、職業の就かなくても猫型に戻れば猫の生活ができますし、人型で医学や弓ができなくても家事手伝いや狩猟や農業を生業にすることだってできます。
    それに、帰宅した相棒の膝の上でのどを鳴らすなんていうのも仕事なのかもしれません。
    ……それを「ニート」や「自発的無職」と呼ぶべきかはわかりませんが、相棒を支えるのは何も職に就くだけではないのです。

    それにるしにゃん王国の民にも、猫を愛する気持ちが失われているわけでもありません。
    いつか猫妖精という言葉そのものが遠く離れていっても、るしにゃん王国では人間と猫の二人三脚の暮らしが続くことでしょう。
引用返信 削除キー/
■532 / inTopicNo.38)  08/27最終稿(予定
□投稿者/ クレール ファミリー(181回)-(2011/08/27(Sat) 23:13:23)
    2011/08/28(Sun) 15:46:52 編集(投稿者)

    先日の相談会の結果、次の方針で完成させました。

    ・猫妖精は設定追加がもうできないので、人型からは削除しておくこと
    ・やっぱりるしにゃんTLOは枠を別に置いて、12枠×3種族で作成する。
    ・高貴なる森の歌い手は森国人系列のみに残すことに
    #世界移動存在系統も森国人系列専用枝として他には継承させない

    また、12枠とイグドラシルのバージョンアップに伴いURLを変更しました。

    http://gamechaki.kotonet.com/ygid/yg.html
    http://gamechaki.kotonet.com/ygid/yglist.html

    一点、高位森国人+猫妖精+医師+名医を復活させようか考えているので、どちらがいいのか、高位がいい場合に猫妖精はプロモデータを使えるのかを確認しています。

    ◆新規12枠着用アイドレス、提出用テンプレート(全藩国必須)
    01:るしにゃん王国
    藩国イグドラシルURL:http://gamechaki.kotonet.com/ygid/yg.html
    藩国12枠着用アイドレス表URL:http://gamechaki.kotonet.com/ygid/yglist.html


    ◆組込先を変更・追加用、提出テンプレート(該当藩国のみ)
    01:るしにゃん王国
    取得を申請したアイドレス:森の高貴なる歌い手(職業)
    取得を申請した申請所名:T11新規アイドレス取得申請所
    変更希望前の組込申請:高位森国人+長弓兵+弓兵+魔法弓手→高位森国人+長弓兵+高貴なる歌い手+魔法弓手
    変更希望後の組込申請:(変更無し)
    人12枠の中で入れ替える着用アイドレス:なし(空白の枠へ組み込み)
    種族別12枠追加申請:なし(他種族への組み込みはしません)

    人の12枠に空きが生じるため、着用アイドレス枠入れ替えが起きなくなったこと、
    るしにゃんTLOおよびるしねこへの組み込みを行わないことから、
    念のため申請させていただきます。
    よろしくお願いします。


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■533 / inTopicNo.39)  HQ一覧更新
□投稿者/ クレール ファミリー(182回)-(2011/08/28(Sun) 17:32:26)
引用返信 削除キー/
■534 / inTopicNo.40)  猫パンチ(技術)
□投稿者/ クレール ファミリー(183回)-(2011/09/25(Sun) 21:53:29)
    魔力をすって屁にする(技術)と対になるかわいい技術。
    楽しくつくりましょう!
引用返信 削除キー/

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