星見司処

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■212 / inTopicNo.81)  完成稿
  
□投稿者/ クレール 付き人(79回)-(2009/02/04(Wed) 00:26:27)
    2009/02/17(Tue) 23:50:51 編集(投稿者)
    2009/02/05(Thu) 16:18:48 編集(投稿者)

    ○ゼロからのはじまり
    兵站とは軍事用語の1つで、戦闘部隊の後方にあって軍隊の戦闘力を維持し継続的に作戦行動を可能とする機能や活動、組織の全般を指す。
    要するに、いわゆる補給や整備・医療といった戦闘以外の軍隊管理のことである。
    特に陸軍、さらに特にるしにゃん王国では戦力の中心かつ消費の要は歩兵であり、彼らが常に必要とする食糧こそが最も大きい負担であった。
    そのため陸軍兵站システムとは、特に食糧管理・食糧補給を中心に構成されるシステムなのである。
    しかし、るしにゃん王国が陸軍兵站システムを導入するにあたり、1つの……どころか、非常に重大な問題があった。

    補給の要である輸送する方法が、ない。

    馬車があるというような国家設定もなく、エルフは徒歩で歩くという文化がそのまま残っていると考えられている。
    蘇る咆哮とも言われる「トラリス」も、技術研究の段階ではまだ発見されていない。
    そして科学技術の導入もないため車両やエンジン航空機などの輸送機械もない。
    そのため、るしにゃん王国の陸軍兵站システムはそもそもの大前提の時点で頓挫してしまったのである。

    本来の意味で「兵站システム」を構築することは出来ない。
    そもそもにして、るしにゃん王国に正しい形で近代の技術や兵器を導入することは不可能なのである。
    私達の生き方に則した新しい技術のあり様を研究しなくてはいけないという点で、
    既存の技術であるにも関わらず、見たこともない新技術の開発に等しい難問が王国の技術開発者達に課せられたのであった。


    ○輸送システムの解決

    るしにゃん王国の陸軍兵站システムの構築に対し、課せられた問題は大きく分けて3つである。
    ・輸送システムをどう構築するか
    ・食品管理をどう行うか
    ・陸軍兵站システムの1つとして吏族工部省にどうやって認められるか

    この中で最初に取り組まれたのは輸送システムの構築である。
    とはいえ、現行の輸送機はるしにゃん王国の文化にあったものはなく、新しく輸送機を開発するにも今からでは泥棒を捕まえてから縄を編むようなものである。
    であるならばと、開発者は一つのどんでん返し的な結論を導きだした。
    「輸送機がないのなら、輸送機を借りればいいじゃない。」

    まず考えなくてはいけないのは、食糧などの輸送を要する状況下である。
    輸送が必要なほど遠征をすると仮定して、それをるしにゃん王国1国が行うことはまずなく、
    FEGなどの技術ある聯合国との共同出兵になることはまず間違いない。
    であるならば、自国の細いラインを作るよりは、他国の太いラインを借りるほうが効率的ではないか……。

    /*/
    #FEGの人に電話をかけるシーン。出来ればリアル話を採用したいですねう
    /*/

    そういうわけで、輸送システムの大本は構築された。
    次は、輸送するモノの開発である。

    ○物資管理方法の構築
    輸送するモノ、すなわち食品管理の形であるわけだが、これについては昔から一つのビジョンがあった。
    古い伝説にあるとも言われている、エルフの行糧である。

    非常に薄い焼き菓子の形であった。
    荒挽きの粉で作られたそれは、外側が鳶色に焼け、中はクリーム色をしている。
    味は菓子職人の焼くものに劣らず、包みの中にあって割らなければ何日も味が落ちない。
    それを1つ食べれば、体格の良い大人でさえ一日の殆どを徒歩移動に費やせるほどの活力を得られるほどであるという・・。

    更には旅に磨り減る心をも支える力さえあるとも言われたこの糧食は、
    森国人の本来の兵站の形を示していると考えるものも多く、これの開発を夢見るものが絶えなかった。
    しかし、その開発も未だ途上であり、国家規模で取り扱うには今ある一般の食糧を管理する方法が必要であった。

    そこで考えられたのが「お弁当スタイル」の開発である。
    専門用語ではコンバットレーションと呼ばれるものであるが、るしにゃん王国ではあえて「お弁当」と呼んでいる。
    別に争いが身近にあるという暗喩ではない。単に、この開発の大本にあるのが1個3マイルの<お弁当>だったからである。
    この開発された「お弁当スタイル」は、食料生産地から発送される時点で一人前,一食分の食糧をあらかじめ取り分けてあるもので、
    これにより食糧管理は重量管理から個数管理へと移行することになり、業務中の横領やどんぶり勘定といった過剰な消費の抑止に一役買っている。

    また、こういった管理の効率化という側面だけではない。
    食品を調理して詰めることで作られるお弁当は、あらかじめ手早く簡単に食べられるような工夫をかけることで、現地・戦場での食事時間を節約することができる。
    また本来の<お弁当>は限られた空間の中に人間に必要な栄養分をつめる必要があり、食べる人に喜んでもらいたいという心を込めるものでもあることから、
    「お弁当スタイル」の「お弁当」も、味と栄養バランス、摂取カロリー量や携帯性の検討が常に重ねられている。
    もちろん兵員の士気確保のために温かいご飯を作るための食糧も用意しなくてはいけないが、これもまた1人前の量を推算しておくことで管理の効率化をはかることができる。
    食糧管理の方法があたかもそれぞれの特徴がエルフの行糧の能力をダウングレードさせたような形であるところに、彼らの行糧への憧れが凝縮されているのかもしれない。


    ○びっくり真空術と加工作業場の設置
    また、るしにゃんのお弁当システムには特筆すべき特徴がある。それは機械技術がないにもかかわらず「真空パック」を実現させていることがある。
    もちろん、掃除機のような吸引機を用いているわけではない。もっと簡単な方法が発見されたのである。
    真空パックとは、パックの中の空気が存在していないことである。すなわち、パックの中から空気を追い出すことができれば真空を作ることができる。
    空気を追い出す最も身近な方法、それは水であった。

    密封性の高い袋に加工食品を入れ、清潔な水をためた容器に、袋に水が入らないよう底からくぐらせる。
    すると、袋は水の圧力に押され、中にある余分な空気を袋の外へ、水の上へと吐き出すのである。
    あとは袋を取り出し、空気が戻ってこないうちに封をし、外の水気をふき取れば完成である。
    機械も魔法も使わない、ただの物理法則が為せる技であった。

    この画期的な方法により「お弁当」の保存性・携帯性はますます向上し、るしにゃん王国の食糧保存技術に新たな光明が与えられることとなった。
    なお、この画期的な方法を開発した技術者は、この原理を浴槽の中でたらいで遊んでいたときに閃いたらしい。
    だがけっして「ヘウレーカ」と叫びながら全裸で走り回ったわけではないことを、彼の名誉のために蛇足ながら付記しておく。

    そしてこの「お弁当」への加工を行う作業場については、
    実は選定の必要なく、既にあるものを改良することですぐに始動にこぎつけることができた。
    というのも、
    http://gamechaki.kotonet.com/pict/foods/yg_food_p2_02_2.jpg
    こちらは「食料生産地」の紹介パンフレットにも掲載されているものであるが、
    これにあるように、収穫した小麦をパンにする、「収穫した食料を調理・加工する場所」は既に存在しているのである。

    食糧生産に向いた地形のはずれにこの施設を再建・改築し、小麦以外の食材及び真空術を導入することで
    陸軍兵站システムの「お弁当」作成場所として再起動がおこなわれることになり、
    また戦時準備、戦時外では普通のお弁当を作る共同炊事場としても使われることになった。

    食糧生産に向いた地形を加工施設に用いることは生産量を落としかねないという指摘もあるが、
    食料生産地・食糧倉庫に近い場所に設置することで輸送による鮮度低下を抑えることができ、
    またこれまでのスタイルを大きく変えることもなく、
    また生活の現場に近いことでなじみ深さを与えるというメリットがあると考えられている。




    ○補給所の設立
    こうして兵站システムの基礎が確立されたことにより、最終段階として補給所が作られることになった。
    場所の選定として、国外への遠征の際に必ず通る、森を抜けたところに広がる草原,国外へと通じる石畳の道路の途中が選択された。
    森の中に輸送機を着陸・停車させるスペースがなく、また加工場以上の施設を食糧生産に向いた地形や食料生産地に設置することは非常に非効率的であったことが選定会議で挙げられた説得材料だったのだが、国外への道中に配することはより補給効率を高めることになる正解の選択肢であるといえよう。
    また補給所内ではトラック(乗り物ではない)を地面・床に引いて種類や送り先などに応じた物資の分類を行っており、管理体制の改善や輸送状況に応じてトラックを引きなおすことで柔軟かつ最適な管理を可能にしている。

    また、統一規格化された食糧物資を収納する木製の箱も開発された。
    これは多くの輸送コンテナの規格に対応するための最大公約数のサイズで開発されており、森国人らしいスタイルとして木製の箱は金属を一切使わずに組み立てられている。
    だが、そのおかげで輸送方法さえ選べば全物理域に対応することができるという素敵な副次効果が得られている。

    こうして遂に完成に至った陸軍兵站システムは、その食糧管理技術や輸送用の木箱についての民間転用がすぐに行われることになった。
    特に「お弁当」については非常食として、戦闘糧食とは別に生産されて備蓄されることになり、
    (業務上の横領になってしまう、あるいは管理の面から編成部隊用のお弁当をそのまま転用することはできない)
    水を使った真空法は一般の食糧の保管法を改めるものとして注目が集められている。
    民間転用が比較的早いのも、機械や魔法によらない技術だからなのかもしれなかった。
引用返信 削除キー/
■213 / inTopicNo.82)  医学院寮地図
□投稿者/ ウミガメ 一般人(2回)-(2009/02/04(Wed) 03:30:20)
引用返信 削除キー/
■214 / inTopicNo.83)  猫士寮地図
□投稿者/ ウミガメ 一般人(3回)-(2009/02/04(Wed) 03:32:04)
引用返信 削除キー/
■215 / inTopicNo.84)  保育園地図
□投稿者/ ウミガメ 一般人(4回)-(2009/02/04(Wed) 03:34:30)
    http://www.kotonet.com/~gamechaki/bbsl/data/IMG_000545.png

    ここにも地図。

    正直使いまわしに近い気もしますが、
    実際マップチップ作るのに2〜3時間ぐらい掛かってるんだからいいじゃないかとか(笑

    こっそりBALLS型の遊具を入れておきました。
    これも説明が無いと辛いかもですが。
引用返信 削除キー/
■216 / inTopicNo.85)  設定文(完成?)
□投稿者/ クレール 付き人(80回)-(2009/02/05(Thu) 23:58:02)
    2009/02/06(Fri) 22:43:21 編集(投稿者)

    猫士寮は、王国在住の猫士が普段寝泊りするために王国側が用意した施設です。
    王宮,政庁のすぐそばに併設されたこの寮は
    外側,基本的な内装は森国人文化の中にある石造りの建築法が利用されているものですが、
    屋内の構造は猫士が快適に過ごせること、猫士の好む空間作りがを第一としています。

    その快適な生活作りの一環として、爪の手入れをする場所,毛づくろいをする場所など、猫士ならではの部屋が用意されております。
    また寮の前には日当たりのいい庭園が広がっており、晴れの日はそこでぬくぬくと日向ぼっこをして余暇を過ごすこともできます。

    こうしてみると生活する寮というよりも猫士の保養所のようですが、
    共同生活を送る寮としての特徴として、寝泊りする部屋は主として4人部屋となっています。
    その他は4人部屋を半分にした2人部屋、2人部屋を独り占めする一人部屋など、
    この辺りの建築思想は寮の改装と同時期に建設された医学生寮と類似しております。

    また、この猫士寮は特別な試みとして、地下に倉庫が建設されています。
    その倉庫には非常用の食糧や医薬品が備蓄されておりまして、
    1.外敵の襲来によって王宮への避難が行われた後、王宮内の備蓄食糧が底をついたとき
    2.災害の被災者へ緊急の救援活動が必要になったとき
    3.通常流通している食糧に何らかの問題が発生し、口にできなくなったとき
    以上の事態をはじめとする、緊急事態下で必要に応じて開放されることが目的です。
    なお、この倉庫へは通常行くことができず、1年に一度チェックされる他は厳重に外界との接触が遮断されています。
    そのため猫士寮を訪れてもこの倉庫を見ることはできませんが、だからこそ安全性をより高めることができているのです。
引用返信 削除キー/
■218 / inTopicNo.86)  090207
□投稿者/ クレール 付き人(82回)-(2009/02/07(Sat) 23:42:01)
    2009/02/08(Sun) 00:28:27 編集(投稿者)

    ○T13終わりのお知らせ
    レムーリアへの遠征や古き友たるトラリスとの再会、そしてマンイーター病騒ぎと、様々な出来事があったT13ですが、もうすぐT14へと移行することになります。
    ですが、T13のうちに、どうしてもしなくてはいけないことがおきました。今回はそのお知らせです。

    まずマンイーター騒ぎについてですが、これはかつて食糧に毒が撒かれることで食糧危機に陥ったように、意図的なテロ行為である可能性が指摘されています。
    そしてマンイーター病そのものについてはakiharu国のレディ女史の命を賭けた挑戦によって無毒化が行われており、現時点で食糧に何かしらの問題があるわけではありません。
    特にるしにゃん王国では国内で自給自足が成立しているため、食生活については当面の危険はないのではないかとも考えられます。
    ですが万が一を考え、国民の皆さんが自らの身を守れるようCMS社出版の「応急処置読本」と「感染症予防読本」を王立医学院にて配布いたしますので、よろしければご一読ください。

    また、このマンイーター病に前後して、その発症の地であるリワマヒ国で遺跡が活性化し、迷宮化していることが判明しました。
    この対策として、DEX社の企画のもと全国で協調して対処に取り組むことが決定し、るしにゃん王国も人員を再編して投入することにいたします。
    再びあのような災いが起こることがないよう、再編部隊は藩王指揮下のもと最善を尽くす所存です。
    なお、迷宮内では瘴気の噴出などが確認されているため、ガスへの対処を行いながら進軍することになるかと思います。
    もしも国民の皆さんが遺跡に向かわれるのであれば、洞窟探検の準備や、ガスへの対処などをしっかりと重ねた上で挑戦するようにしてください。






    ○T14始まりの挨拶
    T13にて展開された宇宙・レムーリア・絢爛の3方面作戦はいずれも勝利に終わり、
    近くにいる侵略を狙う外敵はその多くを駆逐できた状況にあるといえます。

    ですが、外の危険を退けた一方で、内に潜む敵が行きを吹き返しつつあります。
    未来を取引材料として暗躍する時間犯罪組織セプテントリオンと
    神出鬼没に邪神の祝福たる死と呪いを振りまくクーリンガンです。
    来るターン14では彼らに対抗する手段を模索しつつ、国内の更なる状況改善に努めて生きたいと思います。

    そして、長い時を経て、再び私達と共に和して戦ってくれることになった友がいます。
    政府はまだ彼らのことを多く知りませんが、長老様をはじめとする皆さんの協力を得て、
    よりよい関係を築くことができればと思います。皆さんのご協力をよろしくお願いします。

    また、医療改革事業の一環として、CMS社出版の「応急処置読本」と「感染症予防読本」を王立医学院にて配布いたします。

引用返信 削除キー/
■219 / inTopicNo.87)  すみません・・・
□投稿者/ 七海 一般人(1回)-(2009/02/08(Sun) 02:23:14)
    ヒュ〜ドロドロ。 …なんちゃって。

    幽霊国民の七海です。
    ご無沙汰してます…

    いつの話だって感じですが、ほっぽらかしていた竜猫を仕上げました。
    http://www.kotonet.com/~gamechaki/bbsl/data/IMG_000546.jpg

    性能開示だけしてほっとくのは良くない、と言う話を聞いたもので一応。
    申し訳ないです。


    もうおせーよバカーヽ(`Д´)ノ とか、もう描いちゃったからイラネ(゚听) とか、manalyさんの設定文に合わない(´・ω・`) とかならスルーしてください…
引用返信 削除キー/
■220 / inTopicNo.88)  ありがとうございます!
□投稿者/ クレール 付き人(83回)-(2009/02/08(Sun) 11:08:45)
    2009/02/08(Sun) 11:12:28 編集(投稿者)

    No219に返信(七海さんの記事)
    > ヒュ〜ドロドロ。 …なんちゃって。
    >
    > 幽霊国民の七海です。
    > ご無沙汰してます…
    >
    > いつの話だって感じですが、ほっぽらかしていた竜猫を仕上げました。
    > http://www.kotonet.com/~gamechaki/bbsl/data/IMG_000546.jpg
    >
    > 性能開示だけしてほっとくのは良くない、と言う話を聞いたもので一応。
    > 申し訳ないです。
    >
    >
    > もうおせーよバカーヽ(`Д´)ノ とか、もう描いちゃったからイラネ(゚听) とか、manalyさんの設定文に合わない(´・ω・`) とかならスルーしてください…

    にゃー!
    お疲れ様ですー! 素敵な絵をありがとうございます!
    七海さんがお忙しいのは知っていましたので、悪影響など余り気にせず気長にお待ちしておりました。
    いらないとか、そんなことはないです(笑) また気が向いたら書いていただけると喜びます。
引用返信 削除キー/
■221 / inTopicNo.89)  わー!
□投稿者/ manaly 一般人(3回)-(2009/02/08(Sun) 11:54:34)
    No219に返信(七海さんの記事)
    > ヒュ〜ドロドロ。 …なんちゃって。
    >
    > 幽霊国民の七海です。
    > ご無沙汰してます…
    >
    > いつの話だって感じですが、ほっぽらかしていた竜猫を仕上げました。
    > http://www.kotonet.com/~gamechaki/bbsl/data/IMG_000546.jpg
    >
    > 性能開示だけしてほっとくのは良くない、と言う話を聞いたもので一応。
    > 申し訳ないです。
    >
    >
    > もうおせーよバカーヽ(`Д´)ノ とか、もう描いちゃったからイラネ(゚听) とか、manalyさんの設定文に合わない(´・ω・`) とかならスルーしてください…

    すいません。むしろ設定文(というか構想というか)の方が二転三転してました orz
    ありがとうございますー! やる気でましたー!
引用返信 削除キー/
■222 / inTopicNo.90)  一応完成
□投稿者/ manaly 一般人(4回)-(2009/02/11(Wed) 21:18:22)
    2009/02/17(Tue) 23:52:38 編集(投稿者)

    ○竜に挑む猫

     ……竜が空を飛ぶときは、夜が来る合図である。
     それはネコが「寝子」である時の終わり。日溜まりでの微睡みの終わり。日常の終わり。寒い風と眠れぬ夕べが告げる、世界の闇のはじまり。

     竜が飛ぶ日はいずれ来る。
     故にすべての猫よ。日々牙を磨き爪を研げ。
     努々忘れることなかれ。いずれ来る闇のことを。
     我等は猫。何処とも知らぬ闇より潜み来たる終わりから、世界を守るもの。
     竜が世界の最後の守りならば、我等は最初の守り。日常の守り。
     すべては未だ終わらぬと、故に未だ戦ならずとも抗い続けるものであると。

     竜が飛んだならばそれは戦の合図である。激しい戦の合図である。
     翼が巻き起こす風は世界を揺らし、吹き散らす炎は命を焼くであろう。
     それは竜の風である。
     我等が王は聡明なお方。
     竜の風が吹いたならば、夜に我等を呼ぶであろう。
     戦に備えよ。武楽器を取れ、と。

     王が啼いたならば、我等は果てへと旅立たねばならぬ。
     一度は棄てた武楽器を、世界の果てから掘り起こさねばならぬ。
     そして、誇りと共に名乗るのだ。
     我等は猫にして猫の誇り。最後の戦に備えて集った猫。
     ―――竜と轡を並べ、時に挑み、それを下すもの。すなわち「竜猫」であると。


    〜 るしにゃん王国、王宮の猫神たちに伝わる古謡の現代語訳(関係箇所の抜粋)
     原典は「猫の戦場」を謡ったとされ、神殿の壁画のモチーフにもなっているが、古謡のすべてを記憶するものは現神殿長を含め数名の古老のみである。


    ○竜猫計画の発動

    「他国に寄りかかる時代は終わったということです。自ら火の粉を振り払う必要がある」
    「悲劇は、一度で十分だ」

    〜計画再始動時、反対意見を受けての藩王るしふぁの言葉。議事録より抜粋


     次々と現れた新たなる弓兵科の登場とその活躍によって、低物理域方面での中・遠距離戦闘の主戦力としての地位を獲得しつついたるしにゃんの兵士たちであったが、そこにはひとつの根本的に解決していない問題があった。
     それは、あくまでそれら弓兵部隊の性能が発揮されるのが「中・遠距離に存在する敵」だったということだ。それよりも近い距離から行われる攻撃(*1)には完全に為す術がないのである。
     露払い、或いは盾となる部隊が遅かれ早かれ必要となるのは間違いがない。
     しかし同時にそれらは、森国人が最も苦手とする分野であることもまた事実であった。
     深き森を自在に行き来する森の民であり、古い時代の知識の継承者であり、その結晶である魔術に深い親和性を持つ民。それが森国の民である。
     特にるしにゃんの大地はよく言えば起伏に富んだ、つまり平地と呼べるものが少なく、あっても草木が生い茂り、常人には踏破の難しい土地柄である。
     それらを平地の如く行く事の出来る敏捷性と、自らの身体ではなく積み重ねた経験によって切り抜ける知識。それこそが長らく彼らの誇りであった。もうひとつの特徴である美しさ――やせぎすの、言い換えれば優美さをも感じさせる線の細い体つきや長い髪といった特徴はそれらの裏付けから来る自信の現れに他ならない。
     それ故に弱点を補強するのではなく、それを他国の兵力によって補う事で強化を図ってきた――というのが、これまでのるしにゃんでの方針であり、それは実質、成功してもいたのである。
     よって、案として一度は検討され、その取得の運命がイグドラシルに現れていながらも、長らくこの計画が手を付けられる事はなかった。
     ところが、そうした状況に一石を投じる事態が立て続けに起こる。
     ひとつは国際的犯罪者であるテロリスト、クーリンガンの登場とそれによる被害。
     そしてもうひとつは、無名騎士藩国での戦争とそれによる戦傷被害である。

     クーリンガンのテロの特徴には「絶技による接近」があった。
     何処にでも無制限で登場できるその手口によって、これまでに言われていた弓兵たちの相対距離による有利性(*2)は、ほぼ無効化されたに等しかった。
     そして無名での戦争。
     この結果によって、同一部隊の酷使による精神的疲労――いわゆる医療の進歩による治療の早期化と、それによる過酷な戦線への「押し戻し」が、それを行った兵士のみならず全体に多大な悪影響を及ぼすという事実が、悲惨な状況に陥った兵士たちの姿と共に白日の下に晒されることとなったのである。
     特に、部隊のうち半数近くが入院という措置となったるしにゃんでは、この事実は重く受け止められた。
     これらの悲劇を繰り返さない為に、取り得る手段は何か。
     もっとも理想的な対処は「押し戻し」をする必要がない状態を保つことである。
     それには敵の数を減らす、あるいは味方の数を増やせばよい。

     ここに至って、藩王るしふぁは決断を行う。
     それはすなわち自ら近接戦闘を行うことを前提とした部隊の設立と、その為の武装の開発であった。


    ○部隊設立

     計画の再始動を宣言した直後、軍の方針会議にひとつの意見書が提出された。
     執筆者は星見司を中心とした王宮内研究チーム――かつての弓兵部隊の強化に貢献したメンバーを中心として発足した調査研究担当者たちである。彼らは半凍結状態となった後にも、業務の合間を縫ってリサーチを続けていたのであった。
     彼らが取り組んでいたのは、各自の伝手を最大限に利用して戦闘部隊――特に接近距離の戦闘を得意とする部隊の資料を片っ端から取り寄せることであった。他国の技術を取り入れる為、というのが表向きの理由であったが、彼らが真実求めていたものはそれらの資料にある技術でも制度でもない。部隊の明確なイメージである。
     既に弓兵部隊の強化を手掛け、成功していた彼らには、強い確信があった。最初の段階で理想と現実がかけ離れていても、明確なイメージとそれらの差を埋める為の努力をし続ければ無理ではなくなるものなのだ、と。
     とはいえ、そうした努力も方向性を見失えばただの徒労である。特に弓兵の時とは異なり、元々不向きである分野を開拓し、軍の一分野として根付かせようというのだ。慎重にも慎重を期す必要があった。
     時に藩王の親書によって依頼し、または各自の伝手を頼りにして資料を集め、国内の記録や歴史書に限らず広く共和国全土、あるいは帝國の書物までをも紐解き、分析し、データをこつこつと蓄積し続けること数ヶ月。
     出された結論は、他の面々が想定していたものとは異なるものだった。遠く帝國に存在する拳法家たちのそれを参考にしようというのである。
     修行で鍛えられた強靱な肉体を背景にしてはいるものの、独自の鍛錬と歩法とをベースとした彼らの能力は、与えられた攻撃を受け流す事によって自身のダメージを最低限度に抑える技術の集大成であるといえる。その能力の基礎となるのは、先を読む為の知識と、何より先手を取る為の敏捷性だ。森を征く森国人の立場に通じるものである―――
     ただし、これらをそのまま移植することは、それぞれの持ち味を殺す事にも繋がる。
     故に、既に国に存在するもの――るしにゃんの場合には忍者の隠れ里で伝わっている白兵技術と融合させるが妥当と考えられる、というのが彼らの出した結論であった。
     ―――これが忍者たち、特に古老と呼ばれる上層部の反発を招く(*3)。
     技術の改革は不要とする彼らの強硬な態度にあわや計画そのものが頓挫するかと思われた矢先、二人の仲介者が現れる。一人は魔法弓部隊――俗称「魔法弓手」の長。そしてもう一人はその形式上、王宮と神殿に属する猫神の長であった。
     前者は提言による変化を受け入れた結果、成功を収めた立場から彼らを説得し、後者は技術的な必要性から大幅な改革ではなく実験部隊としての設立を提案する。
     これらによって、部隊は当初の忍者改革案から、猫神部隊の能力強化という方向に大きくその性質を変えつつも、そのコンセプトを守ることとなったのである。
引用返信 削除キー/
■223 / inTopicNo.91)  世界(ry
□投稿者/ たかおむ 一般人(1回)-(2009/02/15(Sun) 14:46:13)
引用返信 削除キー/
■224 / inTopicNo.92)  改定
□投稿者/ たかおむ 一般人(2回)-(2009/02/15(Sun) 18:24:47)
    2009/02/16(Mon) 10:04:03 編集(投稿者)
    2009/02/15(Sun) 18:41:22 編集(投稿者)

    http://www.kotonet.com/~gamechaki/bbsl/data/IMG_000552.png

    高位森国人
     ○長い耳,長い髪(男女とも),やせぎす,
     ×絹の服装,頭環,森の王宮

    世界移動存在
     ○人、ワールドタイムゲート、情報分解,荒野

    魔法使い
     ×婚期を逃した,純真そうな顔,街角

    風の中心を探すもの
     ○浮かぶ鞄,精霊の降る荒野
     ×旅装束

    入ってないと思われるのはコレくらいですー。
    鞄何処?とか言わないであげてね!右上のがそうだよ!

    あ、後一個。
    イヌヒトさん何処にもいない('A`)
引用返信 削除キー/
■225 / inTopicNo.93)  完成2
□投稿者/ manaly 一般人(5回)-(2009/02/17(Tue) 23:55:10)
    2009/03/02(Mon) 03:02:31 編集(投稿者)
    2009/02/25(Wed) 22:23:50 編集(投稿者)

    長すぎて無理って言われたので。上の続き。
    ---------------------------------------

    ○誓いと願い

     新たな部隊による模索が始まったその日、猫神たちが研究チームに託したものがある。
     それは神殿の奥で密かに伝えられた古文書であった。古代より神殿にのみ伝えられてきた特殊な白兵術・格闘術を記したそれらには、奇妙な挿絵が入れられていた。
     挿絵それ自体は、神殿の壁画などにモチーフとしてよく用いられているもの――祭司たちの間では「猫の戦場」と呼ばれている光景であろうと思われた。彼らの背や翻る旗等に古いるしにゃんの紋章があったからである。しかし、彼らには現在の忍者たち、あるいは猫神たちと明らかに異なる点があった。身に帯びる剣が巨大すぎたのであった。
     この挿絵には「竜猫之図」とある。
     竜猫。
     猫神たちの話と現存するいくつかの壁画や覚え書き等の数少ない資料(*4)によれば、それは自らの爪と青く輝く武楽器を口に、戦場を駆け抜ける猫たちのことであるという。彼らは自らを世界の最初の護り手と称し、時としてあらゆる種の中で最強を謳われる竜種にも果敢に挑み、下すという。その力と、何よりも自ら世界を守ろうと強く願う意志から他ならぬ敵対者であった竜たちにもその名を冠し、名乗る事を許されているのである、と(*5)。
     これを持ち出した事を問う研究チームの面々に、彼らは答えた。これは誓いであると。
     祖先の栄光を、現代の自分たちが名乗る事は恥ずべき事であるかもしれぬ。過去は過去。今のこの身は戦場に立つにはあまりにも弱すぎ、目前の国難にも無力であると。しかし。
    「帝國で竜が国を焼いたと聞いた時、我々は思ったのです。我々もまた変わらなければならないのだと――この国を、世界を守る為には竜にも挑める力が必要ではないかと」
     その日から、実験部隊には「竜猫隊」の名前が与えられることになる。
     古文書の内容を知り尽くした祭司たちの協力もあって、古文書の武術と他国の各種体術とを組み合わせる作業は竜猫隊へと委ねられた。
     作業と共に、訓練という名の試行錯誤が開始されるまでにそう時間はかからなかった。


     その一方で研究チームは隠れ里の鍛冶師たちと共に、その装備を生み出す作業に全力を注いでいた。
     竜猫隊とその協力者たちによって明らかにされた古文書、そこに記された武術の内容が非常に特殊なもの――前述の挿絵通りの巨大剣を攻防に活用しきる事を前提としたものだったからである(*6)。驚くべき事に、竜猫たちは剣を使って攻撃を「切る」のではない。技術によって受け流すのだ。それは弓矢の他や、魔術の類であっても例外ではない。
     そして、高エネルギーの塊ともいえる詠唱魔術を一度なりとも受ける剣となれば、その素材は通常の刀剣と同じという訳にもいかない。
     あまり知られていない事実ではあるが、るしにゃんは良質な鋼の取れる土地柄である。そして、その鋼を鍛え武具とする技術はかの「大災厄」を経てもなお、衰えず存在していた。他ならぬ、弓兵たちの武器――その先端の鏃を作る技術として。
     彼らの大半は元々忍者たちの携える刀剣を専門に作っていた者たちである。
     技術を要する職故に日々に不満はないが、野望はあった。――現在、武術のひとつとして存続しつつも、携える武器としては廃れかけた刀。それを再興させたいと誰もが望んでいたのである。
     ―――そこに研究チーム、否、竜猫隊からの依頼が来た。
     久々の大仕事に、鍛冶師たちは奮起した。故に正式な王命を出すよりも先に彼らは動き始める。仕様書とは名ばかりの、希望要綱だけを書き連ねた無謀なしろものを前に、真剣に名うての刀匠たちが論議を始め、その構造を、材質を、製法を語り合った。白熱した論争の後に玉鋼が足りぬと判れば製鉄場に火が点され、鞴が風を送って炉を暖めた。刀剣専用であるが故に封じられていた大槌が、鋏が、その他使われずに在ったあらゆる道具が恭しさを以って保管されていた蔵から運び出され、昔日の姿を取り戻す。
     ―――今の己等の持てる全ての技術を持って、竜をも打ち破る剣を作るべし。
     誰が言い出す訳でもない合い言葉の下にやがて槌打つ響きが里に広がり、久しく起こる事のなかった活気が満ちる。
     やがて試行錯誤の末に一振りが完成する度に、それは人知れず修行を続ける竜猫隊のところに届けられ武術の鍛錬へと使われる一方、記述通りの性能を持つかどうかのテストが行われるようになっていった。

     それにつられるようにして、今度は装備を作っていた武具職人たちが動き出した。
     彼らが研究チームの下に持ち込んだのは、一揃いの武具であった。
     武術の鍛錬風景と弓兵たちの武装を参考にして生み出されたそれらは剣を振るう為の上半身だけでなく下半身、特に動きの基本となる足の保護を重視して作り出されたものであった。
     武具としては既に完成された、他国へ持ち出せば美術品のように賞賛されるであろうそれを、何故研究チームへと託したのか?
     当然といえば当然の疑問に、彼等は言う。――我々では「これ」を完成できない。実戦の為の仕上げとして、魔術を刻むことは出来ない、と。
     他のものたちのように魔術に対する怒りや恐怖を捨てた訳ではない。しかし同時に彼らは痛いほど理解していたのである――魔術を用いなければ、本当の意味でこれを完成させ、竜を名乗るほどの力を与えることは出来ないのだ、と。
     鍛冶師と武具職人。
     形こそ異なるものの、そこにはこの国の平和をひたすらに願う心と、その為に己の持つ技量のすべてを尽くそうとする意志があった。
     戦う場所は異なれど願うところは同じ――彼らは自らの職能によってそれを示そうとしたのである。

     ほどなくして、魔術を刻み込まれた専用武具は完成し――そして竜猫隊へと渡されることとなる。それとほぼ同時に、巨大な剣もまた完成した。
     耐久実験と仕様変更を何度となく繰り返し続けた結果、完成までには一年近い歳月が過ぎていた。しかし、そのあまりに真剣な姿に誰もそれを咎めることはなかったという。
     そしてそれとほぼ同じ時間を費やされた鍛錬の結果、それらを完璧に使いこなせる者もまた竜猫隊以外には存在しなくなっていたのである―――

引用返信 削除キー/
■226 / inTopicNo.94)  090218
□投稿者/ クレール 付き人(84回)-(2009/02/18(Wed) 09:39:03)
    ○公共事業開始のお知らせ
     リワマヒの遺跡は封印がなされましたが、その遺跡が活性化した影響は今でもるしにゃん王国に残り、
     その植生が皆さんの生活を妨げていることを把握いたしました。
     そこで、リワマヒの植生を伐採してるしにゃん王国の植生を守り、また皆さんの本来の生活を取り戻すための活動を
     公共事業として開始することにいたしました。
     募集要項は以下のようになります。

     資格:るしにゃん王国に住まわれる方であること。年齢性別職業は問いません。
     審査など:とくにございません。登録などもないのでお気軽に参加ください。
     事業内容1:リワマヒの植物を伐採し、政庁あるいは王宮までお持ちください。
     事業内容2:また併せて、最近の食料危機によって投げ捨てられた食料、また食べるのに不安な食料がありましたら、そちらもお持ちください。
     報酬:お持ちいただいた量を基準に国庫に備蓄されている食料をお支払いいたします。
     備考:既に伐採済みの植物につきましても政庁までお持ちいただければ食料をお支払いいたします。

     事業内容1で回収された植物は生物資源として、また生活インフラ整備のための材料として国庫に保管し、
     事業内容2で回収された食料は既存の食料とは別に保管場所を設け、新しい事業のための材料としたく思います。
     どうぞ、奮ってご参加ください。
引用返信 削除キー/
■227 / inTopicNo.95)  修正ペソ
□投稿者/ クレール 付き人(85回)-(2009/02/19(Thu) 00:35:31)
    ○びっくり真空術と加工作業場の設置
    また、るしにゃんのお弁当システムには特筆すべき特徴がある。それは機械技術がないにもかかわらず「真空パック」を実現させていることがある。
    もちろん、掃除機のような吸引機を用いているわけではない。もっと簡単な方法が発見されたのである。
    真空パックとは、パックの中の空気が存在していないことである。すなわち、パックの中から空気を追い出すことができれば真空を作ることができる。
    空気を追い出す最も身近な方法、それは水であった。

    密封性の高い袋に加工食品を入れ、清潔な水をためた容器に、袋に水が入らないよう、口を水上においたまま袋の底からゆっくりと水につけていく。
    すると、袋は水の圧力に押され、中にある余分な空気を袋の外へ、水の上へと吐き出すのである。
    あとは袋を取り出し、空気が戻ってこないうちに封をし、外の水気をふき取れば完成である。
    機械も魔法も使わない、ただの物理法則が為せる技であった。

    この画期的な方法により「お弁当」の保存性・携帯性はますます向上し、るしにゃん王国の食糧保存技術に新たな光明が与えられることとなった。
    なお、この画期的な方法を開発した技術者は、この原理を浴槽の中でたらいで遊んでいたときに閃いたらしい。
    だがけっして「ヘウレーカ」と叫びながら全裸で走り回ったわけではないことを、彼の名誉のために蛇足ながら付記しておく。

    (略)

    ○補給所の設立
    こうして兵站システムの基礎が確立されたことにより、最終段階として補給所が作られることになった。
    場所の選定はいくつかの候補地が挙げられたが、最終的には
    ・輸送機の排ガスなどによる森の汚染が最小限になるよう森のはずれ、あるいは外に配置すること
    ・変な場所に配置せず、最低限以上の補給効率は確保する場所にすること
    ・車両・航空の両方の輸送方法に対応できる場所にすること
    ・敵対勢力の襲撃を避けるべく、隠蔽処理を行うこと
    という条件を定めたうえで設定国民の意向やアイディアをなるべく採用する形で配置が決定された。
    なお、その場所については隠蔽性の維持のため地図にも掲載されておらず、補給士官などの一部ものしか正確な場所は知らされていない。

    (略)
引用返信 削除キー/
■228 / inTopicNo.96)  注釈用
□投稿者/ manaly 一般人(6回)-(2009/02/25(Wed) 22:24:38)
    *1
     報告書によると、以下のような例が出ている。
    1)戦術としての奇策による接近
     ・伏兵の奇襲、あるいは夜闇に乗じて現れる暗殺者など
    2)個人の特殊能力(含む絶技)による接近
    ・「実はそこにいた」に代表される同時存在を可能とする、再現不可能な技術(いわゆる絶技)によるもの
    ・「ドラゴンスレイヤー」などの職業に代表される、白兵戦闘以外の攻撃を無効とする特殊な体術および技術による攻撃無効化によるもの
    ・高精度能力を有するテレポーターによるもの
    3)高テックレベル技術及びTLOによる接近
    ・「転送術師」およびその転送技術による空間歪曲によるもの

    *2
     弓兵部隊の攻撃可能範囲は最短でも中距離程度である。
     これにより個人行動の場合でも敵対する存在が現れた場合、距離による優位性があるので逃げる事が出来、問題がないと思われていた。

    *3
     後に関係者から語られた事情によれば、彼らは秩序の崩壊を恐れていたという。
     古来、忍者とその隠れ里は魔法使いの二つの星見塔と並び、るしにゃんの軍事方面を支える教育、訓練施設として機能してきた歴史がある。しかし現状では知識の要たる星見塔は廃れ、隠れ里もその立場を既に弓兵にほぼ奪われている。またネコリスの友やトラリスといった古代の戦闘技術が復興しつつあることなどから、これまでの忍者という枠組みによって作ってきた軍の秩序そのものが失われ、既にニューワールド内の数国に見られるように力が野放しになり、本来守るべき国民にそれらが無秩序に振るわれることを危惧していたのであった。
     とはいえ哀しいかな、るしにゃんの場合、頻発するなりそこないという特殊な内的要因の結果として国民にそれらが向けられた事例はほとんどない――というのもまた事実ではあるのだが。

    *4
     猫神たちは形式上は神殿の護り手であり、そこに仕える祭司たちに準じる立場にある。それ故に彼らが知る事柄には外部には秘するべきとされる知識も多く、外部に関わる必要最低限の知識以外は伝統的に口伝でのみ継承され、伝えられていく事がほとんどである。

    *5
     竜に挑む故に竜猫とされるとはいえ、これは敵対関係ではないとされている。
     竜と戦うのは互いの種により立場が違う為のことであり、竜と猫との関係そのものは良好であり、戦いにおいては好敵手のような関係にある。
     事実、古謡のひとつには共に戦いに挑み、その健闘を讃える一幕もある。

    *6
     以下に古文書の記述(抜粋・現代語訳)を挙げる。
    「(略)つまり、矢や魔術についてはこれを受け流すことを基本とする。魔術は避けられない為、剣を身代わりとして用いる。これは雷を大樹が引き寄せるのとよく似た理屈である…(中略)…剣は武具であるが同時に盾であり、鎧である。爪を持たない人が猫として相応しく戦う為には身に帯びるこれを猫の爪、犬の牙、猛禽の嘴と同様に扱えるようにならねばならない(後略)」

引用返信 削除キー/
■229 / inTopicNo.97)  剣術
□投稿者/ クレール 付き人(86回)-(2009/03/02(Mon) 00:43:12)
    2009/03/03(Tue) 19:52:37 編集(投稿者)

    竜猫とは、竜を狩る猫ではない。
    猫の名を冠せど、猫妖精の先にある形のひとつのように猫そのものになるのではなく、
    あくまで猫神使いの一人、人の形質を保ち生きているのが彼らである。

    竜猫とは、竜と猫のことである。
    しかし彼らはリザードマンのように竜の鱗を持つ亜人というわけではない。
    それは、猫神使いの中から生まれでる、人々の安らかな夜を守るために剣をとるもの、
    人と猫がともに戦う伝説の中に帰ることを選んだもののことである。

    猫とは、猫神使いがそうであったように、彼らの持つパートナーの猫のことである。
    パートナーは言い伝えそのままに、毛がふかふかでニャーとなく戦神の力を受け継いだ猫たちであり、
    猫の王ブータのように、猫の身には大きすぎる剣をもってともに戦場へと赴く。

    森国人という、剣を振るうには最も不利な条件を乗り越えて。
    彼らは世界を守るためによき未来を取り戻すため、猫とともに剣をとるのである。

    /*/

    ○我が竜を見よ

    竜猫の称号を得た世界忍者たちは、それぞれ個性の違いはあれどある剣術をふるうようになる。
    その構えは二つあり、一般に守りを固める竜の構え、突撃して攻める猫の構えと、一般に呼ばれており、その由来は構えがまさしくそのようだからである。


    守りを固める構えは、柄を上に刃を下に、剣の面を敵に見せるように斜めに構える。
    その姿があたかも竜がその手を構えるようで、あるいは首をもたげているようにも見えるために、竜の構えと呼ばれている。

    これは大剣を「守りの竜鱗」と見立て、やせぎすの体のほぼ全てを大剣の影に隠し、
    半身に構えて重心を落とすことで攻撃を受け止め、いなすものである。
    さらに敵の攻撃に対して直角ではなく斜めに構えることは攻撃の衝撃を半分近く反らす効果を得ており、防御効率を大きく向上させている。

    熟練すれば、受け止めざるを得ない衝撃を遠心をもって突撃力に変換することも不可能ではないとも言われている。
    自らの力に加え敵の攻撃の威力をも乗せたカウンター攻撃は、相手の火力が強ければ強いほどに力を発揮し、
    そこに生まれる虚を突き貫く、敵の刃を敵に返す水鏡の技と言えよう。


    突撃して攻める構えは、遠心力を重ねて装甲振りぬくために大剣を後ろにおき、反対側の肩を前に出すように突進する。
    この突撃の際は被弾面積を抑えるため、重心は落とせるだけ落とし、森国人のしなやかさと忍びの技を活かしたまるで地をはうように高速突撃をするのだが、
    それがまるで猫が生きる糧を得るための狩りのように見えるため、猫の構えと呼ばれている。

    しかし鎧兜を持たぬ世界忍者の装束のみでの前陣は非常に危険である。
    そのために大剣が作られ、「守りの竜鱗」の見たてがされてきた。(本来の大剣の運用想定は、竜の構えのみだったのである)
    しかし攻撃をするには守りの構えを解かなくてはならぬ矛盾があり、睨み合いの場、相手が遠距離にあって反撃が届かぬときはどうしても攻めに転じなくてはならない。

    そのために後から開発されたのがこの猫の構えであり、、装甲という形の防御を完全放棄し、大剣を後方に配することで視界と敏捷性を大きく確保した。
    そして大剣の重量をたくみに動かしときには足場とする激しい高速移動の末に叩き込む遠心力を最大限に乗せた一撃は、
    「猫の爪牙」のように、地を伝う烈火のごとき技である。


    しかし、二つの構えは相反するものである。
    重厚なる大剣は銃弾をも防ぐ竜鱗となりうるが、地を駆け抜けて反撃の一撃を放つには
    重すぎて猫の爪牙たりえず、
    羽のように軽い剣は軽快な動作と高速の抜き打ちを可能にする爪牙となりうるが、敵の攻撃を防ぐには脆すぎて竜鱗たりえない。
    そこで、それぞれの構えに合わせた2種類の剣が実戦用として作られることとなった。
    1本は鋼や樹脂などを何十にも重ねることで「敵に叩きつける装甲」とでも言うべき、「守りの竜剣」。
    もう1本はオールのような木剣をベースとして、縁に金属の刃をとりつけ樹木を切り裂く紙のように高速の取り回しが可能になることを目指した「攻めの猫剣」である。

    本来ならば「攻めの猫剣」のベースである木剣は忍びの里での修練用の武器であったし、「守りの竜剣」は竜猫の主兵装となることを想定して作られたものであったのだが、突撃のために開発された「猫の構え」のために、修練用の武器が主武器として換装されることになったのである。

    そして、竜猫たちは「攻めの猫」「守りの竜」の修練を重ねた上で、最終的には得意などちらかのスタイルと武器を選んで戦場へと臨んで行く。
    しかし驚くことに、熟練者の中の熟練者、いわゆる達人と呼ばれる一部の竜猫は、両方の武器を選んで戦場に赴くという。
    曰く、「守りの竜の構え」はカウンター狙いと後衛防御のための完璧な盾であるわけで、2本の剣を持とうが1本の剣を持とうが変わりがない、と言うのである。
    守るだけでなく戦いを終わらせるために。攻撃機会の確保に努めるという点でこの考えは非常に理に適っている。
    守りと攻めの両方を持つ二刀流こそ、竜猫の本当の戦闘スタイルなのかもしれない。


    /manalyさんの一部修正/

    ただし、これらをそのまま移植することは、それぞれの持ち味を殺す事にも繋がる。
    故に、既に国に存在するもの――るしにゃんの場合には忍者の隠れ里で伝わっている白兵技術と融合させるが妥当と考えられる、というのが彼らの出した結論であった。
    ―――これが忍者たち、特に古老と呼ばれる上層部の、これまでに何度もあった懸念が、再び示された(*3)。
    技術の改革は不要とする彼らの強硬な態度にあわや計画そのものが頓挫するかと思われた矢先、二人の仲介者が現れる。
    一人は魔法弓部隊――俗称「魔法弓手」の長。そしてもう一人は、形式上王宮と神殿に属する猫神の長であった。言い方を変えれば、上層部の新人達である。
    前者は提言による変化を受け入れた結果、成功を収めた立場から彼らを説得し、後者は技術的な必要性から大幅な改革ではなく実験部隊としての設立を提案する。
    これらによって、上層部はその懸念の強さに反し、意外なほど速やかに新しい提案を受け入れた。(それでも完成がT14になるまで遅れるほど時間はかかったが)
    部隊は当初の忍者改革案から、猫神部隊の能力強化という方向に大きくその性質を変えつつも、そのコンセプトを守ることとなったのである。

    筆者の思うに、実際のところるしにゃん王国の忍術というものは世界忍者の時点で完成を迎えており、伸びしろがほぼ皆無であることを上層部が一番正確に認識していたのではないだろうか。
    ゆえに、その先は貴族の姿を得て権力社会や経済に入りこむか、それとも忍術を武術に昇華して武人の道を進むかの道を選ぶしかないことも痛感していたのだろう。
    だからこそ、「白兵技術の強化の必要」を示されることに敏感になっていたのではないだろうか。
    結果的に忍者自身ではなく忍者の新しい形の一つである「猫神」を鍛え上げる形になったが、
    先に懸念を示すことで、改めて忍びの里を核とする,忍者の系譜に始まる弓使い,猫神使いの統制を再確認する意味があったのだろう。

    *3
     後に関係者から語られた事情によれば、彼らは秩序の崩壊を恐れていたという。
     古来、忍者とその隠れ里は魔法使いの二つの星見塔と並び、るしにゃんの軍事方面を支える教育、訓練施設として機能してきた歴史がある。しかし現状では知識の要たる星見塔は廃れ、隠れ里もその立場を既に弓兵にほぼ奪われている。またネコリスの友やトラリスといった古代の戦闘技術が復興しつつあることなどから、これまでの忍者という枠組みによって作ってきた軍の秩序そのものが失われ、既にニューワールド内の数国に見られるように力が野放しになり、本来守るべき国民にそれらが無秩序に振るわれることを危惧していたのであった。
     とはいえ哀しいかな、るしにゃんの場合、頻発するなりそこないという特殊な内的要因の結果として国民にそれらが向けられた事例はほとんどない――というのもまた事実ではあるのだが。


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