星見司処

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■145 / inTopicNo.21)  基本文エントリ
  
□投稿者/ manaly 一般人(8回)-(2008/07/06(Sun) 05:38:24)
    こっちもやりますー
    ぶっちゃけ、こっちも書かないと文章が繋がらなそうな気がするw

    「前回(弓兵)の続き」という方向性は変わらず
    文章の方針としては
    ・長所を生かす為の技術的発展(としての長弓作成)。
    ・十分な飛距離がある弓を、あえて長弓にした理由について
     (案:矢についての魔術的な安定、特殊弾の開発、等?
    ・外見的変化

    弓兵時の文章みたいに突っ込んでは書けないのでツッコミよろしくです。
引用返信 削除キー/
■146 / inTopicNo.22)  絵とか
□投稿者/ リクガメ 一般人(1回)-(2008/07/07(Mon) 23:40:07)
    絵を描きます。よろしくネ☆
引用返信 削除キー/
■147 / inTopicNo.23)  養蜂+リンゴ+お米
□投稿者/ クレール 一般人(42回)-(2008/07/09(Wed) 00:47:22)
    2008/10/16(Thu) 15:18:33 編集(投稿者)
    2008/07/19(Sat) 23:03:29 編集(投稿者)

    ○養蜂の営み
    草木深く緑濃い地にはそれらがつける花々も数多く,るしにゃん王国では一年を通じて様々な色形を見ることができます。
    私たちは森と共に歩く森国人として,それらの花々が種をつけるという役目をまっとうできるよう,受粉の手伝いをするために養蜂を行っています。

    自然の中にも受粉を助ける生き物はいるため養蜂という手段をとるべきではないのでしょうが,
    自然の存在ではない植物園周辺や王宮にある庭園,果樹園などでは自然の生き物だけで受粉を行うのは難しく,
    また,自然の生き物の中でも特に蜂と人の領分が重なることによるお互いの被害も考えられるため,
    共生の手段として蜂の住処と人の住処を分けているのです。

    養蜂施設でとれる蜂蜜はその周囲にある草木の露を凝縮したものといえるため,地区によってその味は変化します。
    蜂蜜食べ歩きを中心とした食い倒れツアーというのも面白いかもしれませんね。

    メモ:リンゴは同じ品種では受粉しない
    花を落としたりするのも木の力を温存させるためのもの

    /*/
    ○リンゴ果樹園 (ガイドブック風に改訂)
    リンゴは「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」といわれるくらいに栄養バランスがとれている,るしにゃん王国で生産される代表的な果実です。

    というのも,なだらかな渓谷の形の地形を持つるしにゃん王国は比較的周りの山々による日光の遮蔽がないため、
    リンゴの赤色を出すために重要な日照面で地形的にりんごの栽培に適しているのです。
    またそれだけでなく,森国という植物の生育に適した環境でもあることや,森国人の特徴を発揮したきめ細かな世話が
    非常に品質の高いリンゴの生産を可能にしており,リンゴ好きの中にはその色だけでるしにゃん王国産であることを見分ける達人もいるといわれるほどです。

    その品質の高さを示しているのが,王国の代表的な栽培方法である無袋栽培です。
    リンゴは日差しを浴びるほどに糖度が増し,特有の赤い色が鮮やかになる傾向にありますが,見栄えが悪く,また害虫の被害が発生しやすくなります。
    そのため見栄えを重視して栽培される場合には生育する果実に袋を被せる有袋栽培が行われていますが,
    るしにゃん王国産のリンゴは袋を被せない無袋栽培であるにもかかわらず,その見た目は他国の有袋栽培のリンゴに負けず劣らぬものなのです。

    収穫期の果樹園では生い茂る葉の影にたわわに実ったりんごが赤く輝いて見えます。
    これも無袋栽培ゆえに見ることができる光景であり,十分に日光が当たっている証明でもあります。
    緑のレースにルビーをちりばめたようと大仰しく形容する方も中にはおります,一度ごらんになってみてはいかがでしょうか。

    /*/

    ○アイガモ農法による稲作
    るしにゃん王国では、世界の主食として小麦と双璧をなす米の生産も盛んに行われています。
    王国での稲作の起源もまた古く、森国人として水車が建設された頃と同じと言われており、それだけの長い歴史の間を伝えられてきた稲達は種としても洗練されています。

    生育される多くの品種は温度変化と水不足に弱く、南国,西国,北国の自然環境では育成に向きません。
    病害に対する耐性は平均的で、これらのデメリットと引き換えに、とれる米は非常に栄養価が豊富で、味も申し分ないものです。
    また、害虫駆除及び無農薬の農法としてアイガモ農法が取り入れられています。
    雑草や害虫はアイガモがこやしに変え、水田内での遊泳が稲への酸素供給を助け、くちばしでつつく行為が株張りのいい丈夫な稲を育てているのです。

    こうして得られたお米は炊きたてのごはんや餅,米粉による麺やパンなどになっています。
    また、害虫駆除として育成されたアイガモ達はそのまま育成を続けることはできません。
    アイガモ達の殆どは脂が乗った美味しい鴨肉として、共に稲を育ててくれた感謝と共に人々の食卓を賑わすのです…。

    /*/

引用返信 削除キー/
■148 / inTopicNo.24)  藩国アイドレスについて
□投稿者/ クレール 一般人(43回)-(2008/07/09(Wed) 10:43:55)
    アイドレス内にあるいろいろなものがi言語化されています。(L:とかt:とかですね)
    それを受けて,藩国の設定の一部をi言語化しようという動きがあり,基本料金無料でアイドレス上に作ってくれるキャンペーンがありました。
    (アイドレス枠で手に入れる以外にはどれも基本的にマイルが必要になります。
     団体で使用するものは基本的に100マイルかかります。)

    で,自由に特殊や次のアイドレスを決められるのでそのキャンペーンにかけこんだのですが,次のアイドレスが結構難しい状況です。
    以下に,査定してもらった次のアイドレスを記します。横にある数字は基本料金にその額マイルを上乗せするとそれを次のアイドレスとしてつけられるということです。

    ○職業・職業4
    声優 50
    ネコリスマスター 3000
    堕落した謎ハンター 5000
    01ネコリス 5000

    ○ACE
    アルフォンス様 300

    ○施設 ()内は派生取得時に必要になる敷地と思われます
    王立医学校 0 (???m2)
    植物園 0 (???m2)
    コンサートホール 0 (???m2)
    大水車 100 (200m2)
    星見小学校 100 (1000m2)
    嘆きのほこら 50 (100m2)
    絶望の荒野 0 (3000m2)

    ○その他
    個人用軽量飛行装置の開発(イベント) 3500
    魔法型個人用軽量飛行装置の開発(イベント) 3000
    グライダーの開発(イベント) 50
    魔法型グライダーの開発(イベント) 50

    /*/

    あと,特殊という形で藩国の設定情報を書くことができます。ただ,基本的なこと以外のものを書くと受け取り料金が変動します。
    マイナスの効果がつくなら安く,プラスの効果なら高くなります。
    また,イグドラシル上にあるような効果は料金の桁がはねあがる傾向にあります。

    例:
     *るしにゃん王国は50人以上の部隊を作れない
     *るしにゃん王国は1層しか土地をもたない
    あわせて−50
引用返信 削除キー/
■149 / inTopicNo.25)  いまのところ
□投稿者/ クレール 一般人(44回)-(2008/07/09(Wed) 10:47:19)
    2008/07/13(Sun) 22:32:23 編集(投稿者)

    L:るしにゃん王国 = {
     f:名称 = 01 るしにゃん王国(組織)
     f:要点 = 山野に広がる森,湖,空を飛ぶ何か
     f:周辺環境 = るしにゃん王国
     f:評価 = なし
     f:特殊 = {
      *組織カテゴリ = 藩国
      *藩王 = るしふぁ
      *王猫 = アルフォンス
      *現所在地 = 長野県
     }
     f:→次のアイドレス = 魔法型グライダーの開発(イベント),植物園(施設),コンサートホール(施設),声優(職業4)

引用返信 削除キー/
■150 / inTopicNo.26)  イラスト・完成
□投稿者/ 七海 一般人(3回)-(2008/07/12(Sat) 02:12:54)
    2008/07/13(Sun) 04:03:35 編集(投稿者)

    描く人がいないようでしたら、描いてみます。

    出来るだけ早く描いちゃうつもりですが・・・

    /*/

    http://www.kotonet.com/~gamechaki/bbsl/data/IMG_000509.jpg
    こんな感じになりました。
    誰でもない長弓兵さんです。
引用返信 削除キー/
■151 / inTopicNo.27)  第一稿
□投稿者/ manaly 一般人(9回)-(2008/07/15(Tue) 04:59:20)
    ○長弓兵の登場

     るしにゃん王国において「長弓兵」といった場合、それは主に「大災厄」後に誕生した弓を使用する者たちを意味する。
     そもそも、るしにゃん王国の弓兵たちが装備していた弓とは、世間一般で言う「長弓」であった。
     洋の東西を代表する弓――和弓とクロスボウを研究して作られたこれらは、また彼等が得意とする魔術を適度に組み込む事により、国民である森国人が使用するに適した利便性と兵器としての有用性を追求した、非常に完成度の高いものであった。

     その状況が変化したのは、歴史において「大災厄」とされる事件後である。
     各国からの募金、支援など有形無形の協力によって表向きは元の形を取り戻したものの、そのダメージは国内の様々な分野で尾を引いていた。こと弓兵についてもそれは例外ではない。
     最大の問題は、弓の生産――その為の材料が失われた事であった。
     るしにゃん王国の長弓は合成弓であり、その原材料は木材が大半を占めていたのだが、それらがその生産区画ごと、文字通り消失してしまったのである。
     しかも、どういった理由によるものなのか、再生された森林の木材を使用して生産した弓は、以前ほどの飛距離や安定性を維持出来なかったのである。特に楡、樫といった魔術的な特性の強いものほど、この影響は大きかった。
     ……これらの現象をどのように解釈するべきかについては、るしにゃんの星見司たちの間でも未だ意見が分かれており、未だ結論には到っていない。
     しかしそうした論議はさておいても、弓の改良は必要であった。
     再び、るしにゃん王国の挑戦が始まったのである。

    ---------------------------------------------
    ……書いてる間に何か文章ズレてきてます。
    これだと弓兵の努力全否定になるよなあうーんうーん
    もう少し粘りたいので、ツッコミお願いします。
引用返信 削除キー/
■152 / inTopicNo.28)  移動存在
□投稿者/ たかおみ 一般人(1回)-(2008/07/15(Tue) 16:28:57)
    そろそろ仕事しろと神様が仰ったので、世界移動存在をー。
    ……誰か藁半紙の質感で、スキャナで取り込んでも画面が汚れない紙ください(⊃Д`)
引用返信 削除キー/
■153 / inTopicNo.29)  追加SS初稿
□投稿者/ イヌヒト 一般人(1回)-(2008/07/16(Wed) 00:24:27)
    2008/07/16(Wed) 00:30:40 編集(投稿者)


    彼は、砂埃舞う絶望の荒野に立っていた。
    ともすれば、直ぐ目の前すら見えなくなってしまうような視界の中を、彼は迷うことなく、旅装束をはためかせ、進んでいく。
    何かに導かれるように。その、切れ長の目に何か見えぬものを映しているかのように。
    その手に持った杖と、宙に浮かぶ鞄を供に、一歩、また一歩と。
    金星の塔の星見司は、フィールドワークに出る際に、儀式として、この絶望の荒野に立ち寄る。だが、彼の歩みはいつもの星見司の儀式としてのそれとは、やや異なっていた。
    何かに追い詰められているかのように、そして何かを追いかけているような。
    そんな切実さに満ちた、足取り。

    突然、突風が彼を襲った。
    何事も無いかのように、瞳を閉じ、杖を前に掲げて突風をやり過ごす。
    場が収まるのを感じて瞳を再び開いた時、今迄の風が嘘のように収まっており、そして辺りには青白い精霊達が舞い降りていた。

    そして、彼は、きっ、と空を見据える。

    その視線の先には―――穴が。

    空に、青い大穴が開いていた。

    ワールドタイムゲートと呼ばれる、それ。異世界への門。
    ごく一部の、限られたものにしか見えないそれを、彼は確かに見ていた。

    そして、力強く、挑むように呟く。

    『世界の一つや二つ、違うくらいで、人の恋路を邪魔出来ると思わないで欲しいものだな。』

    彼の周りに降る精霊が、より一層数を増し、彼の身体は青白い光に包まれた。
    そして、次第に光の粒子に、情報に分解され、空へと昇っていく。

    杖も、鞄も。何もかも。

    そうして、彼はこの世界に別れを告げた。

    彼の呟いた、愛しい人の名の響きを、最後に残して。

    大切なものを、取り戻す為に。

引用返信 削除キー/
■158 / inTopicNo.30)  絵できた
□投稿者/ リクガメ 一般人(2回)-(2008/07/25(Fri) 08:06:38)
引用返信 削除キー/
■162 / inTopicNo.31)  ツッコミ
□投稿者/ クレール 一般人(47回)-(2008/07/29(Tue) 01:16:54)
    ええと,弓の改良というか,武器をただの弓から魔法弓へと切り替えていくことになる過程として,
    従来の弓が使えなくなるor不要になる,という方針は間違っていないと思います。

    ただ,魔法弓はこれまでよりもTLO問題が表れてくるので,
    魔法を無理やり行使しなくてはいけなくなった,という結論は避けたいところです。

    というところで,こんなのはどうでしょう。

    調子が悪いのは魔法のノリが悪くなったせい
    #魔法のノリ=同体積の素材に対し,どれだけ強い魔法を付与できるか,みたいなもの。
    #かっこよく書くと,魔術親和性
    →従来どおりに魔法を機能させるためには魔法をかける絶対量を増やす必要がある
     →弓矢の長大化
      →付与魔法のおかげで従来どおりに使えるだけでなく,なんだか威力も増しちゃった。ラッキー!

    という感じで繋げていくのはどうでしょう。
    あとは,弓でなく矢も魔法の起動キーにしていたはずという点,細かい無矛盾チェックで申し訳ありませんが,お願いします。

    魔法弓へどうつなぐかは難しいところですが,それはまたそのときに。
引用返信 削除キー/
■163 / inTopicNo.32)  第二稿
□投稿者/ manaly 一般人(10回)-(2008/08/03(Sun) 05:19:51)
    2008/08/03(Sun) 06:36:29 編集(投稿者)


    ○長弓兵の登場

    「るしにゃん弓兵部隊、パワーアップしました!」
    「……ええと、何処が?」

    〜初出撃時における、某国兵士との会話記録より

     るしにゃん王国において「長弓兵」といった場合、それは主に「大災厄」後に誕生した弓を使用する兵士たちを意味する。
     高位森国人である彼らはその証明としての特徴――長い髪と耳を持ち、やせぎすで絹の服と頭環を纏っている――はあるものの、一般的なイメージのように森の王宮でひっそりと暮らす、知識の民としての姿にはやや遠い。何故ならば大半が忍者の里出身である彼らは、世界忍者の一員としての服装――るしにゃんではドイツ風の衣服を身に纏い、鋭すぎて悪く見える目つきをしているからだ。これに、弓と矢筒を装備しているのが弓兵部隊である。
     長弓兵の場合は、更に特徴的となる。
     彼らは実に背丈以上にもなる長く大きな弓を携え、また装備の面でも小手と胸当てを身につけている。が、上記例のように他国の人々からするとそれはごくささやかな変化であり、その違いについて外見から理解する事は困難であったようである。

    /*/

     そもそも、るしにゃん王国の弓兵たちが装備していた弓は、世間一般で言う「長弓」であった。
     洋の東西を代表する弓――和弓とクロスボウを研究して作られたこれらは、また彼等が得意とする魔術を適度に組み込む事により、国民である森国人が使用するに適した利便性と兵器としての有用性を追求した、非常に完成度の高いものであった。
     星見の国として知られていたこの国が得たこの新たなる戦力は、一般に知られる機会は少なかったものの、過去の対オーマ戦に少なからず影響を与えていた(*注1)といわれている。

     この状況が変化したのは、歴史において「大災厄」とされる事件後である。
     各国からの募金、支援など有形無形の協力によって表向きは元の形を取り戻したものの、そのダメージは国内の様々な分野で尾を引いていた。こと弓兵についてもそれは例外ではない。
     最大の問題は、要となる弓そのものの生産過程に現れた。
     るしにゃん王国の長弓は合成弓であり、その原材料は木材が大半を占めていたのだが、それらがその生産区画ごと、文字通り消失してしまったのである。
     しかも、どういった理由によるものなのか、再生された森林の木材を使用して生産した弓は、以前ほどの飛距離や安定性を維持出来なかった。特に楡、樫といった魔術的な特性の強いものほどこの影響は大きく現れていたのである。
     ……これらの現象をどのように解釈するべきかについては、るしにゃんの星見司たちの間でも未だ意見が分かれており、未だ結論には到っていない。
     しかしそうした論議はさておいても、弓自体の改良は必要であった。
     再び、るしにゃん王国の挑戦が始まったのである。


    ○改良の実際

    「……要するに、これからは魔術に頼り過ぎるとダメってこと?」
    「まあそういう事です」
    〜調査チームの最終報告会における、とある会話記録

     改良にあたって招集された開発チームが最初に行ったのは、新たに作られた弓とその素材を分析することだった。
     調査分析と各種検査の詳細については専門的な話となるのでここでは割愛する。が、実に一年以上の時間をかけて慎重に行われた検査の結果は、ごくシンプルであった。
     魔術とその構造自体に問題はない(*注2)素材の強度についてもほぼ同様である。
     強いて違いを言えば、素材の魔力への親和性が弱まった――簡単に言えば「魔術のノリが悪くなった」という点に尽きる。これを踏まえて、改良の方向性は次のように固まった。
    「魔術自体の重ね掛けやさらなる強化は控え、技術による強化を目指す」である。

    /*/

     まず、開発チームが取り組んだのは、弓丈(*注3)を更に長くするという事だった。
     元々弓はその構造上、長ければ長いほど飛距離が伸びるものである。過去の弓が長さをほどほどに抑えられていたのは、使用に支障が出ると判断された為だった(*注4)。
     この制限を一端取り払い、純粋に技術のみで飛距離を追求した結果、新たな弓丈は一般的なるしにゃん国民の背丈を軽く越える長さにまで達した(*注5)。

     この改良は劇的な効果をもたらした。
     まず、弓丈自体の長さが増えたことによって使用する素材が増えたことから、結果として魔術的親和性が従来値以上に高まったのである。
     これによって、掛けられた魔術の構造自体は一切変わっていないにもかかわらず、今まで以上に安定した能力が発揮できるようになった(*注6)。また、そもそも従来以上の飛距離が出ていたものに、魔術によって効果が上乗せされ、射程が飛躍的に延びることとなった。
     過去の「大災厄」での経験から、相手の手が絶対に届かない距離からの攻撃手段を必要としていたるしにゃんの軍部にとって、これは喜ぶべき効果であった。
     ただし、問題もあった。
     弓自体が強くなりすぎた(*注7)事で、使える人間がいなくなってしまったのである。

     これを解決する為に、考え出されたのが新たな装備としての小手と胸当てであった。
     弓兵軍団の母体となる忍者や開発チームの主流を担う魔法使いたちだけではなく、賢者を多く擁する医師たちの協力を得て開発されたこれらは、一般的な装備としての効果だけではなく魔術的防護――使用者の腕力を一時的に高めると同時に、ゆるやかではあるが引き絞る時に酷使される筋肉への保護と成長・回復を促す効果が付与されている。
     これは魔術による瞬間的な増強(*注8)によっての反作用を少なくしようとする試みであったが、使用者が増えるに従って弓兵たちの筋力そのものを高めていく結果となったのである。
     こうして、魔術の力を借りつつもそれに頼り切ることのない、新たなる弓兵が生み出されたのであった。

    --------------------------------------
    2318文字
    注については下にぶら下げます
引用返信 削除キー/
■164 / inTopicNo.33)  第二稿補足
□投稿者/ manaly 一般人(11回)-(2008/08/03(Sun) 05:47:34)
    2008/08/03(Sun) 05:52:15 編集(投稿者)

    注1:
     非公式な記録ながら、橙オーマとの二度目の戦闘が回避されたのはるしにゃんの弓兵部隊の存在が大きい とされる記述がある。
    注2:
     これは、同じく魔術の焦点具として使用されている矢についてこれらの現象が見られない事から推測された事実による。
    注3:
     弓自体の長さのこと。
    注4:
     弓自体が長い場合、まず取り回しが困難になる。また重くなる、引き絞る時に使用する力が増える等々、様々な問題が一挙に増大する。この為、通常は長さをある程度に抑える場合が多い。
    注5:
     これは一般人の平均身長からみた話であり、弓兵を取り扱う部隊員たちと比較した場合には身長と同程度となっている。この点も、他国の人々から弓兵の変化がくみ取れない一因と思われる。
    注6:
     この場合の安定とは、飛距離や弾道についての安定である。この点は魔術的な補助がない場合に著しく安定を欠く為、開発チームのさらなる課題となった。
    注7:
     慣用表現。「弓を引く時に必要な力が大きい」という意味合いである。
    注8:
     基本的には弓を引き絞る時のみに発動するように施術されている。これは弓や矢に掛けられている各種魔術と必要以上に干渉し合わないようにする為である。

引用返信 削除キー/
■165 / inTopicNo.34)  第一稿
□投稿者/ manaly@でさき 一般人(1回)-(2008/08/03(Sun) 13:23:40)
    2008/08/04(Mon) 01:37:55 編集(投稿者)

    ○魔法弓手の誕生

    「最終目標は『弓矢で爆撃機を落とす』あるいは『弓矢で駆逐艦を撃破』です!」
    「それは何処の某塾長だ」
    「えーどっかのヤクザの元組長なじーさんじゃなくて?」
    「……共通項はハゲでジジイということでよろしいか」
    「歳の話はするなーーーー!」

    〜開発チーム、初回会議によるトンデモ発言記録。この頃はまだ冗談だった。


     この恐るべき兵科の開発、そのきっかけは、まだ長弓の改良を行っていた時期に遡る。
     元々、るしにゃん王国弓兵部隊の装備には、戦闘補助の為の魔術が施されていた。これは、様々な問題――森国人の種族的特徴として乏しい筋力を補う為、或いは飛距離や安定性を高める為のものである。
     これらの術は魔術構造ひとつひとつを取ってみればごく簡単な――それこそ基礎課程で学ぶ単純な構造レベルのものであり、効果それ自体もそれほど強力なものではなかった。
     にも関わらずこの構造を採用されていた最大の理由は、魔術そのものにあった。
     高位魔術は例外なく複雑な構成を伴うものである。これらは非常に繊細であり、施した後も些細な傷で暴発する例が少なくない。また、他の魔術によるわずかな干渉でも、重大な事故を招くことが知られていた。
     身を守る為の武器で、自分や守るべき存在である仲間を傷つける事はあってはならない。
     この為、最終的に魔術的な安定と強度を優先した術が採用され、使用され続けていたのである。

     事態が変わったのは、土台となる長弓そのものの根本的改良による。
     弓に施されていた魔術のうち、半分以上を占めていた二点――飛距離の問題が物理的技術面の向上で解決し、また筋力の分野は新たな装備に主要的に割り振る事によって軽減されることになったのだ。
     これにより、魔術構造そのものを見直し、さらなる強化が出来るのではないか、という意見が開発チーム参加メンバーの間から出始めるようになった。
     当初は長弓の改良途中ということもあり、必要以上の増強に難色を示していたるしにゃん上層部だったが、最終的に長弓の再開発が成功で終了した事も手伝い、それとは別方向での長弓の改良を目指すものとして、この計画にゴーサインを出したのである。
     ……ただし、公式文書においてはあくまでも「効率的な魔術構造の構築と、弓兵の可能性を模索する」試みであったことを、ここに明記しておく。

    --------------------------------------
    こういう方向性で。
    最終的に「魔力によるレールガン」的なものを目指す予定。

    そして若い子はマジ最初の方の会話わかんない気がする。
引用返信 削除キー/
■166 / inTopicNo.35)  第二稿
□投稿者/ manaly 一般人(12回)-(2008/08/09(Sat) 06:39:50)
    2008/08/09(Sat) 07:29:49 編集(投稿者)

    「とりあえず」の第二稿。更に弄ります。
    (3138文字)
    ---------------------------------------------
    ○魔法弓手の誕生

    「最終目標は『弓矢で爆撃機を落とす』あるいは『弓矢で駆逐艦を撃破』です!」
    「それは何処の某塾長だ」
    「えーどっかのヤクザの元組長なじーさんじゃなくて?」
    「……共通項はハゲでジジイということでよろしいか」
    「歳の話はするなーーーー!」

    〜開発チーム、初回会議によるトンデモ発言記録。この頃はまだ冗談だった。


     この恐るべき武装の開発、そのきっかけは、まだ長弓の改良を行っていた時期に遡る。
     元々、るしにゃん王国弓兵部隊の装備には戦闘補助の為の魔術が施されていた。これは、様々な問題――森国人の種族的特徴として乏しい筋力を補う為、或いは飛距離や安定性を高める為のものである。
     これらの術は魔術構造ひとつひとつを取ってみればごく簡単な――それこそ基礎課程で学ぶ単純な構造レベルのものであり、効果それ自体もそれほど強力なものではなかった。
     にも関わらずこの構造が採用されていた最大の理由は、使用されている魔術そのものにあった。
     高位魔術は例外なく複雑な構成を伴うものである。これらは非常に繊細であり、施した後も台座(この場合は弓や矢の本体)についた些細な傷で暴発する例が少なくない。また、他の魔術によるわずかな干渉でも、重大な事故を招くことが経験として知られていた。
     身を守る為の武器で、自分や守るべき存在である仲間を傷つける事はあってはならない。
     この為、弓そのものの開発の最終段階では魔術的な安定と強度を優先した現在の案が採用され、現行まで使用され続けていたのである。

     しかし長弓兵の登場――その根本となった「土台」となる長弓そのものの根本的改良が進む事によって、これら魔術を取り巻く状況もまた変わる。
     過去の弓に施されていた魔術類のうち、施術可能な表面積(*1)の半分以上を占めていた二点――飛距離強化の問題が物理的技術面の向上で解決し、筋力の分野については新たな装備に主要的に割り振られる事で解決をみた。
     また、弓丈が伸びた事で、必然的に配置出来る面積自体も増えることとなった。
     言い換えれば「魔術が干渉し合わない程度に配置できるだけの場所が空いた」のだ。
     この事態を踏まえ、術の魔術構造そのものを見直す事で、装備のさらなる強化が出来るのではないか、という意見が開発チーム参加メンバーの間から出始めるようになった(*2)。
     当初は長弓の改良途中ということもあり、また、魔術による必要以上の増強という点から難色を示していたるしにゃん上層部だったが、最終的に長弓の再開発が成功で終了した事から、それとは別方向の、しかし弓兵部隊の更なる改良を目指すものとして、この計画にゴーサインが出されたのだった。
     ……ただし、この時提出された公式文書内において、これらの計画はあくまでも「効率的な魔術構造の構築と、弓兵の可能性を模索する」試みであったことを、ここに明記しておく。


    ○方向性の転換

    「イグドラシルの情報に因れば、我々が作ろうとしているものは『弓』です」
    「……?」
    「つまり『矢を使う』ことに拘る必要性はない。そういうことです」

    〜上層部への第三次報告会議、議事録より抜粋


     上層部の鈍重ともいえる動きとは裏腹に、実際の開発チームの動きは実に提言の提出直後から開始されていた。
     この時期の開発の方向性は提言で示した通り「魔術構成の再構築と配置の最適化による弓の威力強化」であり、それ自体は非常に順調に行われた。
     しかし、最初の射出実験で判明した思いも掛けない事実から、これら「真っ当な」方向性からの強化計画は頓挫する事となってしまった。
     問題となったのは弓ではなく、矢の方だった。
     強化速度によって発生した摩擦熱に矢が耐えられず、発火、目標地点――理論値上の数値であり、戦闘機の飛行高度である一万メートルよりもはるかに手前、高度にしておよそ1000メートルほどで焼失してしまったのである。
     以後、三度に渡って様々なアイディアによる矢の強化と、それを使用しての実験が行われた(*3)が結論としては、いずれもが失敗に終わった。
     この事が、チームに発想の転換を迫る事となる。即ち「攻撃手段としての矢を打ち出すスタイルの放棄」である。
     何度かの会議と実験が繰り返された末に、彼等はこう考えたのだ。
     ―――実弾兵器としての「燃え尽きない矢」を作る事は、少なくとも現行のるしにゃんの技術力では不可能である。
     では、燃え尽きること、それ自体を攻撃行程の一部に組み込めないだろうか?

    /*/

     開発思想と、その手順について簡単に述べれば、以下のようになる。
     まず矢それ自体は、物理的に射出可能なものとして作る。
     その中(*4)に敵への追尾指令を組み込んだ攻撃魔術を組み込み、発射後に矢が燃え尽きる、或いは何らかの外的要因――この場合は敵による妨害を想定する――によって停止、方向転換、破砕がなされた時に術が発動するよう、先に条件を与えておく。
     つまるところ、矢それ自体は攻撃魔術を運ぶ為の容器として用いられるのみであり、実際の攻撃は矢に込められている魔術(魔力?)によって行われることになる。
     また、この方式であれば、魔術などで干渉を受けた場合に「矢」それ自体は止まっても、魔術の方が発動、敵を追尾し始める為、結果的にダメージを与える事が可能となる。
     言ってみれば二段構えの攻撃であり、回避することは至難といえるだろう。事実、この新型による命中率は最も低い数値で八割以上、最高では完全命中となっている。

     絶対命中、魔法の弓矢。
     この事実と高い命中率を以て、開発チームは新たな弓兵部隊の名前をこう発表した。
     即ち「魔法弓手」と。


    ○魔法弓手の実際

     とはいえ、その能力の強大さ故にか、この新装備には欠点もまた大きい。
     最大の欠点は魔術の素質のない者には基本的に扱う事が出来ないという点にある。
     また射出の際には、弓本体だけでなく番える矢の中にまで、大量の魔力を込める必要がある。この事から素質を持たない者、或いは高物理域において、この新装備は「過剰に装飾を施された長弓」と「重く壊れやすい矢」でしかない。

     これらの欠点を踏まえ、開発チームは更なる改良を行うこととなった。
     とはいえ、要ともいえる弓と矢については改造し尽くしている。その事から選ばれたのは射撃時に弓と矢に触る手――それを多う手甲であった。
     形状から「猫の爪」と呼ばれているそれは理力使い、魔法使いたちが使用している杖の製法を参考にして作られており、見た目こそ大幅に異なるものの彼等の杖と同様に魔力を周囲から引き寄せ、力を宥める作用がある。これにより、射手に対する負担は最初期に比べ、かなり軽減出来るようになっているという。

     最後に、魔法弓手たちの中のジンクスを紹介して筆を置きたい。
     彼等の中では矢を打ち出す際、必ず片目を瞑る事が暗黙の了解として知られている。
     比較的新しい職業である筈の魔法弓手たちの中で、この不可思議な行為がいったいいつ発生したかについては未だ判っていない。
     曰く、ある者は射出の時一際輝く弓のまばゆさに目を惑わされない為、と言い、ある者は周囲のリューンに対して魔力を強引な手段で引き寄せ、世界を必要以上に掻き乱す事を詫びる為と言う。古い神の姿を模す事で力を借りているという意見や、照準を合わせる為という合理的な意見も根強い。
     わかっているのは、理由は様々ながらこのジンクスを魔法弓手の全員が何の疑問もなしに取り入れているという事実である――そこから考えれば、これは何らかの魔術的な作用によるものなのかもしれない。

    ----------------------------------------------------
    *1
     表面積自体は多くとも魔術が発動する場合には、その術構成は三次元的に展開されるものとなる為、実際にはそれらが干渉し合わない為の適度な余白が必要となる。
    *2
     これが実際に提言として、上層部に提出されたのはその二ヶ月後。最終的に受け入れられたのは更にその半年後のこととなる。
    *3
     既に計画それ自体が変更している為、詳しい関係資料は既に存在していないが、主に(1)素材強化(2)付与魔術による空気抵抗削減などが試みられたとされる。非公式ながら到達高度は7000メートルとされる。
    *4
     強度と安定性の問題から、これらの魔術は鏃部分に封印されている。
引用返信 削除キー/
■167 / inTopicNo.36)  進行度合い 080821
□投稿者/ クレール 一般人(48回)-(2008/08/21(Thu) 22:14:18)
    ・竜猫
    七海さんがイラスト途中のようで、ほかは立候補もでていないので不明です。

    ・世界移動存在
    設定文を私が一箇所さぼってたのでそこを補充して、
    あとは鷹臣さんのイラスト待ちです。

    ・魔法弓手
    まずいものに抵触しないような設定文が必要ということでmanalyさんが難航していらっしゃるようです。
    技術的なことで詰まってたらるしにゃんの人にも相談してくださいね。一応星見がそろっているわけですし。
    あと、ぱんださんと鷹臣さんがイラストを書いていただける、とか?

    ・長弓兵
    一通り仕上がっているので、提出に問題はありません。
    あと、ぱんださんと鷹臣さんがイラストを書いていただける、とか?

    ・藩王
    南無さんふぁいとー! ページつくってるわたしふぁいとー!

    ・食料生産地
    ぼちぼちと進んでいます。オフシーズン挟んでから仕上げればいいので、
    これはかなりスローペースでもいいかも。
引用返信 削除キー/
■168 / inTopicNo.37)  TLO対策
□投稿者/ クレール 一般人(49回)-(2008/09/15(Mon) 10:38:00)
    2008/09/20(Sat) 05:56:09 編集(投稿者)
    2008/09/19(Fri) 22:11:33 編集(投稿者)
    2008/09/19(Fri) 21:40:11 編集(投稿者)

    ○それを戒める心

    テックレベルオーバー、世界を壊しかねない技術。
    未だその明確な定義すらも分からぬまま、ニューワールドの技術はそこに至ろうとしている。
    そしてその幻影は、ついにるしにゃん王国にも姿を現した。
    精霊機導弾のころより能力が知られてきたこの「古い」現象もまた、TLOであったのである。
    住む世界を放棄する方法とも言える世界移動。
    これを世界に住む全ての人間が行えば、人によって定義される世界はその姿を失い、崩壊してしまうことになる。

    るしにゃん王国に帰還した魔法使い達がその事を聞いて理解したとき、彼らはさらに深く苦しんだ。
    人を傷つけない方法として魔法使いが手に入れたはずの世界移動能力が、今度は世界を傷つける。
    私達はいてはいけない存在なのか? ジレンマに耐えられずそう叫ぶものもいた。
    しかし、心が痛めば痛むほど、悲しみが深ければ深いほどに、
    まるで何かのおとぎばなしのように、彼らはなにかを探しはじめた。
    自らを正当化するためでなく、同じ立場に陥ってしまっているだろうどこかの誰かを助けるために。
    その三日後、彼らは一通の手紙を政庁に届ける。

    「星見司として、あるいは魔法使いとして、風を追うすべを追い求めた場合、
     その究極は自らの目で他世界を見ることができる世界移動能力であることは自明の理であり、
     るしにゃん王国の一部の魔法使いがそうしたように、飽くなき探求の果てに見出す可能性のあるものである。
     つまり、世界移動能力の封印はすなわち世界の謎の探求を止めるに等しく、それは星見司の死を意味するのではないだろうか。」
    「世界移動能力がTLOであり、またそれを封印する手立てが厳しいものであるのならば、
     それを習得するか否は個人の知識,探究心,そして才能に任せる以外にないと思われる。
     その上で能動的に能力を技術として平等あるいは無差別に伝承することを禁じ、
     行為は心によって抑制をすればよいと、我々は考える。」
    それが答えであった。
    奇しくも知恵者の言葉と類似していることに、偶然以上の意味を汲み取ることは容易であろう。
    その手紙を受けとった政府は魔法使い達との協議を進めた上で、ひとつの法案を国内で定めることを決定した。
    それを世界移動法という。NWで初めて表立ってTLOを対象に規制を行った法律である。
    本来ならば、るしにゃん王国において世界移動能力を保有するのは魔法使いだけであり、心優しい彼らがそれを悪事に使うということは考えられず、
    それだけなら法として定める必要はなかったかもしれない。あの自戒を宣言した手紙がそれをよく示している。
    しかし、魔法使いでない者が世界移動能力を獲得する可能性や、魔法使いが悪に染まる可能性は否定できない。
    そのためるしにゃん王国は法律という形で能力に鎖をかけることにしたのだった。
    世界移動法の主な条文は以下の通りである。全文を掲載することは難しいため、ここでは一部を抜粋した。

    世界移動法
    第一条
     個人が保有する世界移動能力を万人が使用できる技術にすることを禁止する

    第二条
     世界移動能力を保有する者(以下、能力者とする)が能力者以外に世界移動の方法について、すぐに実践できるほど詳細に伝承するあらゆる行為を禁止する

    第三条
     能力者は自身が能力者であることを政府,治安維持組織,星見司処へ申告し、管理される義務を保有する
     また能力者は労働の自由を持つが、それと併せて必ず治安維持組織に所属する義務を保有するものとする

    第四条
     能力者,非能力者に関わらず、国民は世界移動行為について行為前に政庁への申請を行わなくてはならない。

    第五条
     能力者,非能力者に関わらず、国民は世界移動した先の世界では目的を達成するための最小限の介入しかしてはならない。
     ここでいう介入とは世界とそこに存在するものに干渉するありとあらゆる行為のことをさす。
     なお、本条文は自衛権を否定するものではない。

    第六条
     治安維持組織は突発的な世界移動能力の開花,違法な世界移動行為,ワールドタイムゲートの発生を監視する義務を保有する

    第七条
     世界移動能力はその国外への持ち出しを禁止する。
     能力者がるしにゃん王国を脱藩する際にはいかなる理由があれど世界移動能力を保有するアイドレスは剥奪されなくてはならない。
     しかし旅行,遠征などの国民番号が変わらない一時的な出国はその限りではない。

    /*/

    それは、リューンの活動が引き起こす超自然現象であるワールドタイムゲートやワールドクロス現象を利用して、
    人間、あるいはそれに準ずる人型のものを相対的に連続している世界へ転移させるものである。
    その方法は可能性移動、クロス移動、物理移動、第四の移動方法の4種類が確認されているが、その中でも有名なものは可能性移動である。
    とはいえ実際のところ、最も有名な可能性移動においても、その詳細な方法は不明である。
    出張鳥の須田氏曰く「世界移動能力は自力で身につけるしかない」らしく、他人への伝授は困難を極めるものと思われる。

引用返信 削除キー/
■169 / inTopicNo.38)  第二稿ダッシュ
□投稿者/ manaly 一般人(1回)-(2008/09/17(Wed) 17:12:49)
    出てる絵と資料見直して以下みたく再構成します。文章は明日にでも。

    ◯「弓の改良」がスタートしたけど、最終的に弓自体なくなる?
    ・設定絵をよく見たら爪から(非実態の)光る弓が出現→射出でした。
    ・はっぷんさんマジ天才
    ・ていうか気付いてよかった。かなり書き直しますね。

    ◯長弓兵から派生→ 長弓兵の一部にのみ使用されている新装備
    ・装備については先に提出した長弓兵に準じる=要点クリア
    ・魔術の素質(というか精霊に対する耐性?)がないと使えない
    ・熟練した弓兵である事が前提(コントロールは弓矢と同じ)
    ・小手付けて引いただけだと矢が変な所に落ちて事故ります
    ・魔術の詠唱の代わりに「片目を瞑って弓を引く」動作が必須
    ・補助の為、訓練初期は「弓を実際に持って引く」とかあってもいいかも

    ◯その他
    ・規模が大きくなるので弾道観測官とか要るかもなあとか思った。
引用返信 削除キー/
■170 / inTopicNo.39)  第三稿(前編
□投稿者/ manaly 一般人(2回)-(2008/09/18(Thu) 22:20:20)
    ○魔法弓手の誕生

    「最終目標は『弓矢で爆撃機を落とす』あるいは『弓矢で駆逐艦を撃破』です!」
    「それは何処の某塾長だ」
    「えーどっかのヤクザの元組長なじーさんじゃなくて?」
    「……共通項はハゲでジジイということでよろしいか」
    「歳の話はするなーーーー!」

    〜開発チーム、初回会議によるトンデモ発言記録。この頃はまだ冗談だった。


     この恐るべき武装の開発、そのきっかけは、まだ長弓の改良を行っていた時期に遡る。
     元々、るしにゃん王国弓兵部隊の装備には戦闘補助の為の魔術が施されていた。これは、様々な問題――森国人の種族的特徴として乏しい筋力を補う為、或いは飛距離や安定性を高める為のものである。
     これらの術は魔術構造ひとつひとつを取ってみればごく簡単な――それこそ基礎課程で学ぶ単純な構造レベルのものであり、効果それ自体もそれほど強力なものではなかった。
     にも関わらずこの構造が採用されていた最大の理由は、使用されている魔術そのものにあった。
     高位魔術は例外なく複雑な構成を伴うものである。これらは非常に繊細であり、施した後も台座(この場合は弓や矢の本体)についた些細な傷で暴発する例が少なくない。また、他の魔術によるわずかな干渉でも、重大な事故を招くことが経験として知られていた。
     身を守る為の武器で、自分や守るべき存在である仲間を傷つける事はあってはならない。
     この為、弓そのものの開発の最終段階では魔術的な安定と強度を優先した現在の案が採用され、現行まで使用され続けていたのである。

     しかし長弓兵の登場――それによる魔術的「土台」となる長弓そのものの根本的改良が進む事によって、これら魔術を取り巻く状況もまた変わる。
     過去の弓に施されていた魔術類のうち、施術可能な表面積(*1)の半分以上を占めていた二点――飛距離強化の問題が物理的技術面の向上で解決し、筋力の分野については新たな装備に主要的に割り振られる事で解決をみた。
     また、弓丈が伸びた事で、必然的に配置出来る面積自体も増えることとなった。
     言い換えれば「魔術が干渉し合わない程度に配置できるだけの場所が空いた」のだ。
     この事態を踏まえ、術の魔術構造そのものを見直す事で、装備のさらなる強化が出来るのではないか、という意見が開発チーム参加メンバーの間から出始めるようになった(*2)。
     当初は長弓の改良途中ということもあり、また、魔術による必要以上の増強という点から難色を示していたるしにゃん上層部だったが、最終的に長弓の再開発が成功で終了した事から、それとは別方向の、しかし弓兵部隊の更なる改良を目指すものとして、この計画にゴーサインが出されたのだった。
     ……ただし、この時提出された公式文書内において、これらの計画はあくまでも「効率的な魔術構造の構築と、弓兵の可能性を模索する」試みであったことを、ここに明記しておく。


    ○方向性の転換

    「そもそも、イグドラシルからの未来情報に因れば、我々が作ろうとしている先にあるものは『弓』でした」
    「……?」
    「つまり現状のように『弓矢を使う』ことに拘る必要性はない。そういうことです」

    〜上層部への第三次報告会議、議事録より抜粋


     上層部の鈍重ともいえる動きとは裏腹に、実際の開発チームの動きは実に提言の提出直後から開始されていた。
     この時期の開発の方向性は提言で示した通り「魔術構成の再構築と配置の最適化による弓の威力強化」であり、それ自体は非常に順調に行われた。
     しかし、最初の射出実験で判明した思いも掛けない事実から、これら「真っ当な」方向性からの強化計画は早々に頓挫する。
     問題となったのは弓ではなく、矢の方だった。
     強化された速度によって発生した摩擦熱に矢が耐えられず、発火、目標地点――理論値上の数値であり、戦闘機の飛行高度である一万メートルよりもはるかに手前、高度にしておよそ1000メートルほどで焼失してしまったのである。
     以後、三度に渡って様々なアイディアによる矢の強化と、それを使用しての実験が行われた(*3)が結論としては、いずれもが失敗に終わった。
     この事が、チームに発想の転換を迫る事となる。即ち「攻撃手段としての矢を打ち出すスタイルの放棄」である。
     実験と試行錯誤の末に、彼等はこう考えたのだ。
     ―――実弾兵器としての「燃え尽きない矢」を作る事は不可能である。ならば、これを燃え尽きないもの――すなわち実体のない魔術そのものを打ち出す兵装として特化させればよい。
     更に突き詰めていくならば、打ち出すものが「魔術」で在る以上は、発射させる為の機関が弓として成立している必要性すらない。それどころか、それを実際に戦場で使用する人間が弓兵である意味もない。
     むしろこれらの実験結果を基礎データとし、新たに魔法使いたちの詠唱戦闘能力を強化する為の装備として、再度の作成を行うべきではないのか。
     なんとも合理的な――しかし当然とも呼べるこの結論に、しかし、上層部に打診される直前で異議を唱えた者たちがいた。
     開発スタッフの中でも実験チーム、特にそれまで開発チームに惜しみない協力を行ってきた、現場の弓兵たちである。

    ---------------------------------------------
    だんだん脳内でプ◯ジェクトX風のナレーションが流れるようになってきました
引用返信 削除キー/
■171 / inTopicNo.40)  第三稿(中編
□投稿者/ manaly 一般人(3回)-(2008/09/25(Thu) 00:41:48)
    ○方向性の錯綜

    「そもそも、イグドラシルからの未来情報に因れば、我々が作ろうとしている先にあるものは『弓』でした」
    「……?」
    「つまり現状のように『弓矢を使う』ことに拘る必要性はない。そういうことです」

    〜上層部への第三次報告会議、議事録より抜粋


     上層部の鈍重ともいえる動きとは裏腹に、実際の開発チームの動きは実に提言の提出直後から開始されていた。
     この時期の開発の方向性は提言で示した通り「魔術構成の再構築と配置の最適化による弓の威力強化」であり、それ自体は非常に順調に行われた。
     しかし、最初の射出実験で判明した思いも掛けない事実から、これら「真っ当な」方向性からの強化計画は早々に頓挫する。
     問題となったのは弓ではなく、矢の方だった。
     強化された速度によって発生した摩擦熱に矢が耐えられず、発火、目標地点――理論値上の数値であり、戦闘機の飛行高度である一万メートルよりもはるかに手前、高度にしておよそ1000メートルほどで焼失してしまったのである。
     以後、三度に渡って様々なアイディアによる矢の強化と、それを使用しての実験が行われた(*3)が結論としては、いずれもが失敗に終わった。
     この事が、チームに発想の転換を迫る事となる。即ち「攻撃手段としての矢を打ち出すスタイルの放棄」である。
     実験と試行錯誤の末に、彼等はこう考えたのだ。
     ―――実弾兵器としての「燃え尽きない矢」を作る事は不可能である。
     ならば、これを燃え尽きないもの――すなわち実体のない魔術そのものを打ち出す兵装として特化させればよい。更に突き詰めていくならば、打ち出すものが「魔術」で在る以上は、発射させる為の機関が弓として成立している必要性すらない。それどころか、それを実際に戦場で使用する人間が弓兵である意味もない。
     むしろこれらの実験結果を基礎データとして捉え、新たに魔法使いたちの詠唱戦闘能力を強化する為の装備として、再度の作成を行う方がはるかに得策である―――
     なんとも合理的な――しかし当然とも呼べるこの大胆な方向転換は、しかし、上層部に打診される直前で破棄されることとなる。
     それに異議を唱えた者たちがいたのだ。
     開発スタッフの中でも使用試験チーム、特にそれまでの膨大な試射実験に対し、惜しみない協力を行ってきた、現場の弓兵たちである。


    ○静かなる戦

    「星見塔の方々、あるいは政庁の皆様に申し上げる。
     我等は、かの大災厄の原因たるものは、魔術にあると伝え聞いております。
     なればこそ魔術だけが、かの不思議の力だけが、国を守る『力』であることの危険性は、皆様方が一番良く知っていることではないでしょうか。
     幾度の危機を経て、今やこの国に魔術の徒を憎む者は減りました。しかし、あの大災厄の日々より後、国の民にその力の凄まじさを恐れる者が多い事もまた事実なのです。
     であればこそ我等は思うのです――魔術以外の力で国の為に尽くす事が出来まいかと。
     或いは、それらが等しく扱われればこそ、国も平穏となりはすまいかと」

    〜弓兵部隊代表者による嘆願書・抄訳より一部抜粋
    (原本は忍文字による為、抜粋不可)

     アイドレス、否、ニューワールドの歴史において、弓兵は長らく「奇兵」であった。
     この場合、奇兵とは文字通りの「異質な兵」を意味する。
     こうした考えが一般的である理由にはI=Dの存在が大きい。かの機兵――歩兵より遙かに速度と戦力に優れる存在が戦力の主流である以上、それを運用した方がはるかに楽であり、またそうした兵士たちは、レムーリア等の局地的な低物理域戦闘においてのみ必要とされる存在と考えられてきたからである。
     唯一、そう呼ぶに足るだけの戦力を保持するここ、るしにゃん王国においても、その状況はさほど変化するものではない。建国の頃より、長らく理力とその応用たる詠唱魔術による戦闘を重視してきたこの国においても、弓兵は長らく異質な存在であった。
     過去の戦役において果たした具体的な「成果」が世間で認識されていない事もまた、この事態に拍車をかけたといえるだろう(*4)。
     あるいは、こうも言えよう。
     彼等弓兵たちにとっては、それまでの開発計画は日陰者であった彼等に光が当たったに等しかったのである――それが勝手に折られ、かつその成果が目の前で費えようとしており、成果は全て他者のものとなるという。
     反発は必至であり、当然でもあった。しかし、同時にこれまでひとつの目的の為にと、力を尽くしてきたという情も彼等にはある。他意がないことも知っていた。
     故に上層部への嘆願書を下書きの段階で敢えて流出させ、開発チーム幹部に届けさせた。
     横から冷や水を浴びせた、ともいえる。諸所の事情から弓に特化させたとはいえ、元は忍者である。こうした情報戦はお手の物であった。
     ―――我々は怒っている。しかし、これを表沙汰にして掻き乱すつもりはない。
     慌てたのは結論を示した開発チーム上層部であった。そこまでの逆鱗に触れるとは、思ってみなかったのである。とはいえ、方向性が錯綜しているのも事実である。では、どうするのか。
     ……ここでようやく彼等は、扱う者たちに目を向ける。
     即ち、弓兵が用いることで最大限に威力を発揮する魔術兵装の開発に取りかかったのである。

    ---------------------------------------------
    前編と半分内容が被ります。すいません。
    という訳で、後編から具体的な武装の記述になります。
引用返信 削除キー/

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