タイトル | : 草稿 |
記事No | : 102 |
投稿日 | : 2006/12/04(Mon) 23:02:53 |
投稿者 | : S43 |
宇宙と書いてネットと呼ぶ時代の物語。 [ネットと呼ぶ時代:宇宙と書いて、うみと読んだり、そらと読んだ時代を経て、最先端の読みとしてネットが推奨されている(アプローの涙・オープニング・セレモニー 参照)] /*/
海の泡のようにそれは出現した。 それは宇宙に現れたが、それは灰色で、輝きも闇も、ともになかった。ただの灰色だった。
巨大な時空振動。惑星と恒星あわせて4000万個が吹き飛ぶような、そんな規模だった。 一番最初に吹き飛んだのは、囚人惑星であった。
[それ:以降泡と呼ばれるそれの正体は現状明かされてはいない] [灰色で、輝きも闇も、ともになかった:おそらく通常知覚できない、ぼんやりした状態を示していると思われる] [時空振動:時空とは不可分とされる時間と三次元空間を合わせた表現である。それが振動するというのは世界の異変を指すと考えられる] [囚人惑星:レイカの所属する時間警察が存在する世界で死刑囚(おそらくは時間犯罪者)ばかりを収監した監獄惑星(NOTボーナス 式神の城3 前伝2 参照)]
これだけの大事件でありながら、気づくのは、遅れた。この宇宙において重力波と光子の伝達速度は同じであり、宇宙はとても大きかったから、実際のところ100年だかそこらくらいその衝撃を観測するのが遅れたのである。実際のところ、地球まで到達=観測されるまで1000年かかるはずであった。
[観測されるまで1000年:惑星爆発の観測は重力波や光子が到達することではじめて可能になる。 この速度は光速だが、これで1000年掛かるのなら1000光年離れた場所にあったという事がわかる]
実際には人類含む知類が気づくのは、もっと速かった。 この泡の出現にあわせて世界は情報補完を開始、観測史上最大の通常型ワールドタイムゲートが、出現して他世界に影響を与えたためである。
[全文:無名世界観において各々の世界の大きな出来事はワールドタイムゲート(以下WTG)を通じて伝達され、それにより同様の事象が発生することで互いによく似た歴史を歩む。 これほどの大事件であるので、その情報を伝達すべく、超巨大なWTGが出現する事になった。 螺旋宇宙では世界そのものの質量に応じて光速度(絶対速度)は変化する。世界を渡り歩く限り、絶対速度の絶対はなくなるわけだ。
世界移動組織達が、もっとも速い第6世界群で、この現象を確認しはじめた。
[全文:無名世界観における各世界はそれぞれ時間の流れる速度が異なっている。 ある世界での1年が他の世界では50年といった事がありうる。 また、それぞれの世界が保有するエネルギーは同程度であり、これは保存される。 WTGによる情報補完で情報をやりとりしても、これは変わらない。 第6世界群というのは一つの世界が3000余りの世界に分裂した世界と言われる。 分裂後もエネルギーも質量も保存されていたことからE(エネルギー)=m(質量)Xc(光速度)^2の関係式に基づき、光速度が大幅に減ったことがわかっている。 光速度が大きくなると時間の流れは遅くなり、小さくなると速くなる。 これに従い、第6世界群はそれぞれでもまた、異なるものの、平均で他世界の約50倍ほど速く時間の流れる世界とされている。 故に、どの世界にとっても1000光年という距離は同じであっても、時間が速く流れる第6世界では他の世界よりも早く泡の影響を察知する事ができたと考えられる。] /*/
対応が一番早かったのはセプテントリオンだった。 即座に観測艦隊が組織され、送り込まれた。
そして、艦隊は全滅した。正体不明の敵艦隊と対戦し、敗北したのである。
[セプテントリオン:異なる世界を行き来する者を世界移動存在という。 世界移動存在が集まった組織を世界移動組織という。 セプテントリオンは幾つかある世界移動組織の一つであり、活発に他世界介入を行なう急進派の組織である。 ゲーム化されたストーリーでは概ね悪役である 第6世界を分裂させたのもセプテントリオンであり、その全貌を掴みもしないのに第6世界群の支配者を名乗る]
2番手は遠い未来において出現する時間警察だった。 捜査官10以上投入して、これらは完全に失敗した。全員が行方不明になった。レイカと警察犬(警察狼)も、これに含まれている。
[時間警察:時間警察が管理する正しい歴史を守る為に日夜時間犯罪者と戦う組織。 時間犯罪者とは正しい歴史を変化させてしまうような事件を起こす者である。 世界移動組織に含まれていることからもわかるように彼らの言う「時代」はWTGで強固に連結された他世界を指すと思われる。 WTGで連結された時代の異なる他世界は同一世界の過去・未来世界と大差がない。 何故なら、他世界の事件はWTGによって伝えられ時間警察の世界にも影響を及ぼすのだから]
3番手の神聖同盟は最高の世界の謎ハンターの一人である海法と、エース伯牙以下の小隊を冒険艦”蝦天号”で送り込んだ。 七つの世界を通じても世界最速の冒険艦である蝦天号は惑星を爆破して”泡”との接続を遅らせようとする地の母の母と接触、したものの惑星爆破は阻止できずに行方不明。
[神聖同盟:セプテントリオンと対立する世界移動組織。 ゲーム化されたストーリーでは概ね主役側である。 青の厚志配下の青・アルファなどが含まれる。] [冒険艦:NEPドライブを機関とする超高速宇宙艦船。 その速度を利用して様々な世界に行くことができる。 具体的な移動原理等は未だ不明。]
2度に渡ってエースだけを集めた救援部隊を投入したが、ともに失敗した。 3度目の救出隊が送られるはずだったが、そのうちに、それどころではない事件が連発しはじめた。
セプテントリオンが、崩壊したのである。
/*/
観測艦隊が破壊されたセプテントリオンはシープホーン(エースキラー)、NEP、アームワーカーを含む装備で正体不明の艦隊と戦闘を開始した。 そして完敗を喫した。もとより戦闘向きの組織ではなかったが、それにしても一方的な戦いであった。
[シープホーン(エースキラー):八本腕の戦闘兵器 セプテントリオンが開発量産した最新鋭機 原型はGIGUと呼ばれる兵器である模様] [NEP:非エリンコゲート空間追跡機 ゲートコイルと呼ばれる特殊なWTGを内部に有し、これを利用して対象を存在する世界から強制的に移動させる装置 本来は兵器ではないが、第6世界では対惑星攻撃などに用いる兵器として運用されていた] [アームワーカー:セプテントリオンでは身体の部位にちなんで役割の称している アームワーカーもその一つで武力特化した部署を指す 一方強力な兵器やエージェントそのものをこう呼称する場合もあるようだ] この一戦と戦争責任の関係で、セプテントリオンで内戦が勃発した。 旧主派と呼ばれる一派は”ラーカウ要塞”から火星の海に本拠を移している。
ほぼ時を同じくして、かねてから神聖同盟のスパイではないかと呼ばれていたロイ・バウマンはこのどたばたに応じてセプテントリオンを脱出、身を隠した。
[ラーカウ要塞:おそらく悲しみの聖戦期の移動要塞の一つ これまでサンカウ・ラーウ・アーカウの名が出ている アーカウは式神の城Uに登場したねじれた城のことである] [火星の海に本拠を移している:先の小儀式魔術白のオーケストラにおいて登場している基地と思われる]
”泡”を娘のために使う者もいた。小島空に取り付いた思念体である。 死に行く娘を助けるため、タイミングをあわせ、時間稼ぎをし、情報の補完ミスが多発したことでレムーリアが動き出したのを見計らって娘以下をレムーリアに突き落とした。聖銃を使わずに所謂確定された未来から”不定の結果”に持ち込んだのである。
[小島空に取り付いた思念体:A、或いはAの一人] [聖銃:最強の個人携帯兵器にして唯一歴史を変えうる存在 かつて彼のものの遺跡で16丁が発見されたという] [全文:白いオーケストラにおいて空が待っていたタイミングは、第6・7方面への断絶である したがって、”泡”の起こした状況はコレを指すものと考えられる 当初はCWTGの崩壊が原因といわれていたので、これも同一事象かもしれない レムーリアは正しく他世界に伝えられなかった情報の受け皿ではないかという説が有力視されており、この記述はこれと合致する 通常、聖銃以外に歴史を変えることはできないとされており、この状況は本当に例外的な大事件であったことが覗える]
一方火星をめぐるセプテントリオンとの戦闘で深く傷ついた神聖同盟のリーダー、アリアンは記憶継承を受けて復活、新たに活動を再開している。彼がやったことはホームベースである火星への再侵攻であり、彼はここで、セプテントリオンと休戦して組織を立て直す時間を稼ぐことに成功する。これをアエリアの和解という。
[アリアン:ヤガミ・ソーイチローと言った方が通りがいいだろう GPMの岩田であり、絢爛舞踏祭のヤガミである 白いオーケストラで死亡したが、ヤガミ復活作戦において、速すぎる為にあらゆる世界からの情報補完を受けないパーフェクトワールド・第6オリジナルに残っていた磐田から 記憶継承することで復活した] [アエリアの和解:ターニの帰還の中で開催されたアエリアを舞台にしたゲームで黒服と会談する姿を目撃されている]
そして7ヶ月、新たな動きがはじまる。
|