| 「ああ、更夜さんが行っちゃった」 撤退する弓隊を見送りながら、ぷーとらが寂しそうに呟く。 戦場に居たって、乙女の恋する気持ちは変わらない。第一、恋する乙女は常に戦場に居るようなものだ。 「まぁまぁ、後で会えますよ。」 会えない時間が長い方が、二人の想いは募るものです、とChessが宥める。 「いいえ」 ぷーとらは首を振った。なんだか怖い表情を浮かべている。 「会えない間に、浮気されるのが嫌なんです。」 まるで、浮気したら刺す、とでも言うような、迫力だった。 Chessはそんなぷーとらから顔を背け、がくがく震えだす。
「何やってるんだろ、あそこ」 遠めに見ていたナナが、その二人の様子を見て呟いた。 「いつものことでしょ、ぷーとらさんが嫉妬してるんだよ。」 たいふーんが、医療道具を点検しながら、顔も上げずに解説を入れた。二人のやり取りは、雰囲気だけで分かるような、そんな日常茶飯事の事らしい。 「・・・あー、なる。」 納得した表情で頷くナナ。 「あ、暁さん達、来たわよ。一緒についていかないと!」 自分達の前衛を努めることになる暁の部隊との合流を果たし、チームアルフはそんなこんなで彼らの戦闘を開始した。
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